フードコーディネーターと一口に言っても、その業務内容は多岐に渡ります。今回は、「祐成陽子クッキングアートセミナー」に所属する大塚弘美さんに、普段のお仕事内容や、フードコーディネーターになったきっかけについて、伺いました。

■メニュー開発からスタイリングまで、業務はさまざま

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えてください。

私が所属している「祐成陽子クッキングアートセミナー」では、料理教室の運営の他、雑誌・書籍やテレビなどの撮影、企業のメニュー開発など、料理にまつわる仕事を幅広く行っています。
私の主な仕事の一つが、「フードコーディネーター養成コース」の講師です。準備とデモンストレーションをし、作り方・盛り付けのポイントなどを生徒さんにアドバイスをしながら一緒に調理をしています。
その他の仕事では、依頼に合わせたメニューの開発・商品撮影で使う料理の作成・器やクロスなどのスタイリングなどを行っています。
毎日、料理の試作・撮影や料理教室の前には材料の買い物や下ごしらえなどの準備など業務もさまざまです。そのため、勤務時間も日によって異なります。

<一日のスケジュール>※撮影がある日
8:00 出勤、計量、調理の下ごしらえ
10:00 撮影スタート/調理、盛り付け、スタイリング
15:00 終了/片付け
16:00 リース品の返却、レシピのチェック、翌日の準備
17:00 終了

Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

料理教室で生徒さんから「美味しい!」「家でも作ります!」と料理の感想をいただいた時はとてもうれしいです。また、撮影したものが雑誌やテレビなどで紹介され、それを見た時にはやはり達成感を感じます。
私が所属しているスクールの校長は「この仕事は美味しい料理を食べるのも勉強!」と言っていろいろなお店に連れて行ってくださいます。そんな時、上司の先生や後輩と食事をしながらなぜ美味しいのか、どのように作るのかなどを考え、意見を出し合って大盛り上がりするのはとても刺激的で楽しいです。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
 
この仕事をしていてつらいと感じたことはありません。
ただ、食の仕事をする上で当然のことなのですが、常に衛生面や食品の取り扱いには細心の注意を払うようにしています。料理を作る人は見た目の清潔感も大切です。身だしなみも常に意識して仕事をするよう心がけています。
また、この仕事は代わりがきかず、責任も大きな仕事です。日ごろから体調管理には十分気を付けています。

■祖母の美味しい料理がきっかけで、料理に夢中になった

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
 
祖母はとても料理が上手で、食卓にはいつも美味しい料理が並んでいました。祖母の料理が大好きだった私は、幼稚園から帰るとまず最初に「今日のごはんは何?」と聞いていましたね。夕飯の時間まで待てずに「味見!」と、ねだっていたことを今でも覚えています。
料理を作ることにも興味を持ち始めると、祖母の手伝いをしながらさまざまな料理を覚えていきました。また、祖母と一緒に料理番組を見るのも日課で、「私もテレビに出ている人みたいに料理を紹介する人になりたい!」と思ったのがこの仕事を志すきっかけでした。
中学生になってからは、部活よりも家で家族のためにごはんが作りたくて、理由をつけては早退をしていました(笑)。どんどん料理に熱中していった私は、高校は調理科に入学。進路を決める時に料理に関する仕事を調べる中で、初めてフードコーディネーターという仕事を知りました。卒業後、飲食店で働きながら今の職場でもある養成校に通い、さまざまな専門知識や技術を習得。同校のアシスタントを経て講師になりました。
 

Q5. 仕事に就かれるために、どのようなことを学ばれましたか?
 
「祐成陽子クッキングアートセミナー」で、フードコーディネーターとして仕事をしていくために必要な、テーマに合わせたメニューの考え方・スタイリング・レシピの書き方・撮影用の調理方法・撮影映えする盛り付け・撮影方法といった、知識や技術を学びました。こうして基盤を築き、アシスタント時代には実地でさまざまな経験をしたことが今の仕事に生きていると感じます。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
高校生の時に調理科に入学し、大好きな料理を仕事にすることは決めていました。フードコーディネーターという職業を知ったのは高校3年生の進路を決める時。インターネットで調べたのがきっかけでした。その時はどうやったら子供の頃からの夢だった家庭料理を紹介する仕事につけるのかといろいろ調べ、この仕事を見つけた時には、これしかない! と、思いましたね。

■「とにかく料理が好き!」その気持ちが大切

Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
 
料理が好きで探究心が強い人でしょうか。まず、料理が好きというのは大前提。しかも本当に好きかどうか、が大切。趣味にするのと仕事にするのでは大きく異なります。
この仕事では依頼に合わせてその都度新しいレシピを考え出さなくてはいけません。幅広い知見と強い探究心も必要だと思います。

 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします。

食べるのが好き、料理が好き・食器が好き・美味しそうな料理が出てくるドラマや映画を観るのが好き……。この仕事を志すきっかけはさまざまあるかと思いますが、活躍の場もまた幅広い仕事です。
まずは、フードコーディネーターの人が手掛けている仕事に目を向けてみることから始めてみるといいと思います。たとえば、美味しそうな料理の盛り付け方や、コーディネートの仕方など、必ずプロならではの見せ方があるはずです。
他にも、お店で美味しい料理を食べたら、家でも作ってみるといいでしょう。誰かに食べてもらうために料理を作ると上達も早いですよ。私自身、小学生の時に作った料理を家族が「美味しい!」と食べてくれたのがうれしくて、料理の楽しさに目覚めました。
日常の中には勉強になることがたくさんあるので、いろいろなことに目を向け、料理をたくさん作ってみてください!

 
大塚さんの生み出す素敵なメニューやレシピの裏側には、「とにかく料理が好き!」という熱い気持ちや喜びがあるのですね。今、「料理することが好き」「人に喜んでもらうことが好き」という思いを抱いている人は、フードコーディネーターへの一歩をすでに歩み始めているのかもしれません。
 

【profile】祐成陽子クッキングアートセミナー 大塚 弘美
 http://www.sukenari.co.jp/