声優・立花理香が1月22日に1stフルアルバム『Heart Shaker』をリリース。全10曲の収録曲中、新曲4曲ではこれまで発表してきた楽曲とは違うジャンルに挑戦し、あらたな魅力を発揮している。

  • 立花理香(たちばなりか)。2月27日生まれ。広島県出身。PUGNUS所属。主な出演は『アイドルマスター シンデレラガールズ』小早川紗枝役、『女子かう生』富戸もも子役、『八月のシンデレラナイン』阿佐田あおい役、『雨色ココア sideG』レイン役など
    撮影:稲澤朝博

また、楽曲自体とあわせてファンを驚かせ楽しませてきたのが、彼女が作品に隠した”裏テーマ”。本作でも、新曲やアルバムタイトルを貫くテーマが存在するようで……?

●今明かされる、『Heart Shaker』の真の意味

――ご結婚おめでとうございます!

ありがとうございます! いやー、まさか自分が結婚できるとは(笑)。こんなこともあるんですね……「えー!」とか「草」みたいに反応をいただいて、半分ぐらいの人はなんとなく笑ってましたけど(笑)。

※編集部注:2019年12月28日、オリックス・バファローズの若月健矢選手との結婚を発表した

――11月30日には3rdライブも開催されて、公私ともに充実されている印象です。

いやー、ライブ、楽しかったぁ……!

――立花さんもお客さんも、すごく楽しそうなライブでしたね。

ただ、夜の部の「ウイスキーがお好きでしょ」で、まさかあんな大爆笑が起きるとは(笑)。超名曲のバラードなのに。でも、昼も夜も本当に全力で楽しかったですね。

――そのライブタイトル「Heart Shaker」が、実は今回リリースされる1stフルアルバムのタイトルでした。

そうなんですよ。なのでアルバム4曲目の「JUST SIZE LIFE」も、初お披露目をさせていただいたんです。

――前回のインタビューでは「close to you」の構想が夏頃にはあったとお聞きしましたが、アルバムとしてもその頃から走り出していた?

そうですね。でもアルバムを発表する前にライブがあったので、一足先に楽しんでいただけたらいいなと思って、フライングで2曲デジタルシングルとしてリリースさせていただいたんです。

――「Heart Shaker」という言葉、ライブタイトルとしては「来てくれる人の心を震わせたい」という意味だとおっしゃっていましたが、アルバムも同様のコンセプトに?

あはは……(笑)。

――ちょっと違う部分もありそうですね(笑)。

もちろんそういう意味合いもあるんですけど……今回は初のフルアルバムということで、私のわがままをたくさん詰め込ませていただいたんですけど、その中のひとつが「お酒をテーマにしたい」ということで。私、お酒が好きなので、いつかお酒にちなんだ曲を作れたらいいなと思っていたんですよ。だから実は、「Heart Shaker」の”Shaker”はカクテルシェイカーの”シェイカー”にもかかっていまして(笑)。それぞれの”カクテル言葉”をモチーフに、新曲を制作していったんです。

――いろんな味を楽しめる1枚になっている、という意味も?

そうです! おっしゃるとおり。

――だから「close to you」のMVにもバーのシーンが出てくるのでしょうか。

そうなんです! 「close to you」はギムレットがテーマになっているので、MVの中でもギムレット的なものをたしなみつつ(笑)、楽しく。

――ただ、曲自体はダンサブルなのにもかかわらず、意外にもMVでは踊っていないんですよね。

そこがちょっと、私としてはミソでございまして。デビューミニアルバム収録の「REALISTIC」のMVでは結構ダンスを取り入れたりもしていたんですけど、今回はオトナな余裕感みたいなものを出せたらいいなと思ったんです。なので、ダンスフロアっぽい場所で撮影もしていたんですけど、バシバシ踊るよりもちょっとすましていることで、オトナな感じを出しました。

――ただ、ライブでは特にサビの部分でリズムに合わせて細かくフリをつけられていましたよね。

時系列的には、MV撮影があってからライブだったんですけど、やっぱりライブでは、踊ったほうがかっこいいんじゃないかなと思ったんです。ただ、ライブまで時間があまりなかったので……自分で振り付けして踊っちゃいました(笑)。サビだけですけど、「やっちゃえ!」と思って。

――ということは、もうひとつのデジタルシングル曲「Sky Diver」もお酒がモチーフに?

はい。スカイ・ダイビングっていうきれいな蒼いカクテルがあるんですけど、「一歩を踏み出す」みたいな意味のカクテル言葉をもっていたので、「これをテーマに書きたいな」と思って作詞をさせていただいた曲です。

●大ファンの山崎あおいからの提供曲で、自身も泣きながら晩酌!?

――他にも、アルバムの内容についてこだわった部分はありますか?

元々ファンだった山崎あおいさんに「JUST SIZE LIFE」を書いていただいたり、9曲目の「ピンクバニラ」も以前、高橋美佳子さんにお会いしたときに「何か困ったことがあったら、話を聞くよ」とおっしゃっていただいたのに甘えまして(笑)、歌詞をお願いしました。……本当に、私の好きなものやワガママを詰め込ませていただきましたね。

――その「JUST SIZE LIFE」は少々スローなR&B調の楽曲で、非常にナチュラルに聴ける曲といいますか。

そうなんですよ。まさに「THE・日常」というか……一人暮らしの、ちょっと寒い夜の帰り道とかに聴ける感じの曲だと思うんですよね。

――この曲でモチーフにされたカクテルは?

モヒートです。カクテル言葉は「心の乾きを癒やして」なんですけど、そのイメージ通りでありながら、まさにタイトル通り背伸びをせずに歌える曲で。山崎さんの書く歌って、すごくリアリティのある女性像が描かれているんですけど、しかもそれがちょっとどこか残念な感じなんです(笑)。でも、そんな女性を描いた曲がめちゃくちゃ沁みて大好きだったんですよね。なので、山崎さんには失礼ではあったんですけど、「ちょっと残念な感じの女性の歌をうたいたいです」とお願いしたら、いただいた曲がもうよすぎて! 特に2番は、最初のデモを聴きながら、泣きながら晩酌をしていたぐらい沁みたんです。……当時まだ独身だったんで、余計に(笑)。この曲は、本当に歌詞を読んでほしい……!

――歌うときにも、まさに背伸びせずに?

そうですね。ちょっと脱力しながらというか、音に乗りながら歌っていきました。

――この曲は、先ほどおっしゃったように先日のライブでも披露されました。

基本的には、今までは曲の発売後にしか歌ったことがなかったと思うので、生歌で曲や歌詞に初めて触れていただくということにめちゃくちゃ緊張したんです。でも、その分いつも以上に届けることを意識して歌えたので、生での初披露はすごく緊張しましたけど、やってよかったです。

――ちなみに、ライブで初披露されたあとファンの方から反響はありましたか?

歌う前は、わかりやすく盛り上がるタイプの曲ではないので「どういうふうに受け止めてくださるのかな?」と思っていたんですけど、「すごくスッと入ってきて、沁みてきました」とおっしゃってくださる方も多かったんですよ。なので「伝わってくれていたら、よかったなぁ」と思いました。