服の選び方には、性格が表れます。3つの「優位感覚」で服の選び方がどう変わるのか、その違いから、自分の個性を把握してみましょう。

◆服を買うときの決め手は? 買い物には「優位感覚」が表れる
「あの人は何でもパッと決められるのに、なぜ私はなかなか答えが出せないんだろう?」
「私は即決して、後悔することが多い。なぜいつも、こうなっちゃうんだろう?」

このように、人との性格を比べて落ち込んでしまうことはありませんか? もしそうなら、人それぞれが持つ「優位感覚」の違いを理解すると、落ち込まなくなるかもしれません。

人が物事を判断する手掛かりとして活用しているのが、「視覚」「聴覚」「身体感覚」という3つの感覚です。そして、この中でメインに使う感覚を「優位感覚」と呼び、個性はこの「優位感覚」に大きく影響を受けているのです。

では、自分自身の優位感覚はいったいどれなのでしょう? それを知る手がかりの一つが「買い物」です。特に「服の買い方」に注目すると、優位感覚がよく分かります。

さっそく、3つの優位感覚ごとの服選びの特徴を解説しましょう。違いを理解いただくために、多少オーバーに表現しているところもありますが、ご了承ください。

◆1. 視覚優位の人……色やデザインから「着ている自分」をイメージして買う
まず、視覚優位タイプの人。このタイプの人は、画像や映像でイメージを思い浮かべるのが得意です。

したがって服を見ると、まず色や形、デザインに惹きつけられ、ディスプレーから着ている自分をパッとイメージすることもできます。そのため「ステキ」と思ったら、わりと迷わずに買い物ができるタイプです。店頭で一目ぼれして買ったり、ネットで画像を見ただけで服を買えるのも、視覚優位タイプの人の特徴です。

ただし、買った後にイメージとの違いに気づき、「どうしてこんな服、買っちゃったんだろう」と、後悔することも多いかもしれません。

◆2. 聴覚優位の人……情報を集めて計算して服を買う
次に、聴覚優位タイプの人。このタイプの人は、耳から入る情報の処理に長けており、論理的に考えるのが得意です。

そのため、買い物の際にはその商品にまつわる「情報」を重視します。ブランドは何か、素材は何か、店員が勧めるポイントは何か、コスパはどうか、こうした情報が買い物の重要な決め手となるのです。

頭でよく考えて買うため、大きな失敗は少ないかもしれません。しかし、ハートでのときめきはどうしても後回しになってしまうため、「納得して買ったのに、着てもなぜか楽しくない」、そんな気分になることが多いかもしれません。

◆3. 身体感覚優位の人……着心地やフィット感を確かめながら買う
最後は、身体感覚優位タイプの人。このタイプの人は、触覚や身体になじむ感覚を重視します。したがって、服を買う際には、肌触りやフィット感をじっくり確かめます。そのため、何枚も試着してから購入を考えます。

着心地のいい一着を見つけたら、その服をずっと愛用し、大事に着続けることが多いでしょう。しかし、その一着に出合うまで店を歩き回り、買い物に時間がかかりすぎてしまうのではないかと思います。

私自身の感覚は、身体感覚優位タイプだと思います。なぜなら、服を買う際には、何度も試着して肌触りやフィット感を確かめているからです。買うまでにはとても時間がかかりますが、気に入った服に出合うと着ているだけで心が満たされます。

しかし、手ごろな値段ではそうした服に出合えないので、普段は間に合わせの服を着ながら「どこかに“納得の一着”がないものか……」と、探し歩いていることが多いです。

◆優位感覚の違いを受け入れると、人生はもっと楽しくなる!
買い物一つを例にとってもわかるように、人の考え方や行動は無自覚のうちに「優位感覚」に大きく影響されているものです。そして、この優位感覚の違いが各々の個性になっているのです。

もちろん、人は優位感覚だけを使っている訳ではなく、他の2つの感覚も使って総合的に物事を判断しています。しかし、服は数年使い続ける、大事な買い物です。したがって、多くの場合、その買い物を優位感覚で納得できたかどうかが、購入の大きな決め手になっていると思います。

自分を好きになれず、他人との性格の違いに悩むことが多い場合、まずは、自分の優位感覚を知ることから始めてみるとよいかもしれません。どの感覚が優れ、どの感覚を高めるべき、ということは一切ありません。

そのため、優位感覚の違いを知ると、自分の「らしさ」に気づき、他人の「らしさ」も認められるようになります。すると、人生や人間関係を今までの何倍も楽しく感じられるようになるでしょう。

◇大美賀 直子プロフィール
公認心理師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を持つメンタルケア・コンサルタント。ストレスマネジメントやメンタルケアに関する著書・監修多数。カウンセラー、コラムニスト、セミナー講師として活動しながら、現代人を悩ませるストレスに関する基礎知識と対処法について幅広く情報発信を行っている。

文=大美賀 直子(公認心理師)