14年ぶり『ナニワ・サリバン・ショー』で奥田民生、のんらが忌野清志郎の名曲を熱唱

「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー Oh! RADIO~五十年ゴム消し~」が2020年1月18日、大阪・エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)にて開催された。忌野清志郎を敬愛する多くのアーティストが楽曲カバーを披露した本公演には6000人近くの観客が駆けつけた。オフィシャルレポートを掲載する。


1月18日に大阪・エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)にて、ライブイベント「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー Oh!RADIO~五十年ゴム消し~」が開催された。14年ぶりの開催となった今回は、忌野清志郎の逝去から10年を越え、この春にはRCサクセションのデビュー50周年を迎えるという節目に、奥田民生、宮藤官九郎、斉藤和義、T字路 s、寺岡呼人、トータス松本(ウルフルズ)、仲井戸”CHABO”麗市、のん、間寛平、浜崎貴司(FLYING KIDS)、YO-KING(真心ブラザーズ)、リリー・フランキー、渡辺大知らが出演。往年のファンをはじめ約6000人が訪れた。

イベントのヒストリー映像がスクリーンに次々と映し出され、この日の演奏を一手に担う、NANIWA SULLIVAN ROCKNROLL CLUB BANDとともに、奥田民生、トータス松本、渡辺大知が歌い上げた「ナニワ・サリバン・ショーのテーマ」から、会場中の観客がいきなり総立ちの幕開け。14年の時の流れなど微塵も感じさせない躍動感のあるサウンドに彩られたステージで、「ついに始まりましたよ『ナニワ・サリバン・ショー』、楽しんでください!」とはトータス。そのまま奥田が残り「つ・き・あ・い・た・い」を熱唱するなど、日本でも有数のロックミュージシャンたちが、忌野清志郎の名曲群を代わる代わる歌い継いでいく。



ここで再びスクリーンには、「大阪の皆さん盛り上がってますか? 愛しあってるかい!」と、伝説のキャバレー歌手・オーティス栗原(忌野清志郎)に扮したリリー・フランキーが登場。「ご機嫌でしたね、ド頭からエンディングかと思うような」とライブの熱気をディスクジョッキー調に伝え、旧知の仲の宮藤官九郎に対しては、「去年1年間、大河ドラマで受けたストレスが「自由」という選曲に出てましたね(笑)」といじるなど、会場をドッと沸かせる。

間寛平、浜崎貴司、YO-KINGがステージに現れ、斉藤和義がドラムで参加した「腰をふれ」では、「寛平さん全然歌ってなかったし、腰の振り方も変だし」という声に、「ずっとチャチャマンボやってたよ」と返すやりとりに場内は大爆笑。その後は、「雑踏」をピアノ一本で情感たっぷりに届けたYO-KINGに加え、寺岡呼人、渡辺大知らがお気に入りの楽曲「わかってもらえるさ」への思い入れを語り合う。どの出演者もまるで青春時代に戻ったかのように楽しげで、ひと声で誰と分かる歌声を備えながら、忌野清志郎へのリスペクトと愛が感じられる歌いっぷりが印象的だった。



一転、アリーナにスポットライトが当たったかと思えば、客席を走り抜け間寛平が再び壇上へ。「スターたちの中でお笑い芸人が1人混じってますけど、清志郎さんに作ってもらった曲をやらせてもらいます、あーめーまー! (笑)」と絶叫し、かつて間が地球一周のアースマラソンに挑戦した際に清志郎が贈った「RUN 寛平 RUN」や、今の時代にも響くメッセージ性を宿した「ジャングル・ジム」を披露。なかなかライブでは聴くことのできない、清志郎作のレアなナンバーを味わえる貴重な機会となっていた。

トータスとともに登場したのんが、赤いエレキギターをかき鳴らし「I LIKE YOU」を堂々と聴かせる佇まいはフレッシュにして最高にキュートで、トータスは「すごい熱気です、ありがとう! 『ナニワ・サリバン・ショー』を14年ぶりにやることが決まったときに僕が思ったのは、今、清志郎さんの声で聴きたい歌をみんなで歌いあいっこしたら面白いんじゃないかと」と続け、オーティス・レディングの「Try a Little Tenderness」をカバー。熱くシャウトするトータスに会場は大いに盛り上がり、第一部は終了した。



第二部では、FM COCOLOのDJマーキーと野村雅夫がスクリーン上でラジオ番組さながらのトークを展開。舞台上に飾られた清志郎愛用のギターや自転車について解説した後は、奥田、斉藤、寺岡、浜崎、トータス、YO-KINGの6人=カーリングシトーンズが、「いい事ばかりはありゃしない」でぶち上げるひときわ豪華なオープニングに。1人残った斉藤が、「第1回目の『ナニワ・サリバン・ショー』のときに清志郎さんと一緒に歌わせてもらった曲を」と「空がまた暗くなる」を歌唱。「おとなだろ 勇気をだせよ」とリフレインされるメッセージが時を超えて今、オーディエンスの胸に訴えかけるかのよう。



続いては、「すごく占いが当たりそうなゲイバーのママみたいな格好ですけど(笑)、僕も1曲歌わせてもらおうかな」と、斉藤の飲み友達でもあるというリリー・フランキーがステージへ。「自分の彼女が三番目に大切だって歌うんですけど、こんな正直な曲があるのかなと(笑)」と、「三番目に大事なもの」を斉藤と歌う光景が、少年時代に部屋で清志郎の音楽を聴いているかのようなノスタルジーに誘う。さらには、斉藤が「最近一番好きなミュージシャン。ものすごい声なんですよ」と男女2人組ユニット・T字路 s を紹介。言葉どおりのハスキーな歌声の凄みで、その存在をしっかりとアピールしていた。そんな白熱の演目が続く中、目を閉じ全身全霊で「ヒッピーに捧ぐ」を絶唱した渡辺大知には、観客も思わず息を呑む。

そして、「こんばんは、RCサクセションです!」と、仲井戸”CHABO”麗市がステージに現れると大きな歓声が上がり、ブルージーなギターを奏でつつ、時折、清志郎が憑依したかのように歌うチャボ。さらには、「3回目の『ナニワ・サリバン・ショー』で出会って、演出家だ何だの聞いてたけど、ギターを弾いてる姿を観て「あいつ、ロックンロールを知ってるぞ」って清志郎に言ったのを覚えてる」と、これ以上ない言葉で迎えられた宮藤を皮切りに、奥田、のん...... と出演者がズラリ勢揃い。「清志郎、みんな集まってくれたぞ!」とあのギターリフが鳴り響かせ、「雨あがりの夜空に」、「激しい雨」を全員で歌う幸福なフィナーレには、音楽のピュアなエネルギーが充満していた。





鳴りやまない拍手に応えたアンコールでは、「きっと清志郎も喜んでるよ。あいつはこうやってみんなでにぎやかに演るのが好きなんだ。ソングライターは自分の曲が愛されるのが一番嬉しいんだ! もう1曲だけやらせてよ」とチャボ。「清志郎の書いた、歌った歌、ずっと聴いてね」との言葉と、「毎日がブランニューデイ~よォーこそ」を最後にステージを後にするミュージシャンたち。忌野清志郎と彼を敬愛する全ての人の未来を照らすエンディングに、客席からの「ありがとう!」の声が止まらない。出演者にとっても、観客にとっても、忘れられない 一夜となった14年ぶりの『ナニワ・サリバン・ショー』だった。



なお、この日のライブ音源に出演者のコメントなどを織り交ぜた特別番組『忌野清志郎 ナニサリ外伝 2020』が、2月23日(日・祝)18:00~21:00、FM COCOLOにてオンエア(http://radiko.jp/#!/live/CCL)されるほか、NHK BSプレミアムでもこの春、特集番組が放映される。

取材・文=奥”ボウイ”昌史
撮影=渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC) / 河上良(bit Direction lab.)

=セットリスト=
1. 「ナニワ・サリバン・ショーのテーマ」by 奥田民生 / 宮藤官九郎 / トータス松本(ウルフルズ) / 渡辺大知
2. 「つ・き・あ・い・た・い」by 奥田民生
3. 「自由」by 宮藤官九郎
4. 「腰をふれ」斉藤和義 / 間寛平 / 浜崎貴司(FLYING KIDS) / YO-KING(真心ブラザーズ)
5. 「雑踏」by YO-KING(真心ブラザーズ)
6. 「わかってもらえるさ」by 寺岡呼人 / YO-KING(真心ブラザーズ) / 渡辺大知
7. 「ありふれた出来事 PART2」by 寺岡呼人
8. 「あの娘とショッピング」by NANIWA SULLIVAN ROCKN ROLL CLUB BAND
9. 「RUN 寛平 RUN」by NANIWA SULLIVAN ROCKN ROLL CLUB BAND
10. 「ジャングル・ジム」by 間寛平
11. 「I LIKE YOU」by トータス松本(ウルフルズ) / のん)
12. 「Try A Little Tenderness」by トータス松本(ウルフルズ)/宮藤官九郎
13. 「いい事ばかりはありゃしない」by カーリングシトーンズ
14. 「空がまた暗くなる」by 斉藤和義
15. 「三番目に大事なもの」by 斉藤和義/リリー・フランキー
16. 「甲州街道はもう秋なのさ」by 斉藤和義/T字路 s
17. 「ラプソディー」by T字路 s
18. 「トランジスタ・ラジオ」by 宮藤官九郎/浜崎貴司(FLYING KIDS)
19. 「プン・プン・プン(オコリンボ・リンボ)」by のん
20. 「ヒッピーに捧ぐ」by 渡辺大知
21. 「まぼろし」by 仲井戸”CHABO”麗市
22. 「ドカドカうるさい R&R バンド」by 奥田民生 / 宮藤官九郎 / 仲井戸”CHABO”麗市 / のん
23. 「雨あがりの夜空に」by 奥田民生 / 宮藤官九郎 / 斉藤和義 / T字路 s / 寺岡呼人 / トータス松本(ウルフルズ) / 仲井戸”CHABO”麗市 / のん / 間寛平 / 浜崎貴司(FLYING KIDS)/ YO-KING(真心ブラザーズ) / リリー・フランキー / 渡辺大知
24. 「激しい雨」by 奥田民生 / 宮藤官九郎 / 斉藤和義 / T字路 s / 寺岡呼人 / トータス松本(ウルフルズ) / 仲井戸”CHABO”麗市 / のん / 間寛平 / 浜崎貴司(FLYING KIDS) / YO-KING(真心ブラザーズ) / リリー・フランキー / 渡辺大知
EC1. 「毎日がブランニューデイ~よォーこそ」by 仲井戸”CHABO”麗市


<イベント概要>

「忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー Oh!RADIO~五十年ゴム消し~」

2020年1月18日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)
時間:16:30 開場 / 17:30 開演
出演アーティスト:忌野清志郎 / オーティス栗原
奥田民生 / 宮藤官九郎 / 斉藤和義 / T字路s / 寺岡呼人 / トータス松本 (ウルフルズ)/ 仲井戸”CHABO”麗市 / のん / 間寛平 / 浜崎貴司(FLYING KIDS / YO-KING(真心ブラザーズ) / リリー・フランキー / 渡辺大知
【NANIWA SULLIVAN ROCKNROLL CLUB BAND】
梅津和時(A.Sax / KIKI BAND) / 伊東ミキオ(P.Key / MIKIO TRIO) / 藤井一彦(Gt. / THE GROOVERS) / 中條卓(Ba. / シアターブルック) / サンコン Jr.(Dr. / ウルフルズ) / 多田葉子(T.Sax / こまっちゃクレズマ)