アマゾン ウェブ サービス ジャパンは1月20日、ソニー銀行が勘定系を含め全業務をクラウドに移行する方針であることを発表した。

  • AWSの利用可能範囲に勘定系システムも追加

ソニー銀行では、2013年末からAWSの利用を開始し、通常業務を行う社内システムでは既にAWS移行が完了しているという。現在、銀行システムについても融資審査システム、市場系システム、管理会計システム等がAWS上で稼働しており、2019年時点で約50のサービスがAWS上で稼働しているという。

  • ソニー銀行のAWSの利用範囲

ソニー銀行 執行役員(システム企画部、システム開発部、システム管理部担当) 福嶋達也氏

ソニー銀行 執行役員(システム企画部、システム開発部、システム管理部担当) 福嶋達也氏は、「当初から、銀行重要業務も含め、AWSの利用範囲の段階的な拡大を想定していた。弊社のシステムはオープン系で、5年サイクルで運用しており、ライフサイクルが終えたものから順次AWSに移行し、昨年秋には、基幹系以外のシステムの移行が完了した」と説明した。

AWSでは、東京リージョンに続いて、2018年2月から大阪ローカルリージョンを提供していたが、2021年初頭に大阪ローカルリージョンが大阪リージョンに格上げされることから、ソニー銀行では、勘定系を含め全業務のAWS移行を検討していくことを決定したという。

リージョンはローカルリージョンと異なり、複数のデータセンターで構成され、それらが専用線で接続されている。ローカルリージョンでは、バックアップなど基本的な機能のみが提供されたが、リージョンへの格上げによって、フル機能が利用できるようなるという。

ソニー銀行では、次世代の勘定系システムは、マイクロサービス、サーバレス(クラウドサービスの利用)、コンテナなど、クラウドネイティブアーキテクチャを検討しているが、ローカルリージョンでは、それができなかったという。

  • クラウドネイティブアーキテクチャの活用

福嶋氏は、「ローカルリージョンの場合、バックアップや仮想サーバ、パッケージソフトを利用する上では問題なかったが、クラウドネイティブなアプリは作成できなかった。勘定系システムの移行については可用性を考慮し、FISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準や金融機関に求められる信頼性等を説明し、AWSさんには、国内第2リージョンの開設を強く要望してきた」と語る。

クラウド移行のメリットについて福嶋氏は「多いもので60%、概ね50%程度のコスト削減がオンプレミスに比べできている。また、導入期間も半分以下になっている」と説明する。

  • クラウド移行のメリット

勘定系のAWS移行は最終決定ではないが、その方向で検討していくという。

まず、これまで社内業務端末だけであったDaaSであるAmazon WorkSpacesの採用を、今年の夏をめどに銀行業務端末にも拡大する。

福嶋氏は「どこまでクラウドにするかというクラウドファーストではなく、クラウドを前提にものづくりをしていくクラウドオンリーの考え方でやっている」と語った。

  • ソニー銀行福嶋氏とアマゾン ウェブ サービス ジャパン 代表取締役社長 長崎忠雄氏(右)