「【シゴトを知ろう】スポーツライター 編」では、フリーランスでサッカー専門のスポーツライターとして活躍されている松尾祐希さんに、仕事の内容ややりがいについて話していただきました。

番外編では、「スポーツライターはどんな性格の人が多い?」「同業者と交流はするの?」「思い出深いエピソードは?」など、本編では聞ききれなかった仕事のお話をさまざまな角度から伺いました。

■公私の境目があいまいなため、オンオフの切り替えが難しい

―― この仕事ならではの「あるある」なことを教えてください。
 
良くも悪くもオンとオフの切り替えが難しいところです。

フリーランスなので休日が決まっておらず、自分のペースで仕事ができるので、明日は休もうと思えば休みにできます。ただ、なんだかんだとパソコンを開いたり、サッカーを見たりするので、気が付けば休みが休みになっていないことが多いです。

趣味の延長線上にあるので苦ではありませんが、そういった意味で「仕事から離れた完全な休日」というのは難しいなと感じています。

 
―― スポーツライターらしい「職業病」があれば教えてください。

プロだけではなく、中学生や高校生のクラブを取材することも多いです。そのため、公園などで練習をしているクラブを見ると、ついついじっくり観察してどこのチームかなと考えてしまいます。

■煌びやかな世界の裏側にある選手たちの生き様が刺激になる

―― 同業の方と横のつながりはありますか? また、スポーツライターにはどんな性格の方が多いですか?

同業の人と食事に行ったり、お酒を飲みに行ったりする機会はあります。そこで情報を交換することもあるので、タイミングが合えば積極的に行くようにしています。

性格的には、良い意味で少し個性的な人が多いと思います。内面的にも原稿の内容でも、誰にも負けない強みがあり、何かしら強い信念を持っている人たちばかりです。


―― 学生の選手は取材慣れしていない人も多いと思います。取材をするときに相手とのコミュニケーションでどんなことに気をつけていますか?

取材対象者に話を聞く際は、相手のペースに合わせるようにしていて、自分の話す割合を3、相手が7ぐらいになるようなイメージで進めています。

こちらが話したいことだけを話していても取材は成り立ちません。相手の言葉をしっかり聞き、話しやすい流れを作り、いかに深く話を引き出すか。そこはかなり意識しています。


―― スポーツライターになったからこそ見えてきたもの、成長できた部分などはありますか?

スポーツの世界は煌びやかで、スポットライトを浴びる人も大勢います。ただ、その裏には目に見えない努力や挫折があります。そうした裏側を見ることは自分自身の刺激にもなりますし、僕自身ももっと成長しないといけないなと感じさせられます。

多くの人々の生き様に触れた経験は、自分にとってかけがえのない財産です。

■子供の頃からの憧れだったキング・カズと対面して感動!

―― 今後の目標はなんですか?

現在はスポーツライターとして仕事をしていますが、ゆくゆくは地元に戻り、故郷のスポーツやサッカーを盛り上げるために、ライターとしてだけではなく、さまざまな形で関わっていきたいと考えています。


―― 最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。

仕事を始めた当初に横浜FCの番記者(特定の取材対象者に張り付いて取材する人のこと)をやっていました。そこで幼少の頃から憧れていた、カズさん(三浦知良選手)の取材をさせていただく機会があったんです。

実は、自分がサッカーを始めたきっかけがカズさんでした。実際にお会いして言葉を交わしたときは、言葉に表せないたくさんの感情で胸がいっぱいになったことを今でも覚えています。

 
スポーツライターとして世の中にどんな影響を与えたいのか、確固たる信念を持つ人が活躍できる業界。松尾さんのようにオンとオフの境があいまいになるくらい、気づけば試合を見たり選手やチームの最新情報を集めたりするような、競技への強い興味関心があってこそ務まる職業なのだということが伝わってくるインタビューとなりました。


【profile】スポーツライター 松尾祐希