2020年「ロックの殿堂」受賞者たちの声 NINのトレントは「結構ビビってる」

ナイン・インチ・ネイルズ、ノトーリアスB.I.G.、ホイットニー・ヒューストン、デペッシュ・モード、ドゥービー・ブラザーズ、T・レックスが2020年度のロックの殿堂入りアーティストに決定。故人も多いが、受賞アーティストのコメントが届いた。

ロックの殿堂が2020年度に殿堂入りするアーティストを正式に発表した。選ばれたのは、ナイン・インチ・ネイルズ、故ザ・ノトーリアスB.I.G、故ホイットニー・ヒューストン、デペッシュ・モード、ドゥービー・ブラザーズ、T・レックスの6組だ。それに加え、ロック史のなかでももっとも華々しい成功をおさめたマネージャーであるジョン・ランドーとアーヴィング・アゾフのふたりには、アーメット・アーティガン・アワードが贈られる。

授賞式は米現地時間5月2日に米オハイオ州クリーブランドのパブリック・ホールで行われ、米HBOとSiriusXMのラジオチャンネルRock and Roll Hall of Fameでライブ中継される。授賞式のチケットは、現地時間2月27日から発売開始予定。

殿堂入りの候補者リストには、パット・ベネター、デイヴ・マシューズ・バンド、ジューダス・プリースト、クラフトワーク、MC5、モーターヘッド、ルーファス feat. チャカ・カーン、トッド・ラングレン、サウンドガーデン、シン・リジィの名が挙がっていたものの、殿堂入りに必要な票数を獲得することができなかった。

殿堂入りを果たした6組は、90年代のインダストリアル・ロック、R&B、ヒップホップ、70年代のグラム・ロック&ソフト・ロックなど、幅広いジャンルを象徴している。「それぞれのアーティストが何年もかけて進化してきたロックンロールの形成に貢献した」と今回殿堂入りが決定したドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドは米ローリングストーン誌に語った。「いまのロックンロールを形作ったバンドを選ぶ。私はロックの殿堂のそういうところが好きなんだ」

ノトーリアスB.I.G、ホイットニー・ヒューストン、ドゥービー・ブラザーズのドラマーのマイケル・ホサックとキース・ヌードセン、T・レックスのビル・レジェンド以外の全メンバーは、死後の殿堂入りとなる。例年通りであれば、ヒューストン、ノトーリアスB.I.G、T・レックスのためにトリビュートパフォーマンスも行われる。

ナイン・インチ・ネイルズは、3度のノミネートを経てようやく殿堂入りを果たした。「結構ビビってるんだ」とトレント・レズナーはコメントした。「かなりの衝撃だよ。ナイン・インチ・ネイルズに対するいままでの評価を考えると、俺たちはどうも見過ごされてきたような気がするんだ。それが防衛本能なのかどうかはわからないけど、俺たちはこれからもそんなジャンルであり続けると思っていた。だから、今回の評価を嬉しい驚きとともに受け止めてる。かなりいい気分だ……ほんの少しだけ、その気分を楽しませてもらうよ」

デペッシュ・モードも同様に喜びでいっぱいだ。「今年のロックの殿堂入りアーティストに加えていただき、一緒に殿堂入りを果たす最高のアーティストとともに歴代アーティストの皆様と肩を並べられることをとても誇りに思っています」とバンドは声明を発表した。「私たちと、私たちの音楽を長年支持し、今回の殿堂入りを実現してくれた皆さまに心からの感謝をささげます」

過去と比べて今回の授賞式でバンドの再結成の場面に立ち会えるチャンスは減るものの、ベーシストのタイラン・ポーター、ギタリストの”スカンク”ことジェフ・バクスター、ドラマーのジョン・ハートマンといったドゥービー・ブラザーズの元メンバーが再会するにはうってつけの機会だ。「全員が顔を出して、参加してくれることを期待してるよ」とバンドのシンガー・ギタリストのパトリック・シモンズはコメントした。「今回の栄誉は彼らのものでもあるんだから」2019年11月、ドゥービー・ブラザーズは元フロントマンのマイケル・マクドナルドを迎え、バンド結成50周年を祝う2020年の北米ツアーの開催を発表している。

デペッシュ・モードにとってもオリジナルメンバーでキーボーディストのヴィンス・クラークと、クラークからキーボードを引き継いだものの、1995年にバンドを脱退したアラン・ワイルダーと再会するチャンスだ。ワイルダーは2010年にゲストとしてデペッシュ・モードと共演しているが、クラークは1981年以来バンドと共演していない(デペッシュ・モード脱退後はヤズーやイレイジャーで活動)。

いままでの授賞式の多くは、アーティスト全員が一緒にセッションして幕が下りる、というのがお決まりのパターンだったが、今回はなかなか難しそうだ。「大丈夫! みんなで演奏できるような何かを考えるよ」とシモンズは言う。「ブルースをプレイするさ!」

長年にわたってロックの殿堂はシンセサイザーよりもギターを主体としたバンドを好んできた。だが、デペッシュ・モードやナイン・インチ・ネイルズの殿堂入りを見れば、こうした傾向も変わりつつあるのかもしれない。「ロックには必ずしもギター、ベース、ドラムが必要なわけじゃない」とレズナーは語る。「ターンテーブル、コンピューター、シンセサイザー、シークエンサーでもいい。どれもツールであり、表現媒体なのだから」