2年に一度、人々を熱狂させる世界最大のクラシックカー・レース・イベント

2年に一度開催されるのが待ちきれない、クラシックカー・レース・イベントのル・マン・クラシック。ポルシェの70周年を祝した祭典となった2018年が前回の開催だったため、2020年は開催される。では、2年前の様子を見てみよう。

世界最大のクラシックカー・レース・イベントであるル・マン・クラシックは2年に一度開催される。そう、2年も待たなければならないのだ。フランスのサーキットで開催されるこの隔年のお祭りに行ったことがない人にとっては、なぜ人々がこれほど熱狂するのかを理解するのは難しいかもしれない。

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ではこのように考えてみよう。ブロワー・ベントレーがミュルザンヌを駆け下りる姿や、935が火を噴きながらアルナージを減速していく様子を古い雑誌の写真で見たことがあるだろう。これらのシーンが、同じ週末にあなたの目の前に蘇る。マックイーンが登場するディズニー映画のサウンドトラックの中に身を置くような気分になる。つまりル・マン・クラシックとはそういうもの、そしてそれが皆に愛されている所以だ。
 
2002年から、ル・マン・クラシックは、グループC時代までのル・マン24時間参戦マシンを対象としてきた。今年はそこに" Golden Endurance Legends"として1990年代から2000年代のGT1とLMP P1カーが新たなクラスとして加わった。
 


主催者によって、参加車両は時代ごとに区分される。古くは1923年から、最新は2014年までの多岐に渡るが、ポルシェのエンスージアスト達にとっての興味は1950年代、60年代、70年代のグリッドに集まることだろう。特にクラシック・ポルシェのレースには大きな注目が寄せられた。
 
ル・マン・クラシックを主催するピーター・オートによると、今年は1000人以上のドライバーと700台以上の歴史的なレーシングカーが集まったという。観客動員数はおよそ13万5000人と、前回よりも10%増加している。さらにレース以外でも、アールキュリエルのオークションでは、印象的なマシンのディスプレイに加えて8500台以上の取引があったというから、数字上でもこのイベントの盛り上がりが伝わってくる。


 
多くの人が木曜のランチタイムまでには到着していたが、レース(厳密にいえば練習セッション)は金曜の夜間セッションまでは開催されない。これはル・マン・クラシック独自のもので、パドックやピット周辺の空気はピンと張りつめている。
 
土曜日。24時間レースを祝しての一連のパレードが行われた後、一時間のジャガー・クラシック・チャレンジでレースは始まった。ポルシェ・ミュージアムのパレードでは、フェルディナント・ポルシェの孫であるフェリックス・ポルシェと、フェルディナント・ピエヒの孫であるフェリックス・ランゲが1号車を運転して車列を先導した。
 
続いて、デレック・ベル(ル・マン24時間優勝5回)が1971年911カレラRSRを、マルク・ムレ(ポルシェ・フランス・ゼネラルマネージャー)が9112.5 STを、ロマン・デュマ(優勝2回)が1966年906カレラを、アンリ・ペスカローロ(優勝4回)が908/3を、リシャール・ミル(ル・マン・クラシックのメインパートナー)が962を駆り、1998年に優勝を飾ったGT1のコクピットにはステファン・オルテリ(優勝時のドライバーのひとり)が乗り込んだ。なんと豪華なラインナップ!


 
しかし、この週末に行われたのはパレードと単一ブランドのレースだけではない。マシンはいくつかの"プラトー"(クラス)に分けられ、クラシック・レーシングカーはそれぞれ2時間にわたりコースを疾走する。スタート方式も伝統的なル・マン式。観客はもとより、古き良き時代のレースをドライバーも存分に楽しむことができたに違いない。
 
繰り返すが、息をのむほど暑く(週末の間はほぼ30 ℃を超えていた)、魅力的なル・マン・クラシックは、2 年に一度しか開催されない。2020年度の計画を立て始めておくとしよう。