皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、20代でお金を自由に使ってしまい、貯金が100万円ない中でマンション購入をしてマネープランに不安を抱く32歳独身の会社員の方。ファイナンシャル・プランナーの大島浩之さんがアドバイスします。

◆20代でお金を自由に使ってしまい、貯金が少ない中での住宅購入、今後の注意点は?
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、20代でお金を自由に使ってしまい、貯金が100万円ない中でマンション購入をしてマネープランに不安を抱く32歳独身の会社員の方。50代で完済を目指していますが、今後の注意点とはどのようなことでしょうか? ファイナンシャル・プランナーの大島浩之さんがアドバイスします。

◇相談者
ぴよさん(仮名)
女性/会社員/32歳
東京都/持ち家(マンション)

◇家族構成
一人暮らし

◇相談内容
20代の頃、貯蓄せず自由にお金を使っておりました。貯蓄が100万円ない中で昨年マンションを購入、今後のことを考えると無理のある資金計画だったかなと不安です。

手元にお金があると使ってしまいそうなので、少し貯まったら住宅ローンの繰り上げ返済に充てており、50代後半に完済することが目標です。

なお結婚の予定はなく一人暮らしが続くと思っています。ボーナスの使いみちは固定資産税、海外旅行、住宅ローン繰り上げ返済、貯蓄です。老後のことなども含め、改善点ご指摘いただけますとありがたいです。

◇家計収支データ
相談者「ぴよ」さんの家計収支データ

◇家計収支補足データ
(1) ボーナス110万円の使いみち
固定資産税15万円、海外旅行30万円、住宅ローン繰り上げ返済50万円、貯蓄10万円、その他5万円

(2)住宅ローンの状況
新築マンション
物件価格/3700万円
ローン残高/3500万円
借り入れ期間/35年
金利のタイプ/固定10年・金利0.91%
毎月の返済額/10万2000円
ボーナスの返済額/無し
固定資産税/年額見込み15万円

(3)保険料3万2000円について
・本人/無配当終身保険(終身タイプ、60歳払込み終了、死亡保障300万円、70歳時解約払戻金265万)=毎月の保険料6660円
・個人年金保険1(60歳で10年確定、年金額年48万円)=毎月の保険料1万円、60歳まで
・個人年金保険2(65歳で10年確定、年金額年70万円)=毎月の保険料1万5000円、60歳まで
・個人年金保険3(60歳で5 年確定、年金額年11万円)払い済み

◇ピヨさんへのアドバイス3つのポイント
アドバイス1:築年数を重ねたときの修繕積立金の負担増には注意したい
アドバイス2:固定期間が終わる返済10年目以降は、借り換えも検討したい
アドバイス3:定年後も働けるように健康を維持し、スキルを身につける

◆アドバイス1:築年数を重ねたときの修繕積立金の負担増には注意したい
住宅ローンの返済計画について、無理があったと思われているようですが、たしかに、頭金が少なく、フルローンに近い点では不安かもしれません。

しかし、「ぴよさん」の所得からすると、マンション購入後であっても、計画的に貯金できていることからも明らかなように、問題はなさそうです。むしろ、一般的な家計と比較しても、優秀であるといえます。

もっとも、住宅ローンの返済のほか、管理費等で2万1000円かかっていることには、注意しなければなりません。築年数が浅いうちは、管理費等に含まれる修繕積立金が低額におさえられていますが、築10年、20年と年月を重ねるうちに、負担額が数万円となる場合もあるためです。

おそらく、その頃には、奨学金の返済も終えられているでしょうから、少なくとも、現在の奨学金返済分は、浪費することなく、修繕積立金の増額分に充当することを予定しておきましょう。

◆アドバイス2:固定期間が終わる返済10年目以降は、借り換えも検討したい
20代で貯金ができなかったという反省点を生かし、既に、繰り上げ返済されている点、また、定年退職前の完済を目標にしている点、素晴らしいとしかいいようがありません。

1点だけ注意があるとすれば、10年固定でローンを組まれている点です。返済10年後の残債が約2700万円、仮に、金利が1.5%になった場合、月々の支払いが7000円アップとなるため、このタイミングでの借り換えについても、視野に入れておきましょう。

なお、繰り上げ返済するための資金の作り方としては、ハイリスク・ハイリターンの投資商品はひかえ、定期預金などの安全性の高い商品で積み立てていきましょう。現在でも毎月2万円の定期預金に加え、ボーナスからも10万円の貯蓄ができているため、1年で34万円のペースで貯金を増やすことが可能な家計となっています。

安心のため、手元に貯蓄を残すにしても、たとえば、3年ごと100万円程度の繰り上げ返済を続けていけば、特に、現在の生活レベルを落とすことなく、50代後半の完済も現実となります。

◆アドバイス3:定年後も働けるように健康を維持し、スキルを身につける
まず、万一の場合に備え、入院・手術を保障する医療保険の加入をおすすめいたします。いわゆる「ネット保険」では、月々1000円程度のものも用意されているため、検討する価値があるでしょう。

また、誰しも老後の不安はつきものですが、特に「ぴよさん」のような現役世代の場合、「年金は何歳からもらえるのか」、さらには、「本当にもらえるのか」といった疑念さえ抱かれるかもしれません。

もっとも、貯蓄のみならず、安全性の高い投資、さらには、個人年金保険にも加入されているため、一般的な家計と比較して、この点でも、優秀であるといえます。ただし、「人生100年時代」、経済的余裕がありすぎて困ることはありませんし、特に60代になっても、個人年金があるものの、一定の収入を確保しておきたいところです。

「ぴよさん」は海外旅行が趣味とのことですので、語学や経験を生かし、旅を楽しむのみならず、旅を投資としてとらえ、たとえば、ブログやSNSなどで情報発信することで、副収入を得てみるのもいいかもしれませんね。そして、何より、定年後も元気で働けるよう、若いうちから、ご自身の身体や健康に自己投資していきましょう。

教えてくれたのは……大島 浩之さん

All About住宅ローン・住宅購入のお金ガイド。上智大学文学部新聞学科卒業後、大手ハウスメーカーや不動産会社などを経て、現在では、FP試験の講師を務める傍ら、住宅ローンを切り口に、住宅購入をはじめとしたライフプランニングの相談などで活躍。

文=あるじゃん 編集部