平成最後の仮面ライダー『仮面ライダージオウ』と、令和最初の仮面ライダー『仮面ライダーゼロワン』の2つの作品世界が交差する映画『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』が、現在公開されている。元号が変わり、断絶したかに見える仮面ライダーが並び立つ時、何が起こるのか。その共演に大きな注目が集まっている。

  • 奥野壮(おくの・そう)。2000年8月21日生まれ。大阪府出身。2017年「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」フォトジェニック・明色美顔ボーイW受賞。2018年9月『仮面ライダージオウ』で俳優デビュー。主演を務める。撮影:大門徹

今回のインタビューには、『仮面ライダージオウ』で主演を務めあげた奥野壮が登場。レジェンドライダーとして先輩ライダーたちが次々と作品に登場するプレッシャーと戦い続けた彼が、今度は先輩ライダーとして映画に出演する時、何を思うのか。そして1年以上にわたって常磐ソウゴ/仮面ライダージオウとして駆け抜けた今の思いを聞いた。

――一年以上にわたって主演をやり遂げた今、振り返ってみて、この一年間は長かったですか? 短かったですか?

長かったですね。今までのみなさんがどう感じてきたのかも気になりますが、僕の場合は長かった。ずっと一人で戦っているような気がしていました。ゲイツ(演:押田岳)とウォズ(演:渡邊圭祐)は年齢がちょっと上というのもあり、撮影が終わってみんなでご飯に行こうとなっても、僕はお酒が飲めない年齢で、食事の後の飲みには行けないので、そこで思いを吐露するということがありませんでした。だから早く成人したいな、早くお酒を飲めるようになりたいなというのはずっと感じていました。

主人公って、当たり前だけど一年のあいだずっと現場にいるんですよね。最初のうちは「こんなに毎日いるんだ俺」って、すごく戸惑いがありました。でもあらためて振り返ってみると、それはすごくありがたいことで、「みんなが休んでいる時にも俺は芝居ができるぞ、みんなができていないことをできているぞ」という思いに途中からは変わって、一年間演じてきました。

――『ジオウ』は特にレジェンドライダーが次々に登場することもあり、レギュラーキャストのみなさんは相当なプレッシャーがあったのではないかと思います。

最初のころは「プレッシャーなんて感じない」って生意気なことを言っていたんですけれど、いま終わってみて思うのは本当にプレッシャーだらけでした。レジェンドの方がくるにしても、押し負けないようにしたいということはずっと思っていました。終盤はずっと"ディケイドのジオウ編"だってネットで言われたりしているのを見て、「ああやっぱりそうやって感じる人もいるんだな」って思ったし、それがプレッシャーにもなっていました。

でも、そうした意見があっても、そう感じる人がいるのであれば僕たちがもっと芝居をうまくなって、もっと『ジオウ』のよさを引き出せばいいんだとプラスの感情にもっていくことができたので、すごくお芝居の糧になっていたように思います。毎回の放送が終わると、SNSのリプなどでいろんな感想をいただきました。それがお芝居の参考にもなったので、僕たちにとってすごくよかったことなのかもしれません。

――そのプレッシャーがあったためか、『ジオウ』キャストのみなさんはチームワークがよく、みなさんが同じ方向を向いて進んでいる印象が強くありました。

そうかもしれないですね。作品が決まって、まずは岳くんとしぇりさん(大幡しえり)と3人で顔合わせがありました。まだ最初だけれど、一年間戦っていくことがわかっていたから、お互いがお互いに歩み寄っていこうという部分があったので、最初からすごく仲良くなりました。それはたぶん圭祐さんも同じだったんじゃないかな。そういう関係性ができていたので、一年間を通して、視聴者にすばらしいと思ってもらえる作品を作ろうという同じ気持ちをもって取り組んでこれたのだと思います。