『セルフDoc日向坂46』一時は卒業も決意したという渡邉美穂の苦悩とプロ根性

雑誌やweb媒体でアイドルの記事を数多く執筆するライターの左藤豊氏が、1週間アイドルたちが出演するレギュラー番組や冠番組をチェック。その週、テレビで輝いていたアイドルたちについて思い入れたっぷりに語ります。第46回となる今回の観測期間は12月23日(月)〜29日(日)。

年の暮れも押し迫り、アイドルの皆さんはライブにテレビ出演にさぞ忙しい時間を送っているかと思いますが、2019年を振り返って大きく飛躍したグループといえばやはり日向坂46でしょう。『第61回 輝く!日本レコード大賞』(TBS=12月30日放送)や『第70回NHK紅白歌合戦』(NHK総合=12月31日放送)など多数の番組出演を控え、報道では「代名詞はハッピーオーラ」や「坂道グループの優等生」といった言葉が並んでいます。

もっとも彼女たちの道のりが順風満帆ではなかったことは当コラムの読者の方なら十分ご存じだと思うのですが、そんな日向坂46の4年間をコンパクトかつ的確に伝えていたのが12月23日(月)放送『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ)。「欅坂46の2軍」や「その他」として扱われた“けやき坂46”3年の苦労を乗り越え、“日向坂46”へ改名してようやく存在を認められたという歴史が紹介され、アイドルファンではない一般視聴者層にもその存在と魅力が伝わったのではないでしょうか。そして番組内では渡邉美穂が、憧れのアインシュタイン・稲田が突然現れるというドッキリを仕掛けられ、驚きのあまり椅子から転げ落ちる100点のリアクションで笑わせてくれました。

しかし、いつも明るく笑顔で「日向坂46の元気印」と称されるその渡邉の衝撃の過去と現在が明らかになったのが、12月29日(日)放送『セルフ Documentary of 日向坂46』(CS TBSチャンネル1)。まず渡邉といえば『ひらがな推し』(2018~19年)登場当初から爪痕を残しまくり2期生の中でも視聴者に強いインパクトを与えたメンバーの1人だったのですが、実は当時「私、この仕事向いてないな、と思って。才能のカケラもないと思って。一時期めっちゃバラエティが苦手になっちゃって。もうバラエティが怖くて……」と苦悩していたという。

さらには、けやき坂46時代はフォーメーションでフロントを務めながらもデビューシングル『キュン』では2列目に甘んじた過去を振り返りながら「悔しかった」、そして2ndシングル『ドレミソラシド』でも同じく2列目の立ち位置を指定され、「私、そのとき(日向坂46を)辞めようって決めた」と激白。のちに翻意したものの、3rdシングル『こんなに好きになっちゃっていいの?』でも“停滞”している自分に対し「どうしていけばいいか分からない、というのは今も正直ある」と、現在進行形の悩みを吐露しました。これには筆者も含め多くのファンがショックを受けたのではないでしょうか?

ちなみに筆者はタレントさんを取材する仕事をしており、渡邉へのインタビューも何度か行なったことがあるのですが、ちょうど『ドレミソラシド』リリース直前での取材でも彼女は「(曲を聴いて)一瞬で好きになりました!」、「(MVは)『青春! 夏!』っていう感じ!」(『月刊エンタメ』2019年8月号掲載)と底抜けに明るい表情で楽曲の魅力やMV撮影でのエピソードを語ってくれていたので、まさかあのとき裏で卒業を考えるほど自分を追い詰めていたなんて露も気付きませんでした。今改めて思い返すと「酷な取材だったのかな」と申し訳ない気持ちになる一方、そんな素振りを一寸も見せずに取材応対してくれた渡邉のプロ根性に頭が下がる思いです。

今回の『セルフ Documentary of 日向坂46』ではこの他に松田好花(人生最大の挫折や髪をバッサリ切った経緯)と富田鈴花(子ども時代のいじめ体験や“はなちゃんず”の衝突)も登場し、共に胸をえぐるようなエピソードが多かった気がします。そして番組の最後に3人が目を潤ませながら抱き合うシーンを見て、筆者は先人の「人は悲しみが多いほど、人には優しくできる」なんていう言葉を思い出していました(だからといって、もうこれ以上誰も悲しんだり苦しんだりしてほしくはないけれど……)。

さて話は変わって、12月23日(月)放送『乃木坂どこへ』(日本テレビ)では、矢久保美緒が熱海城の上から「自分を好きになりたい!」と絶叫。自己肯定感が低いことを周囲から心配される矢久保ですが、自分に自信を持ってほしいというのはメンバーもファンも望んでいることではないでしょうか。実際その直前に行われた「妄想クリスマスデート」では、他のメンバーが胸キュンセリフを披露する中、矢久保は冬の海で入水を図ろうとするブッ飛んだ演技を見せて笑いを取っているし、その独特な個性を肯定して早く自分に自信を持ってほしいです。

同じくクリスマスにまつわる企画が行われたのは12月23日(月)放送『青春高校3年C組』(テレビ東京)の「ガールズラブ告白選手権」。女子生徒同士が次々に妄想恋愛シチュエーションを繰り広げ、スタジオ内も大盛り上がり! 個人的には日比野芽奈×西村瑠香ペアの演技が最もドキドキしたのですが、何よりすべてのシチュエーションの脚本を考え演技指導まで行なった涌嶋茜が一番スゴい! 青春高校は今のところアイドル部ばかりが目立ちがちですが、他にもいろんなタイプの個性的な生徒たちが揃っているのが強みだなと思いますね(ちなみに涌嶋は軽音部所属です)。

ちなみに、青春高校3年C組がメジャーデビューシングル『君のことをまだ何にも知らない』をテレビ初披露したのが12月28日(土)放送『MelodiX! Premium 年末スペシャル』(テレビ東京)。そしてその番組アシスタントを務めていた森香澄アナは、欅坂46『サイレントマジョリティー』を完コピしたり「テレビ東京アナウンス室アイドル部」として活動したりするなど当コラムでもイチオシのアイドル(?)なのですが、今度は『MelodiX!』の番宣として欅坂46『アンビバレント』を全力パフォーマンス! しかも本来欅坂46が歌唱する同じスタジオで、同じ照明で、同じカメラで撮影! 番組公式ツイッターによれば「欅坂46の曲はだいたい踊れる」って、マジで何者なんだ森アナ……(なおその映像はテレビ東京公式YouTubeにアップされているのでぜひ見てみてください!)。

また、22/7の冠番組『22/7計算中』は12月28日(土)の放送をもって最終回。ええ~! 当コラムでも何度も紹介したぐらい面白い番組だったのに! 「不正クイーン」の異名が付くほど破天荒で、今回の「クリスマス告白クイーン決定戦」でもサイコサスペンスを演じて見る者を唖然とさせた藤間桜(CV.天城サリー)のエキセントリックぶりを、もっともっと多くの人に見てもらいたかったのに! ……しかし『22/7計算中』が終了する一方で、来年1月11日(土)からはメンバーの悲願だったテレビアニメ『22/7』が放送開始。今までとは違った新たな彼女たちの姿を見られることを期待します!

最後に、12月27日(金)にはラストアイドルの2019年の挑戦を振り返る特番『ラストアイドル~挑戦の軌跡~』(テレビ朝日)が放送されました。そしてその中で来年4月にリリースされる8thシングルについての告知もあり、表題曲を歌う選抜メンバー18人を決めるオーディションバトルがこれから行われるとのこと。団体行動や最高難度ダンスを経て個々のスキルを高めたメンバーたちが激突するこのバトルは、きっとラストアイドル史上最も壮絶かつハイレベルな展開になるのではないでしょうか!? 2020年もアイドル番組が見逃せません!

▽今週の「アイドル番組 極私的テレビ欄」
[12月30日(月)〜1月5日(日)]
ライター左藤氏が個人的にチェックしようと思っている今週O.A.の番組を簡単な内容とともにご紹介。

◆2019年12月30日(月)
『坂道テレビ~乃木と欅と日向~Vol.2』
NHK総合/22:30~/出演:乃木坂46、欅坂46、日向坂46
坂道シリーズが垣根を越え共演。貴重映像でメンバーの素顔に迫る。スタジオライブも

◆2020年1月4日(土)
『アニメ「22/7」放送直前リハーサル』
TOKYO MX、BS11/23:00~/出演:22/7
放送直前となるアニメ『22/7』の見どころを、キャストを交えながらたっぷり紹介

◆2020年1月5日(日)
『乃木坂工事中』
テレビ東京/毎週日曜24:00~/出演:乃木坂46
設楽軍メンバーが新春爆買いツアー。1年越しのご褒美ロケでメンバー大はしゃぎ

◆2020年1月5日(日)
『欅って、書けない?』
テレビ東京/毎週日曜24:35~/出演:欅坂46
メンバーが「2020年に番組でやりたいこと」を発表。気になる2020年の運勢占いも

◆2020年1月5日(日)
『日向坂で会いましょう』
テレビ東京/毎週日曜25:05~/出演:日向坂46
最近見た夢の内容で鑑定できる「夢診断」で、メンバーの未来を大胆診断