劇場版アニメ「天気の子」の製作発表記者会見に出席した(左から)森七菜さん、新海誠監督、醍醐虎汰朗さん

 2019年の国内の映画興行収入の総額は、新海誠監督の劇場版アニメ「君の名は。」や「シン・ゴジラ」などが公開された2016年の約2355億円を上回り、過去最高を記録する見込みだ。今年の公開作を振り返ると、新海監督の新作「天気の子」や歴史的ヒット作の続編「アナと雪の女王2」、「アベンジャーズ」「スター・ウォーズ」のシリーズ完結作などヒット作がずらりと並ぶ。ファンの期待もおのずと高くなる新作や続編がプレッシャーをはねのけ、予想以上の好成績を収めた2019年の映画界を振り返る。

 2019年最大のヒット映画「天気の子」(7月19日公開)は、250億円を記録した「君の名は。」の新海監督による3年ぶりの最新作。記録的なヒット後の新作だが、観客動員数は1000万人、興行収入は140億円を突破するヒット作となった。

 近年は邦画に押され気味の洋画だが、今年は「アベンジャーズ/エンドゲーム」(4月26日公開)、実写版「アラジン」(6月7日公開)、「トイ・ストーリー4」(7月12日公開)、「ライオン・キング」(8月9日公開)、「アナと雪の女王2」(11月22日公開)、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」(12月20日公開)などディズニー、もしくはピクサーによる作品がほぼすべてヒット。実写版「アラジン」と「トイ・ストーリー4」の興収は100億円を突破している。

 「アナと雪の女王2」は、250億円を突破した2014年公開の前作を上回るスピードで動員、興収共に絶好調。公開17日間の興収は60億円を超え、ディズニー・アニメーション、ピクサー・アニメーション全タイトルの中で史上最短となる記録を打ち立てた。100億円の突破も確実視されている。

 「アベンジャーズ/エンドゲーム」は世界の興行収入ランキングで週間1位を記録しており、日本では「アベンジャーズ」シリーズ最高となる61億円を突破。「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は、オープニング3日間で興収15億7000万円、動員101万人を記録。今年度の実写映画で最高の記録を打ち立て、興行収入100億円突破とシリーズ最高の最終興収も狙える数字となった。

 邦画は、「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」(4月12日公開)、「ONE PIECE STAMPEDE(スタンピード)」(8月9日公開)、「映画ドラえもん のび太の月面探査記」(3月1日公開)など、定番の劇場版アニメが上位に名を連ねる。「名探偵コナン 紺青の拳」は93億円と7年連続でシリーズ最高興行収入記録を更新。「ONE PIECE STAMPEDE」は55億円、「映画ドラえもん のび太の月面探査記」は50億円といずれも50億円以上のヒットとなっている。

 そのほか実写作品では邦画の「キングダム」(4月19日公開)、洋画の「ジョーカー」(10月4日公開)などが好調だった。人気マンガが原作の「キングダム」には、山崎賢人さんや吉沢亮さんら人気俳優が出演、例年に比べて長期間だったゴールデンウィークの時期に公開したことも相まって56億円超を記録。米DCコミックの人気キャラクターを主人公に据えた「ジョーカー」は、アメコミらしからぬ重厚なヒューマンドラマに話題が集まり、50億円を突破した。

 異色作ながらもヒットを飛ばしたのは「翔んで埼玉」(2月22日公開)だ。原作は「パタリロ!」で知られる魔夜峰央さんが1982年に発表し、2015年に宝島社の「このマンガがすごい!comics」で復刻されたマンガで、埼玉県を“ディスる”内容が口コミで広がり、約37億円とまさかの大ヒット。今年流行した言葉を決める「2019ユーキャン新語・流行語大賞」では、「翔んで埼玉」が映画関連で唯一ノミネートされ、話題となった。

 洋画も邦画も好調だった2019年。まもなく年を明ける2020年にはどんな映画がヒットするだろうか。