「働き方改革」の推進により建設業界でも長時間労働の是正と労働の質の向上が求められている。その一方で高い施工の品質も求められており、現場管理者に大きな負荷がかかっている。それらの問題を解決し、より効率的な現場運営を実現するのが施工管理のソリューションだ。リフォーム管理のシステムより生まれたオクトの「&ANDPAD」(アンドパッド、以下ANDPAD)は、2016年のリリースより現場から広い支持を受けているアプリケーションとなる。

同社は12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催された住宅・ビル・施設 Week 2019 第1回 工務店支援EXPO で「ANDPAD(アンドパッド)」を出展。会場ではデモも行われ、直接アプリケーションに触れる機会を得ることができた。「ANDPAD」とはどのようなアプリかレポートしよう。

  • 住宅・ビル・施設 Week 2019 第1回 工務店支援EXPO オクト「ANDPAD」ブースより

    住宅・ビル・施設 Week 2019 第1回 工務店支援EXPO オクト「ANDPAD」ブースより

「ANDPAD」は、現場において工程管理に必要な作業を網羅する高機能施行管理アプリだ。チャットによるコミュニケーション機能、工程表作成管理機能、複数の案件を把握する横断工程表作成機能、撮影した写真を自動で整理する写真・資料管理機能、収集したデータをもとにすぐに業務日報を作成できる日報作成機能などがある。オプションで、検査を効率的に行うことができる検査機能や、Web上で見積作成が簡単にできる見積作成機能、オンライン受発注機能など、施工管理を一気通貫で行うことができる。

チャット機能は現在の作業現場で非常に重要な機能となっているそうだ。作業員のコメントは、ログデータとして保存されるので、作業記録としてそのまま活用できると同時に現場で撮影した写真を直接アップして関係者が全員に閲覧させ、その場でチェックを行うことができる。作業現場の模様がリアルタイムに確認できることにより、次の工程の施工関係の職人や協力業者などが作業の様子を見ながら効率的に対応できる。リアルタイムコミュニケーションツールは業界を問わず重要な役割を担っている。

  • サムネイル画像で現在の施工現場の一覧を確認できる。現場案件は検索することができる。過去の案件もここから閲覧できる

    サムネイル画像で現在の施工現場の一覧を確認できる。現場案件は検索することができる。過去の案件もここから閲覧できる

  • チャット画面。特に現在の作業現場ではチャット形式が広く普及している。また、画像や資料をアップロードすることができるので、電話では、正確に伝えられない案件などでは大変便利なツールになる

    チャット画面。特に現在の作業現場ではチャット形式が広く普及している。また、画像や資料をアップロードすることができるので、電話では、正確に伝えられない案件などでは大変便利なツールになる

また、現在の作業現場では、確認用に大量に写真を撮影する。これらのデータ管理も管理者にとっては悩みの種になっていたが、「ANDPAD」なら資料も含めてクラウド上で一元管理できる。撮影した画像は、そのままチャットやレポートに活用できる。

  • 撮影した画像はタイル状に一覧表示される。クリックすれば画像を拡大して見ることができる

    撮影した画像はタイル状に一覧表示される。クリックすれば画像を拡大して見ることができる

  • 撮影した画像には、ペンツールで直接線や文字などを書き込むことができる。確認ポイントなどを記載することでチェック漏れなどを防ぐことができる

    撮影した画像には、ペンツールで直接線や文字などを書き込むことができる。確認ポイントなどを記載することでチェック漏れなどを防ぐことができる

  • 書き込んだ画像はそのままチャットに送信できる

    書き込んだ画像はそのままチャットに送信できる

ガントチャート上の工程表もクラウド上で簡単に作成できる。クラウド上のテンプレートをベースに簡単に作成できるので、この工程表で作業の進捗を管理。進捗状況は写真付きのレポートで具体的に確認できる。また、各案件の着工・完工・竣工日や、工程ごとの担当者などを横断的に確認することができる横断工程表も利用できる。横断表を見ながら職人のスケジュールの確認を行い、次の施工管理スケジュールの作成に活用する。

  • ガントチャート上の工程表。修正もクラウド上で手軽に行える

    ガントチャート上の工程表。修正もクラウド上で手軽に行える

そして、現場管理者にとって非常に手間が多かった報告書の作成についても、作業の終了段階でアプリ内画像を利用して自動作成することが可能だ。このように現場の作業の流れスマートに管理できる機能が満載の「ANDPAD」だが、現場作業以外の営業などでも活用可能だ。過去の案件は、クラウドでどこでも閲覧できるので営業のプレゼン資料として、過去に施工した顧客へのアフターサービス用のデータとしても活用できる。現場のニーズから生まれ、クラウド利活用の幅をうまく広げている。

バージョンアップを繰り返し様々な機能が追加されたてきたが、2020年の春のバージョンアップでは、新規に社内タスク管理が追加される予定だ。これは、社内の営業や経理、現場監督などの注文住宅向け作業タスクの一覧を「ANDPAD」上で管理できるというもの。これにより通常の案件管理から本格的な業務管理アプリとなり、更なる業務の効率化が期待できる。