これからも増えそうな働く年金世代。年金を受け取りながら働くメリットについて考えてみました。

◆働く年金世代が増えている
公的年金の老齢基礎年金は、原則、65歳から受け取れます。本人の希望で繰り上げたり繰り下げたりできますが、多くの人は65歳から受け取っています。

一方、総務省の労働力調査によると、65歳から69歳で働いている人の割合(就業率)は、2018年は46.6%。2人に1人は年金をもらいながら働いていることがわかりました。前年比2.3%増です。

男女別でみると、男性は57.2%(前年比2.4%増)、女性は36.6%(前年比2.2%増)で、男女とも前年より増えています。

◆65歳以降も働けるよう国もバックアップ
65歳以上で働いている理由は、今ドキの60代後半はまだまだ元気ということもありますが、会社・団体が中高年のマンパワーを活かすため、再雇用年齢を65歳から70歳に引き上げたり、定年を廃止したりしているからです。

それに、国も65歳以上の人を雇う企業向けに助成金を給付して応援しています。少子化で労働力人口が減る一方の日本では、高齢者と女性が力を発揮しないといけないというわけです。

◆本人にも家族にも社会にもいいことずくめ
では、年金を受け取りながら働くメリットについて考えてみましょう。大きくわけて3つあると筆者は考えます。

◇メリット1:公的年金以外の収入が得られること
現役世代は、景気がよくて会社がもうかれば給料アップやボーナスという形で収入が増える恩恵を受けられますが、年金世代には波及しません。なぜなら、少子超高齢社会が改善されない限り、公的年金額は減っていかざるを得ないからです。

したがって、減っていく年金をカバーする収入源がないと、余命が延びる一方の昨今、老後資金が枯渇してしまう危険性が高まるのです。ですから、働いて得る収入は、老後資金を増やして経済面を改善する効果が期待できます。

◇メリット2:健康面・精神面にいい影響を与える
働き続けていると、規則的な生活を送ることができるほか、人とコミュニケーションをとったり、緊張感を得られたり、また、会社や社会、人の役に立っているというやりがい・生きがいを感じられるので、健康面にも精神面にもいい影響を与えます。

それに、会社勤めなら、定期的に会社の健康診断を受けるでしょうから、重大な病気を早期発見できる可能性が高くなりますね。

1つ目と2つ目は、本人にとっても家族にとってもいいことです。一方、社会にとってもいいことがあります。それが3つ目のメリットです。

◇メリット3:社会の支え手になる
会社員として働けば、70歳まで厚生年金保険料や健康保険料、税金などの義務的負担をするので、社会の支え手になれます。自営業や農業の人も、働いて得た収入に対して健康保険料や税金を払うので、同じように社会の支え手です。

年金世代が働くことは、いいことずくめです。会社が雇い続けてくれる限り、健康状態が許す限り、働き続けましょう。できれば、生涯現役の志で働き続けたいですね。

※All About生命保険ガイド・小川千尋さんの記事を編集部が最新情報に加筆

文=小川 千尋