SKE48劇場支配人兼キャプテン・斉藤真木子、12年目の想い「変化を恐れずこれからも上を目指して」

今年10月に劇場デビュー11周年を迎えたSKE48。11周年特別公演では冒頭から48曲ぶっ通しという異例のステージを成し遂げた。だが、そんな挑戦もSKE48支配人兼キャプテンを務める斉藤真木子から見ると、「悔しさが残る」という。彼女が見つめる、SKE48の姿とは。
──まずはSKE48の劇場デビュー11周年、おめでとうございます!

斉藤 ありがとうございます!

──11周年を迎えていかがですか?

斉藤 あっという間でしたね。特に10周年からの11周年まではめっちゃ早かったです。本当、何をやっていたのか、よく覚えていないくらいですからね(笑)。私自身、7月からSKE48の支配人になって、4年前にキャプテンになった頃に比べても、この1年は一番濃かったかなって。自分の時間はあまりなかったです。

──ご自身的にはスムーズにいくアイドル人生でしたか?

斉藤 思い描いていた人生では全然なかったし、いっぱい悩んだけど、そういう時期がなかったら今はないですから。私が昔考えていたのは、グループに入って2~3年アイドルをやって、卒業して次のステップにいくっていうアイドル像だったんです。でも、汗水流して、仲間と一喜一憂した10年の方が、今考えたら私にとっては意味があったなって思ってます。

──SKE48もこの11年間、いろいろありましたからね。

斉藤 一時期はお仕事があまりないような期間もありましたからね。だけど、今の状況が、上がりきったとは思いたくないので、まだまだみんなと上を目指して頑張りたいと思います。

──過去には、メンバー全員でナゴヤドームに立つという目標を達成していますね(2014年2月1日、2日)。

斉藤 グループに10年いる私が思うのは、その時々の時代のニーズに合わせて、目指す場所が違っていたのかなって。ナゴヤドームの夢って、当時の私にとっては、そこに立てるほどの経験をまだ積んでいなかったので、目標としては早いと感じていました。大阪出身の私からしたらナゴヤドームに立つことの大きな意味をそのときはまだ感じられていなくて。それに、もっと実力をつけてから立ちたいという気持ちもあったんです。もちろん、すごいことだと思うんですけど……。当時は、AKB48がドームツアーをやった影響もありましたよね。

──今もSKE48のメンバー全員で、ナゴヤドームに立ちたいと思いますか?

斉藤 そういう気持ちはあります。ただ、まだ立ったことがない後輩たちをナゴヤドームに立たせたいという気持ちはすごくあるけど、今の状況を考えるとそれは簡単なことじゃないのかなって。でも何かしらの目標を立てないと頑張れない部分もあるんで……。すごくもどかしさがありますね。

──支配人という立場で、11周年を迎えてどうですか?

斉藤 メンバーがいろいろな場所で活動できていることに関して満足です。でも、メンバーそれぞれの活動の内容を私がすべて把握できていない部分があって……。この活動は何のためにやったのかな? というものを後から見つけたときは落ち込みました。自分の目が行き届いていなかったなって。グループのことで知らないことがあるのは不安だなって思いました。



──先日10月4日にSKE48の11周年公演の前夜祭、5日に11周年公演が行われました。

斉藤 今回はいつにも増してスケジュールの部分でてんやわんやしましたね。でも今できることはやれたかなと思っています。

──48曲を連続で披露して、トータルで52曲も披露しました!

斉藤 周年って毎年同じような内容になってしまいがちなところを、上手に演出してくれたなって思いました。同期のマネージャーさんがセットリストを考えてくれたんですよ。

──2013年4月25日に行なわれたSKE48の単独日本武道館公演での31曲連続披露を思い出しましたよ。

斉藤 ただ、劇場っていう自分たちのホームの場所だからこそ、周年っていうお祝いごとに甘えてしまったのかなって思いも正直あって。振り返ると、(披露した曲の)数で「どうですか!」って勝負している感じはあったかなって。曲の数に対して、パフォーマンスのクオリティが追いつけていたかなと思うところもあった。最近のライブでも思っていたことだったんですけど、私を含めて先輩メンバーが若いメンバーたちに手を差し伸べられていない部分があるし、私自身、気づけていなかった。お客さんに対して、そういう52曲を見せるよりは、本気の1曲を見せられた方がいいんじゃないかと感じてしまって。それに気づけなかったのが一番悔しかったなぁって。数があればいいってもんじゃないのかもしれないし、そういうことに終わるまで気づけなかった。悔しさが残っていますね。

──見せる側と見る側の感覚の違いもあると思いますよ。ファンはすごく盛り上がっていました。

斉藤 でも、52曲やったと言っても、SKE48のメンバー全員が連続で披露しているわけではないんですよ(連続披露では、メンバーが交代でステージに登場した)。例えば今の状態のままで、次に他の場所で6曲だけを披露したときに、それすら完璧にできるだろうかと思うんです。最近思うんですけど、SKE48はそろそろ原点に帰るべきではないのかなって。

──斉藤さんご自身が満足する部分をメンバーに求めるのは大変だと思いますよ!

斉藤 う~ん……私が求めすぎなんですかね?

──ただ、斉藤さんに向上心があるからこそ、メンバーたちも上に行こうという意識になると思います。斉藤さんが考えたり求めたりするのをやめたらグループの動きも止まるかも……。

斉藤 そうですよね。私はSKE48を観てくださる方々には、やはりいいところを観てほしいと思うんです。だからこそ、メンバーたちに要求することも大きくなってしまうのかもしれません。

──そして、今回の周年ではSKE48の名企画「ミッドナイト公演」が復活しましたね。

斉藤 ミッドナイト公演は2年ぶりでした。もろもろ決まるのが遅かったんですけど、セットリストに関しては恒例の一夜漬けをやりました(笑)。今回、大場(美奈)が舞台の稽古に出ていたので最終日までリハーサルに出てこられなくて、1日でリハーサルをやったんです。彼女の過酷なスケジュールの中、前日、当日と彼女の心を折れさせないようにみんなでめっちゃ気を遣って(笑)。ミッドナイト公演に出たいといってくれた大場の気持ちを思って、休憩中におにぎりを持って行ったり、炭酸ジュースを持って行ったり、とにかく食べ物をたくさん持って行ったりして(笑)。大場自身に、気を遣っているのがバレバレで、それを見てまたみんなで笑っちゃうっていう。メンバー全員が必死だけど、ちょっとの笑いがあったんですよね。そんな雰囲気は今までなくて、すごくよかったなぁと。あとは高柳(明音)が卒業発表したんですけど、彼女が珍しく(AKB48の)『軽蔑していた愛情』をやりたいって言ってきて、折れなかったんですよ。どうしてもやりたいって言い出して。その曲をやること自体、おかしいとかじゃないんですけど、みんなもギリギリのところで、誰も踊ったことがない曲をどうしてやりたいんだ! って、怒りに変わってきて(笑)。でも蓋を開けたら、彼女の卒業発表があって。高柳にとって譲れないものがどこかにあったミッドナイト公演だったんだなって。今思えば、ですけど(笑)。



──高柳さんと2人での思い出はありますか?

斉藤 やっぱりそこを聞いてきますよね(笑)? 本当によく聞かれるんですけど、2人でというのはほとんどないんですよ。チームも違うし、プライベートでもすごく仲が良いというわけではなかったので。だから特別の思い出エピソードはほとんどないけど、同期が私と高柳と内山(命)という3人の時期があって。その時期3人で一緒にいるときに腹を割って話せる機会があったので、それは本当にありがたかったです。ミッドナイト公演で卒業発表することは本当に知らされていなくて。だけど結構前に、私と高柳と内山とマネージャーさんでご飯を食べているとき、内山が「私の卒業発表をうちらの10周年(2019年3月29日のSKE48 2期生10周年公演)で言いたい」って言ってきて。「2人(同期の斉藤と高柳)に了承を得ないと発表できないのでお願いします」って。そういう話の流れで高柳もタイミングを考えているようなことを言っていたので、近いうちに卒業するんだなってことは視野に入っていて、覚悟はしていました。だけど、実際に聞くと、ついに来たなーって。

──ついに2期生も1人になります。寂しいですか?

斉藤 寂しくさせてくるんですよ、周りが(笑)。「1人だねー」とか「来年の周年、同期でやることはないんだね」とか言われて。確かに「そっかー……」って思いましたね。(松井)珠理奈さんとか須田(亜香里)ちゃんとかはもう同期がいなくて1人だけど。

──ぴよす(都築里佳)も……。

斉藤 あ、忘れてた(笑)。でもまぁ、1人になってみないと分からないですね。

──斉藤さんは何周年までいるんですかね?

斉藤 その問題ですよね~。気持ちは、やめろって言われるまではいたいかなって。言ってしまえば、誰かに期限を決められた方が楽かな(笑)。いい意味でも悪い意味でもSKE48に人生の両足を突っ込んだ感があるから、自分の願望だけじゃなく、いろいろ考えたいなって。

──今、注目している後輩はいますか?

斉藤 後輩かぁ。9期生はよく育っているなって思います。みんな、礼儀正しいし、謙虚だし、ちゃんと振りも仕上げてくるし。頑張ってますよね。

──これからのSKE48、どんなグループにしていきたいですか?

斉藤 11年も続いているアイドルグループって、そうそういないじゃないですか。今年もいろいろなアイドルグループが解散して、ある意味、アイドルという存在に波乱があった年なのかなって思っていて。SKE48も11年続けてきて、環境や時代も変わったけど、SKE48という名前で、栄の街で変わらずにいられることはありがたいことだなって思うんです。だからこそ、ずっと変化が怖かったんです。だけど、変化を恐れたら、上を目指せないと気づけたので、進化することも大切にしたい。メンバー1人ひとりが譲れない何かを持って活動していくべきだし、グループに残り続けている子に絶対に何かいいことがある、光が当たる場所であってほしいなって思います。在籍10年以上のメンバーたちがまだまだ熱くやっていることも凄いです。そして、卒業したメンバーにも、次のステージで輝けるのはSKE48があったからと思ってもらえるグループにしたいですね。最近、ラグビー(ワールドカップ2019)を観ている影響かもしれないんですけど(笑)、1人のミスをみんなでカバーできたりとか、世代を超えた環境の中で1人ひとりが力を合わせていきたいし、そこでいろいろ吸収していきたい。おこがましいですけど、ラグビーの精神ってSKE48に通じている部分が数多くあるなって思っているんですよね。「One for all, All for one」っていいなって思っています。
▽斉藤真木子(さいとう・まきこ)
1994年6月28日生まれ、大阪府出身。2期生。SKE48支配人兼キャプテン。ニックネームは「まきこちゃん」。2009年3月に2期生オーディションに合格。2016年3月からはSKE48キャプテンとして、2019年7月からはSKE48劇場支配人としても活動している。