「出費が重なって」「収入が少なくて」なかなか貯蓄できない。そんな言い訳をしていませんか? 貯蓄ができる家計になるには、強い意志とちょっとしたコツが必要です。

◆500万円貯めるには強い意志とコツが必要
500万円の貯金を貯めるとなると、そこそこハードルが高いと思いがちです。

例えば20代で一人暮らしの場合、家賃や食費などの出費がかさみ、なかなか貯まらないのが実状でしょう。

また子どもがいる家庭では、子どもが大きくなるまで妻が働けないなど、収入減を余儀なくされてしまうケースもあります。

ただし貯金がない状態では、いざというとき生活に不安がつきまとうもの。どのライフステージにいるかによっても異なりますが、ある程度まとまったお金が必要になる時期がいずれやってきます。

では、実際に世間ではどれぐらい貯金しているのでしょうか。金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(2018年)」で見てみましょう。

●年代別 金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む・中央値)
20代……111万円
30代……382万円
40代……550万円
50代……900万円

●年収別 金融商品保有額(金融資産を保有していない世帯を含む・中央値)
300万円未満……240万円
300万円~500万円未満……650万円
500万円~750万円未満……827万円

(「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2018年)」より)

金融資産を保有していない世帯を含むデータでも、30代で382万円、40代では550万円もの金融商品を持っていることがわかります。もちろん収入や支出は人それぞれなので、自分と比較する必要はありませんが「貯めなくちゃ!」という意欲は沸いてきませんか? 

貯金をするために肝心なのは「絶対貯めるんだ」というモチベーションです。そして、何のためにお金を貯めたいのかを明確にして、1日も早く貯蓄計画を立てましょう。

◆500万円貯めるためのステップ
それでは、500万円貯めるためには毎月いくら貯蓄していけばいいのでしょうか。シミュレーションでイメージしてみましょう。
5年間で500万円貯めるためのシミュレーションをしてみよう。

500万円を5年間で貯める場合、毎月2万円貯められるなら、ボーナス時に38万円×2回の増額が必要ということに。もし目標設定を10年にするなら、毎月2万円+ボーナス時に13万円増額すればいいということになります。

肝心なのは「いつまでに500万円貯めるか」という目標設定を明確にすること。「なんとなく貯めよう」では、貯金はいつまでも後回しになってしまいます。シミュレーションを参考に、いつまでに貯めるかを決めて、月々とボーナス時に貯める金額を設定しましょう。

月々とボーナス時に貯める金額を設定したら、いよいよ500万円貯まる仕組みを作っていきます。

◆貯まる仕組み1:月と年間に使う支出を算出する
まずは毎月の支出を「固定費」と「流動費」に分けて書き出していきましょう。項目は以下のとおりです。

●固定費
住居費(駐車場代を含む)/こづかい/子ども費(教育費、習い事、ミルク代など)/保険料

●流動費
食費/電気・ガス・水道代/通信費/日用雑貨費/趣味・娯楽費/被服費/交際費

そのほかにも、例えば冠婚葬祭費や実家への帰省など、年に何度かある支出も書き出して「特別支出」として計上します。そして、月々の支出と特別支出を含めた年間の支出合計を算出します。

年間の手取り収入から年間の支出を差し引いたものが、貯蓄に回せる金額になります。もしも先ほど決めた月々とボーナス時に貯める金額が捻出できない場合は、家計のムダを洗い出しましょう。

◆貯まる仕組み2:支出のムダを洗い出す
支出のムダを割り出すために、手取り収入に対する各支出の割合を算出しましょう。表の「ライフスタイルに応じた家計費の適正割合」と比較して、バランスの悪い支出が何か探り出します。
ライフスタイルに応じた家計費の適正割合

シミュレーションで家計のムダを客観的に分析したら、支出割合が多い項目について、支出を見直していきましょう。

住居費が思いのほか高いなら、今より家賃の安い部屋への引っ越しを検討してもいいでしょう。通信料が高いなら携帯電話を格安SIMに変更したり、生命保険の保険料が高いなら、毎月払いから年払いにすれば保険料が割引になります。

これらの「固定費」は一度見直しをすれば、自動的に支出減になり、継続的に節約することができます。

「流動費」も同じように見直して、月々に貯める目的金額を捻出していきます。

◆貯まる仕組み3:貯蓄分を「先取り貯金」する
積立できる金額を確保したら、いよいよ貯金スタートです。貯蓄分は給料日に「先取り貯金」をするのが効果的です。ポイントは、貯金後に残ったお金で生活するということ。

もし会社に制度があるなら、給料からの天引きされる「財形貯蓄制度」を活用しましょう。会社に申請が必要になるなど、引き出しには手間がかかるため、使ってしまうリスクが少なくなります。

もし財形貯蓄制度がなかったり自営業の場合は、銀行の「自動積立定期預金」を利用しましょう。

◆貯めるコツがわかれば人生の三大出費にも備えられる
「子どもの教育費」「住宅購入費」「老後の生活費」は、人生の三大出費といわれます。いずれも数百万円から1000万円単位でのお金が必要になることがあります。

それでも今回紹介した貯まる仕組みをマスターしていれば、これらの三大出費にも備えることが可能です。

まずは「いつまでにいくら貯めるか」を決め、次に積立額を設定し、貯められるよう支出のムダを見直していきましょう。この順序で行えば、効率的に貯金することができるようになります。

文=滝田 知歩(マネーガイド)