劇場アニメ「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」の完成披露試写会の様子。

堀越耕平原作による劇場アニメ「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」の完成披露試写会が、本日12月5日に東京・豊洲PITにて行われた。

12月20日より全国公開される「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」は、堀越が総監修・キャラクター原案を務め、オリジナルストーリーが展開される作品。雄英高校1年A組のメンバーが全員集結し“平和の象徴”オールマイトの意志を継ぐ“新時代のニューヒーロー”として、史上最凶の敵・ナインに立ち向かう。本日行われた舞台挨拶には緑谷出久役の山下大輝、爆豪勝己役の岡本信彦、飯田天哉役の石川界人、轟焦凍役の梶裕貴、ゲスト声優として出演するナイン役の井上芳雄、スライス役の今田美桜、主題歌を手がけるsumika、デクと爆豪の着ぐるみが登場した。

山下扮するデク、岡本演じる爆豪、梶演じる轟、石川演じる飯田が舞台裏から客席に向けてアナウンスを行うと、観客たちからの大きな歓声が。ステージ上のビジョンにオープニング映像が映し出されたのち、登壇者たちが姿を現した。映画について山下は「すごいです! 本当に痺れましたね。1作目を超えなきゃいけないってことで、期待されてる部分は大きかったと思うんですけど、その期待に応える作品になっていると思う」と自信を覗かせる。また舞台挨拶の後に映画を観る観客に対し「これから観ていただいてそれを感じてもらいたい。僕は観ていて4回は泣きました」とアピールした。

続く岡本は「共闘はTVシリーズでもあったんですが、そのときとは違う種類の共闘。個人的には『え? そういう手の取り合い方ある?』って思いました。あ、ネタバレっぽかったらすみません!僕、ネタバレしたい人なので(笑)」と語り観客を笑わせると、梶から「しないで!(笑)」とつっこまれていた。そんな梶は「1年A組はたくさんのキャラクターがいますけど、1人ひとりが活躍しますし、それぞれ弱点やコンプレックスを、協力し合うことで乗り越えていく姿が泣けるんです。轟くんもなかなか心を開けない子だったのですが、仲間たちに心の氷を溶かされて、今となっては溶け込んでひとつになってる。そんな彼の成長を、我が子のように見守っている気持ちになりました」と作品の見どころを伝えた。

そして本作にゲスト声優として出演した井上はアフレコを振り返り「声優さんの技術がすごい。僕は絵が完成してない状態でアフレコをしたんですが、場合によっては丸が描いてあるだけ、みたいなのを観ながら……。ちょっと自分の人間性がおかしくなりそうでした(笑)」と絵が完成していない状況での慣れないアフレコに苦労した様子。そんな井上の言葉に梶たち声優陣は「いや、冗談じゃなくてよくあるんですよ(笑)」と苦笑い。しかし、その後完成した作品を観て感動したという井上は「こんなふうに仕上がるんだと驚きました。特にバトルのシーンは圧巻。僕が観たときは丸が動いてるだけだったのに(笑)」と語り、声優陣は爆笑する。

井上が演じた今回の強敵・ナインについて、山下は「今までのヴィランと違って、手段を選ばず目的にまっすぐ向かってくるのが不気味で。何を考えてるか読み取れない不気味さと視線の先がどこなのかわからない怖さがあって」とコメント。さらに梶も「ミステリアスというか得体のしれない恐怖がありますよね」と続けた。

一方、今田が演じたスライスはクールで大人っぽいキャラクター。山下は「僕的には(今田がスライスを演じたのは)ちょっと意外でした。お姉さまっぽいイメージがなかったので」と話すと、今田は「自分でも新鮮でした。意地悪なキャラクターを演じたことはありましたけど、ちゃんとした悪役は初めてだったので」と答える。それに対し梶は「このビジュアルからこの声出るんだって驚きますよね。バトルシーンも迫力がありますよ」と明かした。

またトークセッションでは、井上と今田が「僕のヒーローアカデミア」で好きなキャラを答える場面も。声優陣が自分を選ばれるようにさり気なくアピールする様子を見つつ、井上は「それぞれ魅力的ですけど、個人的に好きなのは峰田実」と答えると、岡本や石川は「あー! わかるー!」と悔しそうにしながらも納得の声を上げる。その理由について「最初見たときになんだこのキャラは?と驚きました。あと中身のおっさんっぽさ。友達になりたいなって」と述べ、登壇者たちの共感を得る。また今田が「私はお茶子ちゃん。キュートでキュートで……。カッコいいし可愛いし、いろんなものを持ってる子だなと思います」と話すと、声優陣たちもうなずいていた。

すぐさま石川は今田に対し「この中だったら誰が……?」と問いかける。今田は困ったような表情を浮かべつつ「もちろん飯田さんも好きですし、爆豪くんも……。でもやっぱりデクくん」と山下とデクの着ぐるみのほうを指差すと、山下は大きくガッツポーズ。石川や岡本は悔しそうに叫び声を上げた。さらに山下が、今田に選ばれて慌てた様子を見せるデクの着ぐるみに声を当てて見せると、客席からも大きな歓声が上がった。そんなデクの着ぐるみに対し、梶も「なんか笑顔が増してる気がする。羨ましいな!」と苦笑いを浮かべていた。

イベントの中盤では、本作に登場する追加キャストが発表に。劇場版のキービジュアルにもその姿が描かれていた“剛翼”という個性を持つプロヒーロー・ホークス役を中村悠一が演じることが明かされると、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。さらに映画の主題歌を務めるsumikaがステージに登場。主題歌の「ハイヤーグラウンド」を初披露し観客を沸かせた。片岡健太(Vo, Gt)は、楽曲について「バンドを始めたときのことを思い出し、原点に立ち戻った感じで曲が作れました」とコメント。また「楽曲制作に悩んでたんですけど、丸からめちゃくちゃいい声がして助けられました(笑)」と語り、未完成な状態で楽曲制作をしていたことを明かすと、井上は「丸から生まれたとは思えない(笑)。疾走感があってカッコいいですし、これからヒーローになる人にふさわしい曲ですね」と楽しそう。そんなやり取りに、梶は「今日Twitterが“丸”で埋め尽くされるかも(笑)」と笑いを浮かべていた。

最後、山下は「ゲスト声優の方々が新しい風を吹かせてくださり、オンリーワンな『ヒロアカ』になったんじゃないかな。手に汗握る展開があるんですけど、観終わったときはスッキリした気持ちにもなって。これから何かをする人にはうってつけの、勇気をもらえる作品になってると思います」と作品をアピールし、舞台挨拶を締めくくった。

「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング」

2019年12月20日(金)全国東宝系にてロードショー

スタッフ

原作・総監修・キャラクター原案:堀越耕平(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:長崎健司
脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ

(c)2019「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会 (c)堀越耕平/集英社