作りこまれたコントを武器とするお笑いコンビでありながら、俳優としても活躍の場を広げている「シソンヌ」(じろう/長谷川忍)。あの東野幸治も絶賛する彼らは、コント、そしてライブに対して、どう向き合っているのだろうか? 単独ライブシリーズ「シソンヌライブ」の第八弾「huit(ユイット)」のDVD(発売中)に向けて、オーディオコメンタリーの収録を行っていた2人にインタビューを行い、コントに対する思いを語ってもらった。

  • シソンヌ

    シソンヌのじろう(左)と長谷川忍

――今回の「huit(ユイット)」ですが、改めて映像で見てみるといかがでしたか?

じろう:なんだろうなあ。やっぱり、本番のカメラがいつもより多かったので、今まで見たことがないアングルとかあって、いつものDVDより、ちょっと凝っている感じは、少ししましたね。見ている人は気づかないと思うんですけど。

長谷川:新しいカメラのアングルが、お客様視線みたいな。前の席のお客様の視線に近かったので、普段見ているやつよりも、より臨場感があった気はするんですけど…それを見たお客さんが気付かなかったら、ちょっと寂しいですけどね(笑)。

じろう:たぶん、気づかないと思うよ(笑)。

【「huit(ユイット)」ネタのラインナップ】
(1)閉店した洋食屋の店主とかつての常連客が再会する「閉めたのに」
(2)学生の野村君と長谷川先生のやり取りを描く「野村くん、登校する」
(3)洋食屋を訪れた客と店主の掛け合いを題材にした「キッチンようこ」
(4)バーテンと“お尻を見たい”客の会話に焦点を当てた「知らない自分」
(5)看護師と保育士が愚痴をこぼし合う「飲み会のあと」
(6)大学生の甥っ子と叔父が話し合う「叔父と甥っ子」
幕間の映像ネタ 「CHINMARI ~Let's キラメキお片付け~」

――ネタのラインナップとしては下ネタも強めでしたが、パッケージとして「huit(ユイット)」はどんな単独ライブになったと感じていますか?

じろう:今の時代っぽいネタもありつつ、カラオケのやつ(「飲み会のあと」)とか、家を出ていかなきゃいけない問題(「叔父と甥っ子」)みたいなものとか、どこかで似たような境遇の人がいると思うので、そういう人に届けばいいなって(笑)。男性保育士と男性看護師さんには特に、カラオケのネタを見て、どういう感想を持ってもらえるのか(笑)。

長谷川:お互いに年も取って、そういう境遇の人から話を聞くことが増えて、こういうネタも増えたんだと思うので、いい年の重ね方をできて、それがネタに反映できているならいいなと。ネタにも、2人の味が出てきたらいいなとは思っていますけど、今回けっこうそれが出ていたんじゃないかな。だけど、お客さんがそう思わなかったら意味ないですからね…。

――やはり、お客さんにどう届くかが重要ですよね。お客さんの反応は、SNSなどでチェックしていましたか?

じろう:本番中はずっと見ていました。

長谷川:どんな感じかなあって。それぞれだったよね。意外と、悪くなかった気がする。

じろう:悪口は少なかったですね(笑)。

長谷川:そこが救いですかね(笑)。

  • シソンヌ

――年の重ね方というワードが出ましたが、キャリアを重ねる中で、コント作りにおいて変わってきたことはありますか?

長谷川:軸は変わってないよなあ。じろうの好きなものも変わってないし。

じろう:でもやっぱり、昔みたいな、お笑いっぽい感じの作り方はできなくなりましたね。わからなくなっちゃって。どうやって書いてたのか。この設定でこういくかみたいな、コンテストを意識した感じのネタは、書けなくなっちゃって。

――意識的に避けているのではなく、書けなくなった?

じろう:僕がもう、書き方がわかんなくなっちゃって。そういうのは、もういいのかなっていうのもあるんです。たまに、思いついたらやるくらいの感じで。実際にいる感じの人の人間模様をどう面白くするのかっていうのが、いま自分の中で楽しくなっていると思うので、最近はそっちのネタが多くなっちゃいましたね。

――憧れのシティボーイズさん的な?

じろう:シティボーイズさんは、もうちょっと知性が…(笑)。僕らは、やっぱり品がない(笑)。うまくパッケージで品がある感じに見せているんですけど、実際はすごく低俗な題材が多いので、あの知性はまだないです。ああなりたいですけど(笑)。

長谷川:この間、見て思ったんです。みなさんがシティボーイズさんと同じようなラインに立たせてくれるので、ありがたいんですけど、やっぱり全然違うもんな(笑)。東京03さんのライブも見に行ったんですけど、やっぱり違いますね。よく一緒に名前を挙げていただけるので光栄なんですけど、その中ではやっぱり俺らが、題材的なものは一番ひどいなと思いました(笑)。

――とはいえ「くだらないからこそ好き」という方も多いんじゃないでしょうか。

じろう:そういう人も、中には…。

長谷川:「くだらないようなことを真剣にやる」っていう面白さでやっているところもあるので、そうですね。別に、題材はああいうものになってもいいのかなとは思っているんです。

――お二人のコントでは、不器用な人の一生懸命な姿が見られるので、元気になる人もいますよね。

長谷川:そう思ってくれたらありがたいですね。

じろう:そうですね。