博報堂の専門組織である博報堂行動デザイン研究所は11月21日、「情報をプールする」生活者を捉えるデジタル時代の行動デザインモデルである「PIXループ」を開発したと発表した。今後、モデルの精緻化を勧め、クライアント企業の課題解決に努めていくという。

  • PIXループのイメージ

「いまどき」の生活者は、ネット通販サイトの買い物カゴや写真共有アプリの「いいね」などサイトやアプリの特性を使いこなして自身に相応しい情報を巧みに貯め、「行ってみた」「やってみた」など所有や購買に固執しなくても気持ちを満たせる行動を積極的に取っている。そのため、従来のマーケティング手法では捉えにくい層となっていたとしている。

同研究所は、このような生活者は情報行動と消費行動を明確に区別しておらず、Pool(情報を引き寄せ貯めておく)、Ignite(気持ちに火が点く)、eXpand(体験をやってみて情報圏を拡げる)という行動をループさせながら自己充足を図っていることを発見し、次世代型行動デザインモデルであるPIXループを開発したとのこと。

この生活者主体の情報/体験行動ループの中に、いかに企業/ブランドが入り込み、消費(購買/契約)行動に結びつく施策をプロットしていけるかが、これからのマーケティングの成否を握るという。

  • PIXループ ラニングWAYのイメージ

同研究所では、このモデル化に合わせて「PIXループ プラニングWAY」も開発した。 これは、PIXループを基盤に、生活者を動かす行動デザインを4つのフェーズで捉え、プラニングしていくものとのこと。

同研究所は今後も、PIXループで施策を創発するワークショップの開催などを通じてモデルの精緻化を行い、クライアント企業の課題解決に努めていくとしている。