パナソニックは11月21日、パナソニック液晶ディスプレイ(PLD)にて行ってきた液晶パネルの生産を2021年をめどに終了し、当該事業から撤退することを決定したことを明らかにした。

PLDでは2016年まで液晶テレビ向けパネルの生産を行っていたが、価格競争の激化による収益悪化などを背景に、以降は車載向けや産業分野向けに液晶パネルを提供してきたが、近年、中国勢が立て続けに液晶パネル工場を稼働させたこと、長引く米中の貿易戦争による市場の不安定化などの影響から、価格競争がさらに激化。2019年は好調が続いていた車載用ディスプレイ市場も10年ぶりのマイナス成長になる可能性も出てくるなど、液晶パネル業界は厳しい市場環境に見舞われており、そうしたことを踏まえ、パナソニックとしても事業の継続は困難との判断に至り、生産の終了を決定したとしている。

  • 車載ディスプレイ

    パナソニックによる車載ディスプレイを活用したデモの様子 (編集部撮影)

なお、同社は液晶パネルの生産終了後も、デバイス事業では車載・産業分野を中心に、「車載CASE」「情報通信」「工場省人化」を重点領域として、事業の展開を行っていくとしている。