超短期的に株を売買するデイトレード、為替にレバレッジをかけて売買するFX、どちらも正直オススメしないのですが、どうしてもやりたいなら2つのルールだけ守ってほしいと思います。

◆みんな気になるFXとデイトレですが、オススメはしません
「初めての投資」について話すことが時々ありますが、話す側と聞く側のギャップが大きいテーマの1つです。

その1つは、「FXで投資デビューしました」とか「初めてなので、短期売買でいきたいと思います」のような人が結構いることです。

私の感覚でいえば、FXやデイトレードは投資とはいえないし、全く初心者向きではありません。

しかし、書店に行けば、FXやデイトレードに関するムック本やマネー雑誌の特集、投資指南書籍がたくさん置かれていますし、ネットの広告もたくさん見かけます。といっても、一度興味を持ったあなたに、ターゲット広告が襲いかかってきているのですが。

情報量でいえば、FXやデイトレードは「普通に行う投資方法の1つ」と、認識されているように思います。でもあまりオススメはできません。

◆なけなしの100万円も、プロの1億円も相場に入れば条件は同じ
オススメしない基本的な理由は、デイトレードとFXについては長い目で見て成長する保証がないということです。

短期的な株価の推移だけを見てポジションを取ることと、短期的な為替の騰落に賭けることは、国家間の経済成長や長い目で見た企業の成長とは関係なく、お金を増やそうとする行為です。

そして、こうした投機的なポジションは、お金をたくさん持っている人と、経験が豊富な人ほど有利になります。1億円持っていて、1000万円までマイナスになっても困らないベテランと、なけなしの100万円を預け入れて売買する初心者では、余裕度が違います。

こっちにしてみれば「100万円」というのは、人生を賭けた大金かもしれませんが、ポジションによっては簡単に20万円くらいの赤字になります。そこで怖くて損失確定した人は、次は80万円からリスタートです。

おそらく無理をしてポジションを取るでしょうし、さらに怖くて15万円の損を確定させたら、35万円損したことになります。おそらくもう、100万円に戻すこともできないでしょう。

あなたの恐怖心は避けようがないものですが、経験も資産もある人はそれくらいの値動きは見逃し、含み損が解消するまで待っているかもしれません。

相場の世界には、「初心者レート」も「ゴルフのようなハンディキャップ制度」もありません。初心者がFXやデイトレードをして得をすることはないのです。

◆素人のレバレッジはお金を「溶かす」ことに
そしてFXやデイトレードが初心者のお金をあっという間に減らしてしまうのは、レバレッジをかけるからです。株式取引では信用取引という仕組み、FXではレバレッジという仕組みがありますが、特にFXのレバレッジが危険です。

標準的には100万円で2500万円分のポジションを取ることができますが、2500万円の1%プラスに値動きしたら25万円の儲けということになります。

「たった100万円で25万円儲かるの!」と思う人は想定の裏目に出たとき、あっという間に25万円消えるということを深く考えていない人です。

円とドルのレートでも1日で1円動くことはよくありますし、そもそも初心者ほど知識と経験がないのですから失敗する可能性は高いはずです。

FXで失敗し、お金がどんどん消えていくさまをネットスラングで「溶かす」とよくいいますが、焦っては売り、焦っては買いを繰り返していくうちに、あっという間に1万円ずつ損をしていくことはよくあります。

だからやっぱり、短期的なトレードはオススメしたくないのです。

◆それでもやりたい場合、これだけは守ってほしい2つのルール
それでもたぶん、たくさんの人がFXをするでしょうし、FXやデイトレードが楽しいことは間違いありません。それがあなたのギャンブル好きな性格を刺激する、「楽しさ」であったとしても。

ですから、どうしてもやりたい素人さんには、2つのルールだけ守ってほしいと思います。

◇ルール1:最初に入れる金額を控えめにしておく
あなたがもし100万円預金残高があっても、100万円入金してはいけません。入金額が10万円なのか30万円なのかは人それぞれですが、仮に全額失くしてもいいくらいのお金を残してください。なぜなら、入金額以上の損失はないからです。

◇ルール2:失敗したときは潔く引き、追加の入金はしない
成功する可能性と失敗する可能性を天秤にかけたとしたら、おそらく負ける可能性のほうが高いでしょう。FXは特にそうです。そのとき、ついカッとなって追加入金をしないでください。

30万円入金してすぐに10万円減らしたとしても、追加30万円を入れたところでまた10万円に減るだけだと思います。

むしろ「この授業料は痛かったが、ここで手を引く……」と決断してほしいのです。それは辛い判断ですが、正しい選択肢です。

でもたぶん、たくさんの人が1つめのルールも2つめのルールも守れないのでしょう。できれば、あなたはこのアドバイスを受け入れてほしいなと思います。

文=山崎 俊輔(マネーガイド)