フェアレディZのなかでアメリカンテイストがもっとも強く、グランドツアラー的なキャラクターとして登場したZ31。
しかし1985年に追加された200ZRは、それまでのGTカーから一転、本格スポーツカーへの転身を図ったハードなモデルだ。
エクステリアはボンネットに設置された大きなエアインテークが目を引く程度だが、中身はエンジンからサスペンションまで手が入れられ、スポーツカーとしてのポテンシャルが飛躍的にアップ。
事実カタログには、「サーキット」や「レーシング」といった文字が並び、200ZRの方向性がひと目でわかるようになっている。
RB20E型をベースにツインカムヘッドとセラミックターボを備えたRB20DET型。ハイパワー&ハイレスポンスを両立したスポーツユニットだ。
そのなかで、最大のハイライトとなるのがエンジン。それまでのZ31には2Lと3LのV6ターボが搭載されていたが、200ZRでは2L直6ターボのRB20DET型を搭載。
この新開発ユニットは直6ではZ432以来のマルチバルブエンジンで、タービンのローター部に軽量かつ耐熱性に優れるファインセラミックを世界に先駆けて採用。
タービンはブレード部にファインセラミックを用いることで、ターボラグを大幅に低減させている。
ターボ車の欠点である「ターボラグ」を抑制し、ハイレスポンスを実現した。
加えて空冷式インタークーラーのほか、NICS(電子制御可変吸気コントロール)やNDIS(電子配電)といった先進の電子機構を採用することで、ハイパワー&ビッグトルクをも獲得。
Zの名にふさわしい高いポテンシャルをわがものとしたのである。
温度が上昇した吸入空気を冷却する空冷式インタークーラー。上部に設置することでパイピングを短くでき、レスポンスアップにも貢献している。
SPECIFICATIONS
フェアレディZ 2by2 200ZR-Ⅱ T-BAR ROOF(Z31)
全長×全幅×全高(mm) 4535×1690×131
ホイールベース(mm) 2520
トレッド前/後(mm) 1415/1435
車両重量(kg) 1390
エンジン型式 RB20DET型
エンジン種類 直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比8.5:1
最高出力(ps/rpm) 180/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 23.0/3600
変速比 1速3.321/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.838/後退3.382 最終減速比 4.375
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 215/60R15(前後とも)
発売当時価格 300.1万円
掲載:ハチマルヒーロー 2013年 11月号 vol.23(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)
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