(左から)鈴木おさむ、松尾スズキさん、小森隼
<リスナーからの相談>
集団でいるときに、人の言葉や感情をダイレクトに受けてしまうのが悩みです。昔から、機嫌が悪い人がいると“自分のせいかな……”と思ってしまったり、そのうち自分も機嫌が悪くなってしまったり。最近そうなることが多くて疲れてしまい、1人になりたいと思うことが多いのです。親からは「生きるうえで、その性格は必要ない」と言われてしまいました。みなさんの周囲に私のようなタイプがいたら、どう接しますか?(ラジオネーム:はなさん 20歳 女性)
おさむ:僕は“1人になりたい”とは思わないですけど、はなさんの性格はすごく理解できます。気付くことができる人がいる一方で、ガサツな人もいますよね。一時期、“鈍感力”という言葉が流行りましたけど、松尾さんはどちらのタイプですか?
松尾: HSP体質(超敏感体質)っていうんですかね。はなさんの気持ち、すごくわかりますね。
おさむ:こういう体質は、(演劇などの)“作り手”に多いですか?
松尾:どうだろう。いま、12月に上演される舞台「キレイ―神様と待ち合わせした女―」の稽古をしているんですけど、出演者が30人ぐらいいて。みんなを動かしていかなければいけないのですが、“跳ねてない人”がいたりすると、すごく気になっちゃう。そういうのを、ずっと見ているんですよね。めちゃくちゃ疲れますよ。
おさむ:その性格って直らないじゃないですか。
松尾:直らないと思う。でもね、慣れが解決するときもあるかもしれないですね。
おさむ:相談者のはなさんは、まだ20歳ですしね。
小森:確かにそうですね。しかも学生ですし。社会に出て、仕事を始めたりすると変わるかもしれないですしね。
おさむ:話は変わりますが、なにかに気付いて、その人のためを思って言ってあげることってありますよね。でも、例えば50歳を過ぎた人には伝えないほうがいいですかね。
松尾:微妙ですよね。
おさむ:その人のことを考えて、良かれと思って言ってあげて。でも、言われたほうは、そんなにありがたくなかったりする場合も多いじゃないですか。
松尾:演出していて、そこは一番気を使うかな。指摘されて、“わかりました”と言って、どんどん良くなる人もいれば、言われてへこんでしまう人もいるので。だから、待つことが必要なときもあるし。
おさむ:「大人計画」の劇団員には、いろんな方がいらっしゃいますけど、へこむ人もいますか?
松尾:いると思います。
おさむ:人によって言い方を変えますか?
松尾:変えます。あとは、みんなの前で言うか、個人的に言うか、みたいなところもあるかなぁと。
おさむ:松尾さんはどっちのタイプですか? みんなの前で、すごく激しく言う人もいますよね。
松尾:あんまり言われたくないかもしれないですね。いま、大きな稽古場で30人ぐらい相手にやっているのでマイクを使っているんです。マイクで言われたことって、やっぱり大きいし、そこで繊細なことは言えないな、と思っています。
おさむ:僕はそういうことが本当に苦手なので、しないんですけど、何回も同じことをやらせたりする人もいますよね。みんなの前で指摘することで、良くなる人もいますか?
松尾:なかには、“自分のことを大切にしてくれているんだ”と思う人もいますよね。
小森:その発想は、なかったですね。僕は逆のタイプで「もう1回! もう1回!!」って、言われれば言われるほど、どんどんダメになっていきます。
おさむ:“自分に時間を割いてくれている”と思う人もいるんですね。でも確かに、そう感じる役者さんは、いるかもしれませんね。俺なんか、気を使ってしまって、“もういいや”って思ってしまうんだけど。それを、“自分のほうを見てくれない”と思ってしまう人もいるんですね。
松尾:言い方ですよね。“ダメ出し”って言葉もあまり好きじゃないんだけど、怒っているふうに伝えるのはダメ。“こうしたほうが、うまく転がるよ”という提案型で。
おさむ:今回の相談者・はなさんのお悩みに戻りますが、性格は直らないと思うので、その性格に慣れていくしかないと思います。
小森:“これが自分だ”と思って、生きていくと。
おさむ:そうですね。そこが“自分の良さ”でもありますしね。あともう1つ言うと、そういう性格の人に向いている仕事は絶対にあります。それを活かすことができればいいですね。
松尾:そう思います。
11月8日(金)の放送は、脳科学・AI研究者の黒川伊保子(くろかわ・いほこ)さんをゲスト相談員にお迎えします。どうぞお楽しみに!
<番組概要>
番組名:鈴木おさむと小森隼の相談フライデー
放送日時:毎週金曜12:00~13:00
パーソナリティ:鈴木おさむ、小森隼(GENERATIONS from EXILE TRIBE)
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/soudan/