時間の都合で退席となった生瀬と入れ替わる形で、もうひとりのサプライズ出演者・加古川飛流役の佐久間悠がステージに現れ、キャストトークショーが再開された。

まずそれぞれのキャストに、本作に出演することが決まったときの思いが問われた。奥野は「え? おれ仮面ライダーになれるの? ヤーベエ! みたいな気持ちでしたね(笑)。事務所の方から出演のことを教えてもらった日は、帰り道で静かにガッツポーズをとりました。自然とポロポロ涙も出てきちゃって」と、出演決定の報を聞き、喜びが後からじわじわとやってきたことを明かした。

押田もまた喜びを派手に表すのではなく「もう焦っちゃって、わからなくなっているからまず『ありがとうございます』とだけ言って、外に出て自販機でジュースを買い、1人で泣いた」と、思わずこぼした純粋な喜びの涙について語った。また押田は父親に出演の報告をする際「直接言うのではなく、さりげなく番組の資料を自宅の机に置いて、帰宅した父がそれを見て『……決まったか』と一言。そして僕が『おう、決まったわ』と、ちょっとホームドラマっぽいやりとりがありました」と、父と息子ならではの独特な距離感をもたせた短い会話があったことを打ち明けた。

撮影にあたって奥野は「それまでドラマの撮影を経験したことがないので、何から何まで楽しくて、ここはこうやって撮影するのかとか、毎日"好奇心の塊"のように動いていました。それから生瀬さんに言葉をいただいたりして演技に対する姿勢が変わり、お芝居をすることがどんどん楽しくなっていく毎日でした」と、真っ白な状態から撮影現場でさまざまなことを体験し、経験値を積み上げていく充実した毎日を過ごしたと話して目を輝かせた。

押田は「最初はプレッシャーでした。憧れの仮面ライダーに出させていただくにあたって、責任もありますし、どういう風にゲイツを表現していけばいいか悩みました」と、少年時代に熱中して観ていた仮面ライダーシリーズに、こんどは自分が仮面ライダー役として出演することへのプレッシャーがあったと語った。

大幡は「それまでにない大役をいただいて不安でしたが、役をいただいたからにはがんばろうと思いました」と撮影開始時を回想しつつ「戦うヒロインと最初に聞いていました。自分にはないまっすぐさ、意志の強さを持つツクヨミに少しでも近づけたらいいなと思いながら演じました」と、清らかな中にたくましさを潜ませた強いヒロイン像を打ち出そうとしたことを明かした。

渡邊は「役が決まったときは仙台に住んでいたんですが、あるとき事務所からすごく重いトーンで『来てくれ』と言われ、なんかやったかなと思いながら東京に行ったら『仮面ライダーに決まりました』からの『役は"謎の予言者"です』と知らされました。なにそれ!? と思っていたらいきなり衣装の採寸が始まり……(笑)。そういうドタバタな感じで入ったので、役のことをつかむまでには時間がかかりましたね。まずは"東京に引っ越さないと"とか"古着屋を辞めないと"という不安が大きかった……」と、『ジオウ』出演を機に、それまでの生活が一変した驚きを伝えた。渡邊の言葉を受け、奥野は「『餃子の王将』で鍋を振っていました」、押田は「かりんとう屋さん」と、それぞれ『ジオウ』の出演が決まる前の生活を語って、自身を取り巻く環境の大幅な変化があったことをしみじみとふりかえっていた。

板垣は「仮面ライダーのオーディションを受けて、と言われたとき"僕は仮面ライダーを演じるキャラじゃない"と思っていたんですが、オーディションのときに『今の板垣くんと仕事がしたい』と言っていただき、さらに『敵の役です』と言われ、それなら大丈夫かな、とか思っていました(笑)」と、自分の持ち味を活かせる役柄に納得したことを打ち明けた。

紺野は「オーディションで毎回『悪女がやりたいです』と言っていましたので、今回希望が叶ってうれしかったです」と自身の"悪女願望"を叶えられた喜びを語り、第35、36話の"キバ編"で見せた強烈なワル演技の評判を聞いて笑顔を見せながら「オーラは常に低めのボルテージで怒っていましたが、キバ編ではガンと上がりましたから演じていて楽しかったです」と感想を述べた。

また、紺野と板垣は渡邊演じる「白ウォズ」にオーラとウールがひどい目に遭わされたことに恨みを抱き、「白ウォズ被害者の会です(板垣)」と語って会場の笑いを取った。渡邊は、白ウォズがウールを"踏む"シーンの撮影について「こんなカワイイ子を踏むなんて……、ほんとうに僕の好感度を心配しましたよ」と、演技とはいえ板垣のような美少年を痛めつける行動に抵抗感があったと当時の心情を語った。

兼崎はスウォルツ役に臨む際「最初から敵役だとは聞いていましたが、設定は『体育教師です』とも言われ(笑)、どういうことだろうと悩んでいたら、結局は未来から来た人間だという……。全体的に、我の強い人物というのを意識して演じていました」と、常に他人の意見を求めず、どんなことにも動じない悪役に努めたと語った。

佐久間は「出演が決まったときは『ジオウ』がすでに放送されていて、面白いなあと思って観ていた時期でした。最初は『ジオウが終わって、次の番組に出るのかな?』と勘違いしましたが、ジオウの敵としての出演だったと知らされました。僕も子ども時代に『仮面ライダーW』が大好きで『お前の罪を数えろ!』とライダーのマネをしていました。でも今回は僕(飛流)が数えるほうになりましたね(笑)」と、ソウゴと対極をなすライバルキャラ役に挑んだ経緯を話した。