第2部『仮面ライダージオウ 番組キャストトークショー』では、仮面ライダージオウ/常磐ソウゴ役の奥野壮、仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ役の押田岳、仮面ライダーツクヨミ/ツクヨミ役の大幡しえり、仮面ライダーウォズ/ウォズ役の渡邊圭祐、タイムジャッカーのウール役・板垣李光人、オーラ役の紺野彩夏、スウォルツ役の兼崎健太郎といった『ジオウ』レギュラーキャストがステージに結集。そしてサプライズとして、時計店「クジゴジ堂」を営む常磐順一郎役・生瀬勝久と、アナザージオウ/加古川飛流役の佐久間悠が登場した。

『ジオウ』の撮影に明け暮れたこの1年をふりかえって、奥野は「すべてが楽しかった。撮影での出来事ひとつひとつがぜんぶ貴重な体験」と感慨深げに語り、押田は「今までになかったような仲間ができたし、これから俳優になっていく上での勉強もさせていただいた」と、こちらもしみじみとコメントした。

特に楽しいシーンは?というMCの問いに対して、奥野は「やっぱりクジゴジ堂でのみんなとのやりとりが一番楽しみでした。生瀬さんはセリフを自然に振ってきて、僕たちが演技をしやすい状況を作ってくださった」と、大先輩の俳優・生瀬との芝居で大いに勉強させられ、同時に楽しんで演技ができたと話した。

このタイミングで生瀬がステージにサプライズ登場し、客席からは大きな拍手と歓声が起きた。当日(10月13日)が誕生日だという生瀬は「今日はみなさんに祝っていただきたいと思って来ました!」とニッコリ笑顔で話しかけ、会場の盛り上がり具合に「凄いですね! 来てよかった」と満足そうな顔をのぞかせた。

ベテラン俳優として映画、テレビ、舞台で活躍を続けている生瀬は、新人の多い『仮面ライダー』の現場で「どうやって自分の"背中"を見せればいいか」を意識していたという。生瀬は「最初のころ、みんなを連れて焼肉を食べに行き、まず"餌付け"をしてね(笑)。とにかく俺の話を聞きなさいよと。そこで"役者とはこうあるべきだ"みたいな、いいことをしゃべったんです」と、若いキャストにひとつの指針を示す役割を担ったことを明かしていた。その上で「しえりやソウゴ(奥野)は目をキラキラさせて聞いてくれてたけど、押田くんはちょっとトンガってたかもしれないよね。でもそれは役者としての個性だからいいんですよ。後になって"生瀬の言ってたことは正しかった!"とわかるんだけどね」と秘話を打ち明けて押田をあわてさせた。

奥野の生瀬に対する第一印象は「厳しそうな人」だった。奥野は「スタッフさんから、生瀬さんは新人俳優に厳しいと聞いていたのですが、撮影に入ったら厳しいどころか、とても優しくアドバイスしていただきました」と、常に自分たち(奥野、押田、大幡)が芝居をしやすいような空気を作ってくれたことに感謝の気持ちを表した。大幡もまた「最初は"怖い"印象がありましたけど、難しい芝居のときにセリフの練習を手伝ってくださったり、とても優しい方だと思いました。ほんとうにありがとうございました」と、生瀬の包容力と経験値に助けられたことが多々あったと語った。

渡邊は、ソウゴ、ゲイツ、ツクヨミ、順一郎の「クジゴジ堂」チームにウォズが後から加わったことについて「すでに4人で出来上がった空気の中に、よくわからない男(ウォズ)が入ることになるので、最初はビクついていました。でも、クジゴジ堂の中のウォズは意外と"くだける"部分が多くて、本番中に生瀬さんとアイコンタクトしてハケるとか、お芝居がとても楽しかったです」と、主に食事シーンでのウォズと順一郎との平和なやりとりを楽しみながら演じることができたと笑顔で語った。

押田は「子どものころに生瀬さんが教頭先生の役で出演していた学園ドラマ(ごくせん)を観ていたので、生瀬さんと共演すると知ったときに"(自分も)生徒になる"という思いでうれしかった」と共演の喜びを語り「食事会のとき『君は型を作りすぎだから、もっと崩して枠をはみだして、自分のやりたいことをやりなさい』と言われたのをずっと覚えていて、残りの話数でなんとかできるようにしたいと考えていました」と、生瀬のアドバイスを意識しながら演技をこなしていたことを明かした。押田の言葉を受けて生瀬は「とにかく続けていくことが大事。自分で何かを思い続け、変えていこうという気持ちを絶やさずにいれば、周りが評価してくれる」と地道に努力することの大切さを説き、改めて押田を感激させていた。

タイムジャッカー3人と順一郎の"絡み"はほとんどなく、オーラがクジゴジ堂に2回ほど現れただけだという。過去に生瀬との共演経験があり、オーディションの際「好きな俳優」に生瀬の名前を挙げたという兼崎は「生瀬さんと共演できる! と楽しみで、1年間待っていたんですけど、『ジオウ』でお会いしたのは今日が初めて」だと語り、初共演以来10年ぶりの再会がこの場で実現したことを喜びつつ、撮影のときに一度も会えなかったことを残念がっていた。

共演者との最初の出会いについて生瀬は「何度も稽古をする舞台と違って、テレビの撮影はカメラが回るといきなり芝居をしないといけない。若いみなさんは戸惑うだろうから、事前に芝居を"用意"してくるんだけど、僕が『用意しなくていいんだよ。その場の気持ちでやればいいんだよ』と伝えたら、みんなどんどん変わってくれた。1年間の撮影で、変化・成長が如実にわかっていったのがうれしかった。ほんとうに、親戚の叔父さんのような気持ちで見守っていました」と、若いキャスト陣の成長を実感するかのようにしみじみ語った。

常磐順一郎に声をかけるとしたら?というMCの問いについて生瀬は「今まで僕のことを知らなかった人からも『順一郎さんですよね』と声をかけてもらえるようになりました。仮面ライダーのファンの方たちは非常にコアで、ものすごく応援をしてくれる。常磐順一郎を精一杯演じたおかげで、たくさんの人から知られるようになった。ありがとうと言いたいです」と語り、順一郎という役と仮面ライダーを愛するファンの思いに応え、感謝の気持ちを述べた。