女優の風吹ジュン(67)が、BS日テレで放送されるドキュメンタリー番組『天空の剱 ―風吹ジュン 北アルプス屈指の岩峰へ―』(KNB北日本放送制作、11月3日15:00~15:55)で、北アルプスにある剱岳(標高2,999m)の登山に挑んだ。

  • 剱岳山頂の風吹ジュン=北日本放送提供

剱岳は、北アルプス最難関とも言われる岩峰で、多くのトップクライマーを惹きつけると同時に、多くの登山者の命を奪う難攻不落の魔の山でもある。この危険な登山に挑む風吹は「これからの70代の人生をよりゆたかなものにするために、今の自分に試練を課す」と話す。

剱岳のふもとである富山は、風吹が生まれ育った地。しかし、両親の離婚などで少女のときにふるさとを去ることになり、長らく過去にフタをして富山を封印してきた。富山のシンボルであるアルプスへの挑戦は、ふるさとをとり戻す試みであり、山好きだった疎遠の父との心の対話なのかもしれない。

この登山に向け、剱岳を知り尽くす国際アルピニスト・多賀谷治氏の指導を受け、1年間訓練を積み重ねた風吹。行程は室堂からベースキャンプの剱沢を経て、1泊後に頂上へのアタックだ。

最大の難関は、頂上直下のカニのタテバイ。垂直と感じる断崖を20m近くカニのように這って登っていくが、一旦足を踏みはずせば、下は奈落の底となっている。

今回の挑戦について、風吹は「無意識で登りましたが、どこまで登れるのかプレッシャーでした。父への思い、家族への思い、それから友人、故郷への思い…また、小さい時の経験や記憶がチカラになりました。剱岳に挑戦したことで、いろいろな気付きがあって新たな扉を開けられたという気がします。今まで曖昧だった故郷が、富山だとはっきり発見できて、また、富山に行きたいという気持ちをすごく強く感じるようになりました」とコメント。

制作統括の河原哲志氏は「KNBテレビ開局60周年の記念番組であり、風吹ジュンさんの剱岳挑戦に恥じない挑戦をKNBもしよう。それを鮮明に記録しよう。その思いから4K撮影にトライしました」と説明している。

  • カニのタテバイ

  • カニのタテバイを登る風吹

  • 剱岳と撮影スタッフ