1000万円貯蓄に成功した人ややりくりブログ、インスタなどのSNS、主婦を対象とした生活情報誌で、近ごろ注目されているのが「無買デー」。数年前にこの言葉が誕生して、節約上手さんの間で話題になりましたが、今、再び脚光を浴びるように。再注目された理由はいかに?

そもそも「無買デー」って、何?

「無買デー」(むばいデーと読みます)とは、読んで字のごとし、何も買わない日のことです。貯め下手さんにありがちなのが、大きなお金は使わないけど、1000円未満や500円未満のお金をなんとな~く使うこと。まるでしまりの悪い水道の栓のように、ちょこちょこ使います。

大きな金額を出費したときは、「お金を使った」という自覚がありますが、なんとなくちょこちょこ使うような使い方だと、お金を使った自覚が希薄になりがちです。そこで「いつの間にかお金がなくなる」「ムダ使いした覚えはない」ということに。水漏れが水道代のムダ使いなのと同じように、無自覚なちょろちょろ使いもムダ使いです。このちょろちょろ使いをシャットアウトする方法が、「無買デー」なのです。つまり、丸1日、1円もお金を使わない、財布から1円もお金を出さない日ということです。

外出する日でも「無買デー」にできる

お金を使う機会の大半は、何かを買ったり、飲んだり、食べたり、移動のための交通費を払ったり……と家の外で起こります。ということは、その日を「無売デー」にする手っ取り早い方法が、家から一歩も出ないこと。水道光熱費は多少かかりますが、買い物をしたり外食したりするよりは、はるかに安くすみますし、財布からお金を出すことはありません。

とは言うものの、会社員の場合には出勤しなくてはなりません。そういう場合でも、「無買デー」は可能です。家で朝食を済ませてから出勤して、コンビニやカフェの立ち寄りを回避。昼食はお弁当持参。飲み物はマイ水筒に入れたお茶かコーヒーに。仕事が終わったら直帰して、冷蔵庫にある物で自炊すれば、丸1日、1円も使わずに過ごすことは可能です。

冷蔵庫が空っぽ、あと1日踏ん張るコツ

まとめ買いをすると節約効果があるように、買い物回数を減らすほど食費が節約できます。冷蔵庫を開けて、「ほとんど空だし、買い物に行こうかな~」と思ったときに、今あるものでなんとかしてみましょう。

冷凍室に残っている肉と野菜室にある半端に残った野菜を集めて肉野菜炒めを作るのが王道でしょう。卵を使ってかきたま汁をつければ「一汁一菜」が完成します。高野豆腐、春雨、乾燥ひじきなどの乾物類も、この際、総動員! 高野豆腐とひじきは煮て、春雨は春雨サラダにしましょう。

「冷蔵庫に何もない」と思ったその日1日、買い物に行かずに乗り切ることで、冷蔵庫の在庫一掃ができると同時に、買い物に行かないことで「無買デー」にすることができます。

「無買デー」は節約マインドにも効果あり

無買デーについてご紹介してきましたが、なにも毎日、サバイバルゲームのような日にすることはありません。最初のうちは1週間に1日程度のペースで十分。

毎日、なんらかの出費があるのが当たり前になっているのが、1日に1回も財布を開かず、1円も使わない日を体験するのは新鮮な感覚があるものです。「お金を使わない日をつくるなんて、絶対に無理」と思っていても、やってみるとゲーム感覚で意外と楽しめたりするもの。しまりの悪い水道の栓をしっかりしめることで、自分のお金の使い方の見直しにもなります。

少し慣れてきたら、週1回ペースの「無買デー」を2日、3日とふやすことで、貯蓄にまわせるお金が増えます。「無買デー」に成功した日には、カレンダーやスケジュール帳にシールを貼るのもオススメ。見える化することでモチベーションアップにもつながります。

ムダなお金を使わないことと、貯まる楽しさをダブルで体験できる「無買デー」にぜひ1度トライしてみてください。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。