日本ハムのドラフト指名選手

◆ 各球団のドラフト指名選手を解説!

 10月17日(木)、今年のプロ野球・ドラフト会議が開催され、育成を含めると107名のアマチュア選手がプロ入りの切符を掴んだ。

 ベースボールキングでは、ドラフト会議翌日の18日にYouTubeチャンネルにて「ドラフト会議2019振り返り!」を生配信。アマチュア野球を中心に様々な媒体に寄稿するスポーツライターで、ドラフト会議の当日はCS放送のスポーツチャンネル『スカイA』で生中継の解説も担当した西尾典文さんにご出演いただき、各球団の今年の指名を振り返っていただいた。


◆ 日本ハム・指名選手

1位:河野竜生(かわの・りゅうせい)
投手/21歳 左投左打 JFE西日本
[球団コメント]
社会人NO.1左腕で、即戦力として1年目から期待が大きい。140キロ台後半の速球を軸に、変化球も精度が高く、緩急を生かした投球スタイルで完成度の高さはトップクラス。高校1年時から名門のマウンドを任されるなど第一線を走り続けており、経験値を生かして一軍で通用する逸材だ。21歳という若さも魅力で、さらなる進化も見込める。

2位:立野和明(たての・かずあき)
投手/21歳 右投右打 東海理化
[球団コメント]
手足が長くダイナミックなフォームの本格派で、スピンの効いた速球で抑え込む。昨年の日本選手権で150キロをマークし、延長12回を投げきって注目を集めた。低めへの制球力にも秀で、落差のあるスプリットも武器。変化球の種類も豊富で、打者に的を絞らせない投球が光る。期待十分の即戦力右腕。

3位:上野響平(うえの・きょうへい)
内野手/18歳 右投右打 京都国際高
[球団コメント]
小柄ではあるが、将来性あふれる遊撃手として高く評価。守備力は高校生ではトップクラスで、洗練されたグラブさばき、フットワークなど一連の動作は、見るものを魅了する。リードオフマンを務めるなど打者としても成長途上にある。主将を託されたリーダーシップ、意識も高く、次代を引っ張る内野手の主力候補として期待している。

4位:鈴木健矢(すずき・けんや)
投手/21歳 右投左打 JX-ENEOS
[球団コメント]
変則的な右サイドスローからキレのある球を投げ込む。木更津総合高に入学後、上手投げからサイドハンドに転向すると素質が開花。3年春の甲子園にも出場した。2017年には10代で侍ジャパン社会人代表に選出されるなど成長著しい。スライダーを内外角に投げ分ける制球力に加え、空振りを奪えるチェンジアップも武器。

5位:望月大希(もちづき・だいき)
投手/21歳 右投右打 創価大
[球団コメント]
187センチの長身から繰り出す速球が魅力の本格派右腕。最速は146キロながら、真上から投げ下ろすフォームで球筋に角度があり、打者にとって打ちづらさを感じるピッチャーだ。スライダー、チェンジアップなど変化球もキレがある。高いポテンシャルを持ち、プロでさらに化ける可能性を秘める。

6位:梅林優貴(うめばやし・ゆうき)
捕手/21歳 右投右打 広島文化学園大
[球団コメント]
秋季リーグ戦でサイクルヒットを放つなどキャプテンとしてチームをけん引する強肩捕手。2年時に正捕手の座を射止めると、春のリーグ戦でMVPに輝いた。その後もベストナインを受賞するなど2部リーグながら着実に実績を積み上げてきた。これまで注目度は高くなかったが、プロで力を発揮する資質にあふれる。

7位:片岡奨人(かたおか・しょうと)
外野手/21歳 右投左打 東日本国際大
[球団コメント]
今春まで主将を務め、南東北大学リーグ4季連続優勝を達成。打率4割超えの活躍で初のMVPにも輝いた。巧みなバットコントロールで広角に打ち分ける左打者。強い肩と脚力も兼ね備え、安定した守備も光る。札幌日大高時代は全道大会4強が最高成績だったが、着実に力をつけた。アグレッシブで強気な性格もプロ向きだ。


育成1位:宮田輝星(みやた・ほくと)
外野手/21歳 右投両打 福岡大
[球団コメント]
50メートル5秒台の俊足が売りの両打ちの外野手。右打席ではコンパクトなスイングを見せ、左打席では内野安打も狙えるなど、脚力を生かしたスイッチヒッターとして存在感を発揮。強肩が武器の守備も安定感がある。自らの存在価値を高めた「足」を生かした活躍に期待がかかる。

育成2位:樋口龍之介(ひぐち・りゅうのすけ)
内野手/25歳 右投右打 BCリーグ・新潟
[球団コメント]
横浜高では柳裕也投手(中日)と同世代の内野手。1つ上の世代となる近藤健介選手を目標にバッティングに磨きをかけてきた。今季のリーグ戦では打率、打点、本塁打いずれもトップクラスの好成績を残した。力強いフルスイングとガッツあふれるプレーが魅力のスラッガー。

育成3位:長谷川凌汰(はせがわ・りょうた)
投手/23歳 右投左打 BCリーグ・新潟
[球団コメント]
最速153キロを誇るBCリーグNO.1右腕。大型の本格派でスライダー、フォーク、カーブでのコンビネーションを生かしたスタイルで、先発と中継ぎの両面での適性を併せ持つ。昨年指名漏れした悔しさをバネに、今年さらに総合力を上積み。同リーグで11勝を挙げ、北海道日本ハムファイターズOBの清水章夫監督とのプロ入りの約束を果たした。


◆ 「すぐに使える投手を」

 日本ハムは今年も“No.1”路線を貫き、大船渡高・佐々木朗希の1位指名をいち早く公言。しかし、その想いは届かず、再入札もオリックスとの競合になったが、社会人球界で評価の高い左腕・河野を獲得することに成功した。

 西尾さんも「球団名を隠されていたら、日本ハムとは思わないですよね」と言うように、近年稀に見る社会人中心の指名に。「河野投手はすぐに使える左腕として期待されているみたいですが、2位の立野投手はどちらかと言えばこれから、将来性のイメージ」と、同い年の社会人卒1位・2位も、意味合いは少し違うのではないかと解説する。

 高校生野手を挟んでさらに2名続く投手については、「鈴木投手は右のサイドハンドからクセ球を投げ込んでいくタイプで、望月投手は長身で独特の角度を持っているタイプ。この2人は短いイニングなら早くから出てくる可能性もありそうです」と説明。また、育成3位での指名となった長谷川についても、「体も大きいですし、能力は育成レベルではない。長い目でと言うより、早いうちに支配下、すぐに一軍デビューを目指していく形になるのかなと」。

 今年はショートスターターを採用するなど、全体的に投手陣のやりくりに苦心したチーム事情もあって、「なるべく投手、それもすぐに使える投手が欲しかった、という部分が例年と違うという印象に繋がっていると思います」と分析。この中から何人の投手が一軍の投手陣に加わってくるのか、来季の逆襲のカギを握りそうだ。


◆ 大化け期待の野手たち

 その中で、野手最上位で指名したのが3位の京都国際高・上野。どちらかと言えば“知る人ぞ知る”という存在ではあったものの、「ドラフトが近づくにつれて評価がどんどん上がりましたよね」というように、甲子園にも、その後のU-18・W杯にも出場していない高校生の内野手としてはかなりの高評価。

 西尾さんも「小柄ではありますが、とにかく守備がうまい選手。若い選手の台頭が多いチームの中でどういった成長を見せるのか楽しみ」とその素質の高さには太鼓判を押す。

 一方で、「7位の片岡選手は大型で運動能力が高いタイプの外野手、育成1位の宮田選手はとにかく足の速い選手。それぞれに特徴はあるんですが、打撃はプロではどうなのかなという印象を持っていました。上野選手も守備の評価が高い選手で、打撃に特化した野手の指名がなかったという点は気になります」という指摘も。「ポテンシャルを秘めた選手たちをどれだけ鍛え上げるか、育成力の高さに定評があるチームだけに、腕の見せ所なのかなと思います」と、来年すぐにと言うよりも、数年後への期待を語った。