歌手で女優の中山美穂が、フジテレビ『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)で、20日に放送される日中共同制作作品『ここがわたしの居場所~海を渡った熱血教師と教え子の涙~』において、ドキュメンタリー番組のナレーションに初挑戦した。

マイナビニュースでは、その収録の様子に密着。終了後にインタビューも行い、心境を聞いてみた――。

  • 『ザ・ノンフィクション』でナレーションに挑んだ中山美穂

    『ザ・ノンフィクション』でナレーションに挑んだ中山美穂 (C)フジテレビ

■息をしているのを忘れがち(笑)

『ザ・ノンフィクション』を「わりと好きで見てますね」という中山は、スタッフとの打ち合わせで、「変更はないですか?」「ここのイントネーションが分からないんですけど…」と次々に質問し、相当読み込んできた様子。

「家で3回くらい声に出して読んできました」と準備してきたそうだが、イントネーションについては「何回言ってみても、『これはどうやって言ったらいいんだろうと思うところがあって。あと普段から『どこ出身?』って聞かれるくらい、時々訛(なま)るらしいんですよ(笑)。自覚がないので、気をつけて読まなければと思ったので」と不安を抱えていたそうだ。

ブースに入ると、大きく深呼吸を2回。これは、レコーディングでも行う“儀式”のようなものだそうで、「息をしているのを忘れがちなので(笑)、吐かないと吸えないと思って『ハ~ッ』ってあえて意識してやっているんです」という。

しかし、コンサートなどで何度もたくさんの人を前にしてパフォーマンスしてきた、あの中山美穂でも、このナレーション収録の緊張感はかなりのものだったようで、読み始めはなんと声が震えていたのだ。本人も「めっちゃ緊張しましたよ、本当に震えてましたもん(笑)」と振り返る。

それでも、収録を重ねていくうちに、「歌のときのレコーディングに近い感じで、乗ってきちゃうんですよ!」と調子をつかんできた中山。「“さしすせそ”が苦手なんですよ。だから、さ行が続くと『あぁきた~』と思って(笑)」と心の中で格闘する場面もありながら、約2時間にわたるナレーション収録を、途中に休憩を1回はさんだだけで、ぶっ通しで行う集中ぶりを見せた。特に、後半は尻上がりに調子を上げていき、スタッフたちも驚いていた。

■自分を変えていけるきっかけに共感

今回の『ザ・ノンフィクション』は、中国で日本語教師として活躍する中村紀子さん(49)が主人公。幼い頃からの夢だった教師になれず、大きな挫折を味わったが、同僚の塾講師の自殺をきっかけにあらためて教師の道を志して単身中国に渡り、今や約5,000人を相手にインターネットを使ったライブ授業を行う人気ぶりだ。

この内容については、「きっかけってすごく大きいですよね。中村先生は悲しいきっかけでしたけど、今はたくさんの生徒たちに支えられてすごく幸せそう。チャンスと言ったらいけないんだろうけど、自分を変えていけるきっかけというのは、やっぱりあるんだなと思いました」と共感したそう。

番組では、中村さんを支える中国人スタッフの奮闘にも密着しており、「とにかくみんなが頑張ってるのがすごく伝わってきました。ぜひ見てください!」とアピールした。

アジア地域でも高い知名度を誇る中山だけに、映像で多くの中国の人たちが日本語を学ぶ姿に「日本語って美しい言葉ですし、興味を持ってくれるのはすごくうれしいですね」と笑顔。日本語を覚えてくれるアジアの人たちが増えると「もっと交流もできるし、いいですね」と期待を示すが、「でも、こっちも(中国語を)覚えなきゃいけないですね(笑)。種類もいろいろあるから難しいなあ」と悩ましい。

なお中山は、年4回ペースで放送予定のこの日中共同制作シリーズで、今後もナレーションを担当。次回は12月の放送を予定しており、「これから番組を見ていたらナレーションが気になってくるかもしれないですね(笑)」と話している。