2019年10月15日~18日にかけて幕張メッセにて開催されているCPS/IoTの総合展「CEATEC 2019」において、6年ぶりの出展となったソニーは、「Sony’s Technologies x Medical/Life Science(ソニーのテクノロジー × メディカル/ライフサイエンス)」をテーマに、自社が展開する医療の現場や研究分野に向けたソリューションの紹介を行っている。

ソニーは、この10年ほどで、メディカル/ライフサイエンス分野への進出を図ってきた。その成果としては、例えば、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズとオリンパスが共同で医療事業の合弁会社ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(ソメド)を設立、4K 3Dビデオ技術を搭載した手術用顕微鏡システムを医療の現場に向けて提供したり、研究室に向けては非侵襲で細胞の動きをモニタリング可能な「ライブセルイメージング」といった細胞分析装置の提供を行ってきた。

今回は、そうした取り組みを一堂に介して、広く知ってもらうことを目的とした展示となっている。中でも注目を集めていたのが、2019年6月に発表した細胞分析装置(フローサイトメーター)として44色以上の多色細胞解析を簡単な操作で実現できるスペクトル型セルアナライザの最上位機種「ID7000」。独自のスペクトル解析技術を活用することで、最大7つのレーザー(320nm/355nm/405nm/488nm/561nm/637nm/808nm。標準は488nm/405nm/637nm)とレーザー照射により発する光を検出する検出器を188チャネル搭載。これにより、1秒間に4万個の細胞の特性を把握することが可能となったほか、320nmのレーザーにより、細胞自体が自然に発光する微弱な蛍光情報(自家蛍光)の検出なども可能という特長を有している。

  • ソニー

    ソニーのスペクトル型セルアナライザの最上位機種「ID7000」。非常にコンパクトなのに高性能かと思ったが、展示されているものは2/3モデルのモックであるとのこと

ただし、今回展示されていたのは2/3サイズのモック。というのも、同製品は発売を2020年夏ころとしていることもあるが、実機は重量にして200kgを超えるため、簡単に展示する、というわけにはいかないという理由があったとのこと。その代わりに、ARを活用して、スマートフォンをかざすと内部の動作イメージを見ることができるようになっており、それを使って、実際にどのように処理が行われるのか、といったことを知ることができるようになっていた。

  • ソニー

    ARを使って内部の動作イメージを見ることができる

また、このほか、ライブセルイメージングシステム「SI8000シリーズ」やセルソーター「SH800S」も展示されており、こちらは実機での紹介となっている。

SI8000シリーズは、独自開発の「細胞の動き解析アルゴリズム」によりラベルフリーで高速動画像から細胞の動きの定量化を可能にしたほか、動画像解析技術「Motion Vector Prediction法(MVP法)」を採用することで、非染色・非侵襲で、培養細胞の環境を維持したまま細胞評価を行うことを可能にした分析機器となっている。

  • ソニー
  • ソニー
  • SI8000シリーズ。面白い形状をしているが、実際の製品として販売されている。実機稼動はしていなかったが、デモ映像としてiPS細胞から作られた心筋細胞のモニタリングの様子が流されていた

一方のSH800Sは、独自開発のディスポーザブル式ソーティングチップの採用により、光軸調整/液滴形成/サイドストリーム調整/ディレイタイムの決定などのセットアップ項目を自動化することで、研究者の手間を省くことを可能にしたことが特長のセルソーター。最大4レーザーを搭載し、前方散乱光、後方散乱光と最大6色の蛍光同時検出が可能ながら、ベンチトップにおけるサイズを実現している。

  • ソニー

    SH800Sの実機。ベンチトップにおけるサイズながら、高性能を実現している

なお、ソニーでは、今回のCEATEC 2019への出展を通じて、医療現場や先進医療の研究分野に向けた自社の取り組みを紹介することはもちろん、さまざまな産業分野の企業が出展、来場するようになったことを受けて、未来のパートナーなどの探索にもつなげていきたいとしている。