キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は10月15日、信託銀行と代理店との連携基盤で業務を効率化する信託商品販売管理システムをみずほ信託銀行と共同開発したと発表した。キヤノンMJではノウハウと技術を活用することで、金融機関と代理店との情報共有基盤の開発案件を獲得し、金融機関向けソリューション事業を強化していく。

金融機関では、代理店との申請・承認手続きや顧客への契約内容照会に時間と労力がかかっており、金融機関と代理店間および金融機関と顧客間の双方で情報共有できるシステム連携インフラの構築が求められている。

一方で、オンプレミス型システムを導入するとシステム構築後に代理店や金融商品を拡大、増強するたびにシステム改修費用が発生するなど、運用面・コスト面の負担が大きい点が課題になっているという。

キヤノンMJは2018年にみずほ信託銀行向けに信託銀行と代理店間で信託商品の商談状況や販売情報を共有できるクラウド型の信託商品販売管理システムを共同開発し、FISC(金融情報システムセンターの略)ガイドラインやM&O認証(米国の専門機関「Uptime Institute」が定めた、データセンターの運営能力を評価する国際的な認証制度)など国際基準に準拠する西東京データセンターに同システムのクラウド基盤を構築。

同システムにより、信託銀行では個人の資産を運用・管理する信託ビジネスの取り扱い代理店の拡大や信託商品のラインアップ拡充を図ることができ、地域金融機関と連携し、受付フローのスピードアップや各種照会対応の見える化を実現するとしている。

今回の事例のノウハウや技術を活用し、銀行や信託銀行、地方銀行、信用金庫に加え、保険や証券会社などの金融機関を対象に金融商品販売管理システムの開発・構築を展開する。

金融商品販売管理システムは、金融商品の申込・申請・承認のほか、契約情報の登録・照会など一連の商談状況・販売情報を、金融商品販売元と代理店の間で情報共有することができることに加え、問い合わせの負荷や手戻りの軽減、煩雑な申請手続きを効率化し、契約までの時間を短縮できるため、顧客満足度の向上を実現するという。

  • 金融商品販売管理システムのイメージ

    金融商品販売管理システムのイメージ

同社では、金融商品の販売プロセスを横断的に管理し業務効率化とコンプライアンスの強化の両立を実現する投資商品販売支援システムおよび、金融商品販売管理システムの開発案件の獲得を推進し、金融機関向け業種別ソリューションを強化していく考えだ。