2019年9月中旬に開催された「Actifio Data Driven 2019東京」。Actifio(アクティフィオ)が導く、さまざまなデータ活用の事例が紹介された。今回、キーノートスピーチに登壇するために来日した米Actifio 上級副社長兼共同創業者 ソリューション開発のデビッド チャン氏にインタビューの機会を得たので、同社のデータ仮想化技術が導くデータ・ドリブンの未来について語っていただいた。

  • 米Actifio 上級副社長兼共同創業者 ソリューション開発のデビッド チャン氏

    米Actifio 上級副社長兼共同創業者 ソリューション開発のデビッド チャン氏

日本は重要な市場

--今回の「Actifio Data Driven 2019東京」をご覧になった、率直な感想をお聞かせください。

チャン氏:セッションの内容は、どれも非常に興味深いものばかりでした。ただ、それ以上に私が感じたのは、登壇したパートナーさまやお客さまの、アクティフィオに寄せる期待と情熱です。

アクティフィオが便利で、おもしろいものだということを、お客さま自身が情熱的に語っている。その様子を見ていると、胸がいっぱいになります。

私は、一週間ほど日本に滞在しているのですが、その間、毎日5~6社のパートナーさんと打ち合わせをしました。そこでも、皆さんの熱気を肌で感じました。

パートナーの方々がアクティフィオにかける予算は、この2~3年で数倍にもなっています。エンジニアの方も百人単位で動員してくれています。私たちが日本でビジネスを開始したのは7年前なのですが、その当時を比べると隔世の感がありますね。

--アクティフィオにとって、日本の市場はどのような存在となっていますか?

チャン氏:非常に重要な市場だと感じています。現在では、日本の大手企業での導入が進み、数多くの成功事例が生まれています。

また、大手Sierの方々もデータ管理のデファクトスタンダードとして、アクティフィオを推奨していただいています。アクティフィオには、全世界に拠点があります。私は、アクティフィオジャパンのメンバーは世界の中でもベストなチームだと確信しています。

そして日本にはアクティフィオに対して、情熱的で一緒にやろうと言ってくれるパートナーの方々がたくさんいます。ですから、私たちにとって日本は、とても大切な市場なのです。

日本はデータ・ドリブンをリードする立場

--今回のキーノートスピーチの中で「データ・ドリブンジャーニー(データ指向型企業への旅)」という言葉を使っていらっしゃいました。現状、日本におけるデータ・ドリブンジャーニーの進行状況は、海外と比べてどの程度とお考えでしょうか?

チャン氏:これは、あくまでも私個人の感想なのですが、パブリッククラウドの観点からみると、米国は実験的に採用するという考え方が進んでいるので、他よりも進行のペースは早いように感じています。

ただ、バックアップやリカバリ、セキュリティ、テストデータ管理のような、多くの機能を統合して扱うという方法については、日本の方が進んでいるようです。日本は、新しいテクノロジーを採用して、ランドスケープにあわせて柔軟に変更していくというマインドを持っている方が多いです。そのような意味では、世界をリードする立場だと言えるかもしれません。

データの増大は全世界で起きています。さまざまなビジネスがソフトウェア化しているのも、その要因の1つでしょう。これからの企業は、膨大な量へと増え続けるデータを、クリティカルに活用していかなければなりません。それは、万国共通の課題です。

--今後、新たにアクティフィオの利用が広がると思われる分野としては何がありますか?

チャン氏:今後、特に注目しているのはマイグレーションの分野です。古いデータセンター(DC)から新しいDCへ、DCからクラウドへ、そしてクラウドからクラウドへの移行など、マイグレーションの需要は高まることが予想されます。

そして、マイグレーションを成功させるには何度となくテストを行わなければなりません。テスト環境の構築は、アクティフィオのソリューションが得意とするところです。

--アクティフィオの未来について、どのようにお考えでしょうか?

チャン氏:マルチクラウドの世界では、アクティフィオは今以上にいろいろなことができるようになると思っています。アクティフィオが持つ独自のコンテナ技術は、クラウドの分野で大きな力を発揮します。

しかし、機能を増やせばいいというものではないとも思っています。あまり多くの機能を一度に詰め込んでしまうと、ユーザーの方々も戸惑ってしまい、かえって使いづらくなってしまいます。まずは実現できることを着実に実現していただく。そのために必要な機能を厳選して提供していきたいですね。

--最後に、日本のユーザーに向けて一言メッセージをお願いします。

チャン氏:アクティフィオは、日本の大手企業と大変深いパートナー関係を築いてきました。ここ3~5年の間は、日本のお客様からの要望で追加した機能がいくつもあります。私たちは、私たちが持つ技術に自信を持っています。

すばらしいパートナー企業の方々とともに、お客様の「こんなことをしてみたい」というご希望を叶えていきたい。是非、多くの方々とデータ・ドリブンジャーニーの先へと歩んでいきたいと考えています。

  • 米Actifio 上級副社長兼共同創業者 ソリューション開発のデビッド チャン氏