近未来を舞台にしたSFアクションアニメ映画として注目を集めている『BLACKFOX』と連動する形で、実写映画『BLACKFOX: Age of the Ninja』がWEB配信という形で発表された。10月5日より各動画配信サービスで配信がスタートしている。

実写版の演出を手がけるのは、「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」という特撮人気シリーズに参加し、数々の傑作を生みだした特撮界のキーマンと呼ばれる坂本浩一監督。今回は、坂本監督にとって初の「時代劇」作品となる。東映京都撮影所のベテランスタッフたちが生み出す伝統的な映像美と、数々の特撮アクション作品で鍛えた坂本監督の柔軟な発想力が合致したとき、かつてない「特撮アクション時代劇」が誕生した。

  • 坂本浩一(さかもと・こういち)。1970年生まれ、東京都出身。スタントマンを経てアメリカに渡り『POWER RANGERS』シリーズの監督・プロデューサーとして活躍。2009年公開映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の監督を務めて特撮ファンから熱烈な支持を得る。その後も『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)『ウルトラマンギンガS』(2014年)『ウルトラマンジード』(2017年)といったテレビドラマ、『白魔女学園』(2013年)『KIRI-「職業・殺し屋。」外伝-』(2015年)をはじめとする劇場映画など、多彩な作品で手腕をふるっている。撮影:宮川朋久

ここでは『BLACKFOX: Age of the Ninja』の配信開始を記念して、坂本監督に単独インタビューを行い、監督の時代劇にかける熱い思いや、『BLACKFOX: Age of the Ninja』の撮影秘話、そして主演を務める山本千尋の魅力について語ってもらった。

――坂本監督にとって、本格的な「時代劇」作品は今回の『BLACKFOX Age of the Ninja』が初めてになりますね。

僕も子どものころ時代劇が大好きで、テレビや映画でたくさん観て育ちましたから、以前からすごく撮りたかったジャンルでした。ですから今回の『BLACKFOX: Age of the Ninja』では、自分が以前から"こんなことをやりたい"と思っていたものを全部ぶつけた感じです(笑)。撮影中はとても楽しかったですし、完成した作品も満足がいくものに仕上がったと思います。先日、キャストのみなさんに試写を観てもらったのですが、とても反応がよくて嬉しかったですね。

――そもそも、こちらの企画はどのようにして立ち上げられたのでしょうか。

もともと『BLACKFOX』はアニメ映画の企画があり、今回の実写版はそのスピンオフ作品として企画されました。アニメ映画の上映と連動して、実写で短編映画を撮れないか、という意見が製作委員会から持ち上がって、時代劇専門チャンネルさんが加わったかたちです。最初は30分くらいの短編作品にしようか、という話が進んでいて、主演候補に山本千尋ちゃんの名前が挙がった段階で、監督を僕に……というオファーをいただきました。

――本作の監督を依頼されたときの監督のお気持ちはいかがでしたか?

千尋ちゃん主演でアクション映画を撮るというのと、時代劇作品だということで、ぜひやりたい! と即OKしました(笑)。

――『BLACKFOX:Age of the Ninja』のストーリーはどのようにして作られていったのでしょう。

アニメ版の脚本を書かれているハヤシナオキさんに実写版も書いていただけたら、アニメと世界観が共有できますし、スピンオフ企画としてうまく連動するんじゃないかということで、最初に実写版用の短いプロットを出していただきました。そこに僕のほうからアイデアを出して、全体のストーリーを固めていきました。