「スーツとか全然着ないですねぇ。仕事? もちろん私服っす!」

こんなことをドヤ顔で言うのがカッコいい。そう思っていた時代が私にもたしかにあった。若手編集者なんて得てしてそんなものだ。

でも、三十路手前にしてコレではそろそろヤバい。いくら自由がきく職種だとは言え、三十路にもなって「スーツ? リクルートスーツくらいしか持ってないっす(笑)」などとのたまっていたら、それなりに仕事で実績を残していたりしない限りはただのイタい奴だ。

齢29にしてそれに気付いた男がここにもいた。マイナビニュースの編集者・Y氏である。

  • マイナビニュース別稿にて、サラリーマン役として自前のスーツを着るY氏。着せられてる感がすごい

友人の結婚式にも悪びれることなくリクルートスーツを着ていくY氏に対し、周囲の目線は年々冷ややかになっていったらしい。そんな折、さすがに焦ったY氏が見つけた駆け込み寺が「Aoki Tokyo(アオキ トーキョー)」である。

ここのサービスが、Y氏とは逆の意味で(つまりはイイ意味で)ヤバいのだ。

  • シックなモノトーンカラーが印象的なAoki Tokyoのロゴ

Aoki Tokyoが「オーダースーツ」デビューにオススメなワケ

紳士服量販店「AOKI(アオキ)」が今年3月、オーダースーツ専門の新業態を立ち上げた。それが、今回Y氏が駆け込んだ「Aoki Tokyo」である。3月1日に銀座と池袋に2店舗を同時に出店し、9月20日には新宿に3店舗目をオープンしたばかりだという。

  • Aoki Tokyo 銀座6丁目店の内観。整然と並ぶスーツは、すべてオーダー可能な生地、型である

今回我々は銀座6丁目店を訪れた。普段は馴染みのないアウェー感たっぷりの空間に戸惑いを隠せない様子のY氏。その姿はまるで借りてきた猫のよう。社会人になってから初めてのスーツ選びなのだから当然といえば当然か。Y氏は小声で言う。

「スーツを買ったのは就活のときが最初で最後ですね……結婚式のときくらいしか着る機会がなくて、そもそもスーツの必要性を感じていなかったので。でもさすがに30歳目前でこれはヤバい気がしますし、腹も出てきたので今のスーツだと単純にキツいんですよ」

要するに、ちゃんと着られるスーツはもはや1着も持っていないらしい。それはたしかに大人としてちょっと恥ずかしい。ということで、今日はビシッとカッコいい一張羅を作りましょう。

  • 全身ブラックコーデで精一杯クールにキメてきたY氏だが、スーツをパリッと着こなすAoki Tokyoのスタッフさんの前ではみすぼらしさが浮き彫りに

実は、既製品のスーツの売上は年々落ちているのに対し、オーダースーツの市場は年々拡大しているのだという。オーダースーツは値が張りそうなイメージがあるという人も多いかもしれないが、今は既製品のそれとそう変わらない値段で作れるところが増えている。その筆頭がAoki Tokyoだ。

同店のウリは、1着3万8,000円からオーダーできるというコスパの高さ(なんと2着買えば1着2万4,000円から)と完成までの早さ(最短3週間)、そして他社にはないとてもきめ細かな調整ができることにある。

  • オーダースーツを作る前にスタッフさんの丁寧なレクチャーを受けられる。初めての人でも安心だ

一般論として、オーダースーツの種類は大きく3つに分けられる。「フルオーダー」「イージーオーダー」「パターンオーダー」である。

「フルオーダー」は完全にゼロからオリジナルのスーツを作り上げるサービスで、安くても10万円以上、こだわれば100万円以上かかる。「イージーオーダー」は、縫製工場が持つ型紙の中からもっとも自分の体型に近い型を選び、体型補正をしつつスーツを仕立てていくサービスのこと。10万円前後の予算が必要だ。

そしてもっともポピュラーなのが「パターンオーダー」。店で身体を採寸後、自身の体型に一番近い既製品のスーツを選択。そのスーツから丈などを調整し体型に合わせていくというスタイルだ。既製品をベースにしている分、予算は2万円からとリーズナブルなのも特徴である。

パターンオーダーはもっとも簡易な方法なので、袖丈や着丈、ウエスト、パンツ丈などの補正にとどまるケースが多い。

しかし、Aoki Tokyoの場合は全身約28箇所にもおよぶ採寸に加え、猫背や反り身、肩の位置、O脚やX脚など、細かな補正を行うことで、従来のパターンオーダーよりもはるかに高いフィット感を実現。パターンオーダー並みの値段でイージーオーダー顔負けの調整が可能なのだ。まさにオーダースーツデビューにはこれ以上ない、うってつけの店だと言える。

カスタマイズできる楽しみに興奮。好みの生地やボタンを選択

オーダーの際は、まずカウンセリングを受け、スーツの好みや悩みなどを記入する。「スーツを着る頻度」なども意外に重要な項目だ。スタッフさんによると、「スーツを頻繁に着る場合は、デザイン性も大事ですがタフさも考えて生地を選んだほうがいいでしょう」とのこと。

  • 躊躇せず「ウエストがキツイ」に丸をつけるアラサー編集者・Y氏

続いてスーツの生地選び。選べる生地の数は300種類を超えるというからびっくり。前述の通り3万8,000円から選べるというコスパの高さにも感動しつつ、今回は中堅編集者に差し掛かるという事情も考慮し、5万円の予算で検討することに。いろいろチェックした結果、カラーはいま流行りのネイビーに狙いを定めたようだ。

  • パターンオーダーは生地選びから。「なんだかんだ、どれもいいっすね」みたいなことを言うY氏。何も言っていないも同然のコメントだ

  • 数種類の生地を身体にあてがい、「バリ渋いっすね!」とはにかむY氏

ネイビーはネイビーでも、生地の明るさや厚さ、チェックやボーダーといった柄の有無など、その表情はさまざま。この日、Y氏が迷いに迷って選んだネイビーがコチラ。

  • ほどよい光沢感と明るさが気に入ったという。たしかに品があってカッコいい

今回スタッフさんにオススメしていただいた生地はウール素材。「ウール素材は、派手になりすぎず、なおかつしっかり気を使っている感が出ます。いろんな場面に馴染みますから、着回し力も高いですよ」とスタッフさん。Y氏もご満悦の表情を浮かべる。

  • お次はボタンと裏地をカスタム

生地に続いて選んだのは、ボタンと裏地の種類。ボタンは無料のものと有料のもので分かれており、よりこだわりたいなら1,000円から選べる有料ボタンも視野に入れてセレクトすべし。

  • こんもりと提示されるボタンの山。これを選ぶだけで小一時間くらいかかりそう

  • スタッフさんのオススメも踏まえ、じっくりとボタンを吟味する

裏地はポリエステル素材のものであれば無料だが、よりスベスベ触感で汗もグングン吸収するキュプラ素材などは別料金。無地なら1,500円から選ぶことができ、柄モノなら2,000〜3,000円程度で選択可能だ。

「どれもいいな……」と悩んだ挙げ句にY氏が選んだのは、ややブラウンがかったまだら模様の水牛ボタン。裏地はちょっと冒険して、光沢がかったブラウンのキュプラ素材を選択した。

  • 完成イメージはこんな感じ。「裏地で個性を出していくのはヤンキーの学ランと同じシステムですね」などといちいち不必要な発言をするY氏

  • 袖部分の裏地には、縦の動きに強い素材のストライプ柄をセレクト

生地、裏地、ボタン……いわゆる素材選びは、ひとまずここで終了。この先は採寸に突入する。