すごい! で2年連続1位のアニメ化『本好きの下剋上』井口裕香さんと速水奨さんにインタビュー!

2019年10月より放送予定のTVアニメ『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません』(以下、『本好きの下剋上』)。

原作は、香月美夜による小説でシリーズ累計200万部(電子書籍含む)を突破、”このライトノベルがすごい!(宝島社刊)”単行本・ノベルス部門で2018年から2年連続第1位の話題作。

本が大好きな女子大生が念願の司書になる直前に亡くなり、中世ヨーロッパ風の異世界に兵士の娘マインとして転生。現代知識を駆使して本を手に入れるため奮闘する物語。

アニメ放送が待ち遠しい中、アニメージュプラスでは主人公マイン役の井口裕香さん、神官長フェルディナンド役の速水奨さんに、『本好きの下剋上』についての様々な想いを語っていただきました。
▲(左)速水奨さん(右)井口裕香さん

――まず、出演が決まっての感想をお願いします。

井口 今回のオーディションは掛け合いオーディションと言って、色々な役の候補者が一堂に集まって行われる形式でした。昨今はあまり掛け合いオーディションがないので、本作は会話や掛け合いをすごく大事にする作品なんだなと思いました。ドキドキしながらオーディションを受けたので、受かったと聞いたときは、マインの「い〜ひゃっふ〜」みたいな、飛び上がって喜ぶ感じでした。オーディションの時はあまり手応えがなかったので、受かったときはビックリしたしすごく嬉しかったです。

速水 久しぶりのオーディションでした。僕はオーディションを受けるとき、絶対に自分だなと思って受けています。僕を選ばないのはあり得ないと思っています。誰がやるんだ? 僕でしょ! と思っているのですが、だいたい僕じゃないことが多いです。普段は、自分が演じた役の熱量を的確に把握できるのですが、今回はすごくモヤっとしていまして、受かったと聞いたときは「え?」と思いました。受かったからには、役に邁進しなければいけないと思いましたね。

――原作や脚本をご覧になった際の印象、作品の魅力などをお聞かせください。

井口 マインは6歳ですが女子大生が転生しているので、普通の幼女とは違い、客観的に物事を見て、自分の目的のためにどう動いたらいいか整理のできる、とても頭の良い子です。純粋に子供を演じるのとは違う印象でした。原作を読み進めると魔術などが出てくるので、ただ本が好きな女の子が転生したお話ではなく壮大なファンタジーだと途中で気付きました。原作者の香月先生は、どこまで先を考えて本を書いているのか、頭の中をのぞいてみたくなりましたね。本の世界では、トイレにしても排泄物を窓の外に投げるなど、現代の知識を持っている大人の女性が転生するにはだいぶ酷です。マインは後にチート能力みたいなすごい力を持つけど、まだそれを把握していません。虚弱な体質に生まれて、行動したいけど体力が伴わないという中で、彼女は目的への欲求が誰よりも強いです。なりふり構わず、下剋上していく姿は、特殊能力ではないけど応援したくなるし、彼女の折れない心はこの作品の魅力だと思います。

速水 作品世界としては、ご都合主義ではないですね。読者としては、展開もっと早く進めてもいいのではと思いますが、もどかしいくらい先に進まない。「え!? 木簡」みたいな。このもどかしさが読み進むにつれて読者を”マゾ”にさせる感じなので、ここに中毒性があると思います。中世ヨーロッパの世界観だと思いますが、僕らは、現代人の方が頭脳も感覚も精神世界も豊かだと思いがちです。ですが、決してそういうことではないと改めて思わされました。貴族社会とか全て緻密に描かれていて、そこにリアリティを感じます。その世界に21世紀の本須麗乃(マイン)が入れば確かに違和感だらけですが、共存できる世界観なのかなと思います。もどかしさの連続がこの作品の全てです。

――キャラクターの第一印象はいかがでしたか? 演じる上での難しさや、心がけている点はありますか?

井口 見た目は幼くて可愛らしくツヤっとした髪の毛が印象の女の子ですが、中身は大人なので、一筋縄ではいきません。でも、「本が好き」という欲に忠実なので、裏表がないところが印象的でした。アニメに関してですが、マインはモノローグという心の中のセリフが序盤に多くて、幼女としてこの世界に転生して親である人たちと接しますが、自分としてはこう思うみたいな二面性を見せるところがあります。セリフはマインとして、モノローグは麗乃としての強弱というか気持ちの切り替えが、初めは難しかったし意識したところです。

速水 僕が原作から捉えているフェルディナンドのイメージだと、すごくクールなキャラクターではありますが、内に抱えている悲しみや色々なものを乗り越えた中で、貴族として、神官長としての職務に忠実な人物でした。ただ、マインと接していく中で色々と化学反応が起こり、フェルディナンド自身が変わっていきます。ですが、その部分はまだいらないということで、フェルディナンドを最初演じた時に、もっと「冷たく演じてほしい」と言われました。ひとえにクールといっても、曖昧な感じで難しい。結局は、語尾を相手に取らせない、つまり共感させないということかなと思いました。

――自分が演じた以外のキャラクターで、好きなキャラや印象など、お聞かせください。

速水 ルッツ可愛いですね。

井口 ルッツも、むっちゃんも可愛い(ルッツの声優:田村睦心)。なんとなく、キャストと中の人に通ずるものが、現場で見ていると感じました。その中でもルッツは可愛いです。マインのためにすごく動いてくれます。みんな子供だけどしっかりしていますよね。

速水 年齢は、現代の×1.5倍ですね。

井口 マインの姉のトゥーリもすごく好きです。原作を読んでいて、トゥーリは天使だなとマインも言っているし、私も思っていました。実際にアフレコに行って、トゥーリ役の中島 愛ちゃんのお芝居を聞いて、「天使だ!」と思いました。

速水 マインの母のエーファもいいな。エーファみたいな奥さん欲しいよね。でも、マインの父のギュンターは暑苦しいよね(笑)。あとは、ベンノも愛すべき存在かな。なんだかんだで、ベンノという存在がなければいまのマインはいない。怒鳴りながら放っておけないベンノの優しさはすごくいいと思います。

――アフレコの感想を教えてください。現場の雰囲気はいかがでしたか?

速水 ゆで卵がトレンドになっていました。差し入れで、どこのゆで卵が美味しいか競っていましたね。

井口 コンビニとか物産展とか。朝現場だったのでみんなお腹が空いていたので。

速水 僕はそこに参加しなかったのですが、理由は、喋る前にゆで卵を食べると口の中がパサパサになるからです。

井口 ゆで卵賛成派と反対派にわかれています。

速水 僕は反対派ではないですよ。傍観派です。

井口 私は賛成派です。みんなでゆで卵を食べて仲良くなりました。マインの家族の声優陣はゆで卵を食べる人が多かったですよ。現場の雰囲気はとても良かったです。オンオフがはっきりしていて、休憩中は和やかでしたが、本番になるとみんなすっと役に入っていきました。

速水 普通はラストテスト、本番という流れですが、この作品はテスト、ラストテスト、本番の流れで通常よりテストが1回多いです。必ず丁寧に全部やります。丁寧にやるのですが、だからと言ってその分時間がかかるわけではありません。最初は、「もう1回テストか!?」と思っていましたが、実際にやってみると、これはいい方法だと思いましたね。1回多くやることによって気づくこともありますから。

――初日に原作者の香月先生が現場にいらっしゃったそうですね。

速水 先生は関西弁でしたね。

井口 そうです! 意外でした。すごく穏やかで、見た目がマインのままでした。ご自身がモデルかと思うくらいです。特に何かを強く指示されたわけではなく、「楽しみにしています。何かわからないことありましたら聞いてください」と言っていただきました。

速水 先生の作られた本の世界観と、アニメの世界観を同一視していないというか、別で捉えていらっしゃる感じがしました。僕たちのことを信頼していただき、寛容だし、とても演じやすかったです。

――マインが本に熱中するように、ご自身が熱中していることはありますか?

井口 私は犬が好きです。自分の家族が飼っている犬も好きですし、よその方が散歩している犬も勝手にSNSで見たりしています。犬という存在が好きです。

――犬がいない世界に転生してしまったら?

井口 そんなことになったらどうしましょう!?

速水 キリンでもいいじゃない。

井口 嫌です! キリンの舌は紫色ですよ。犬を作るわけにもいかないので、犬がいない世界は考えられないですね。犬は飼い主に忠実なところがいいです。猫も好きなのですが、猫はパートナー的存在です。犬は家族であり兄弟であり、猫とは何か違う感じですね。猫は自分の時間も大事にしますが、犬は常に飼い主があってのもの。その愛に素直に応えたいですね。

速水 僕は猫派ですが、それほど夢中でもないです。毎朝、朝食を作っていて味噌汁にこだわっていますね。味噌汁がないと多分生きていけないと思います。出汁と味噌にはこだわっていますよ。何年か前に、Twitterに毎朝作った味噌汁を100日以上投稿していました。味噌汁を食べる前にシズル感を出すためにいい感じの写真を撮るのですが、飲む前に冷めてしまうんですよ(笑)。味噌汁ってすごく繊細な食べ物で、ほんの少しの塩分濃度の違いで味が変わります。その日の体調や気分でも違いますね。朝に冷静な気持ちと澄んだ心で味噌汁を作ります。まるで武士のような気持ちで「今日はかつおぶしだな」みたいな感じで。

井口 武士だけにね〜!(笑)。ちなみに、味噌汁で好きな具はなんですか?

速水 意外と言われるかもしれませんが、クレソンです。クレソンと信州味噌を合わせますと、信州の清流にクレソンが生えている情景が頭の中に思い浮かびます。

――最後に、番組をご覧いただく皆様へメッセージをお願いいたします

井口 ついにアニメが始まります。マインの虚弱ながらに一生懸命自分の思いを形にしていく姿は、見ていてすごく応援したくなるので、感情移入するのではないかと思います。自分だったら何がないと生きていけないかなと思いつつ、マインの成長していく姿を応援していただければと思います。

速水 もどかしさに翻弄されてほしいです。もどかしさの中で『本好きの下剋上』というドラマに翻弄されて、次が見たいとなるまで耐えていただきたいです。第一話で止まらず、その先は絶対に面白いです。僕たちももっと先を演じたいと思います。ぜひ熱く応援していただきたいです。

第1話の放送は、WOWOWが10月2日(水) 深夜0:30から。AT-Xが10月9日(水)20:00、TOKYO MXが10月9日(水) 22:00、BSフジが10月10日(木) 24:00からと発表されている。最速での視聴は全話WOWOWからとなる。
なお、ふたりからの直筆サインがWOWOW新規加入者にプレゼントされるキャンペーンも実施中。

▲サインをする井口裕香さん

▲サインをする速水奨さん