日立製作所と国立国際医療研究センター(NCGM)は9月17日、日立のコミュニケーションロボット「EMIEW3(エミュースリー)」を入院患者に対する説明支援に活用した効果の評価研究を2019年8月23日より開始したことを発表した。

医療機関の多くでは、看護師をはじめとした医療従事者が入退院に関する手続きや注意事項の説明といった患者ならびにその家族への定型的な説明を行っているが、今回の研究は、そうした医療従事者が行っている定型業務の負担軽減にコミュニケーションロボットの活用が有効な手段であるかどうかを調査するもの。具体的には、NCGMの入退院支援センターにおいて、入院の際に従来どおり医療従事者が説明を行う患者50人と、説明の一部を「EMIEW3」が代行する患者50人、合計100人について、医療従事者の説明対応時間や負担感を比較し、ロボットの導入効果を評価するという。

また、患者の満足度などの調査も行い、ロボットによる説明を患者が受け入れられるか、その実現性の評価を行うともしている。同研究は、同意した患者を対象に、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づいて実施されるもので、約3カ月をめどに実施される予定だという。

なお、EMIEW3は、これまで駅や空港、商業施設などでの運用実績はあるが、医療現場における説明業務に焦点をおいた研究を行うのは今回が初めてだという。

  • EMIEW3

    NCGM 入退院支援センターにおけるEMIEW3を用いた説明の様子