手軽にすぐ痩せられると人気の「バナナダイエット」。本当に成功しやすいのか、リバウンドリスクはないのか、効果と注意点について、栄養学的な観点から解説します。

◆バナナダイエット・朝バナナダイエットとは……方法や本数の目安に差も 
数多あるダイエット法の中でもよく知られている「バナナダイエット」。近年は「朝バナナダイエット」というジャンルも生まれ、多くの人がそのダイエット法を耳にしたことがあると思います。

バナナダイエットの方法は、細かな部分にまで目を向けると「朝食を1~2本のバナナだけにする」「バナナなら何本でも食べてよい」と、目安とする本数などに違いがあるようですが、いずれにしても非常にシンプルな点が魅力で人気を集めているようです。

元々は、バナナを食べているだけで「痩せた(体重が減った)」ことを喜んだ方が、その実体験から、誰でも同じようにダイエットができるのではないかと考え、手法を書籍として出版したことなどから広まったもののようです。

◆バナナのカロリー・栄養価・健康効果
バナナは1本で約80~90kcal。果物の中でも高カロリーです。栄養素としては、ビタミンB6、葉酸、カリウムが豊富。カリウムは高血圧にも効果があるので、腎臓に負担がかかっていない高血圧症の方にもオススメできる果物です。

ダイエットの観点からは、高カロリーな点も含めて少し意外に思われるかもしれませんが、バナナは糖質が多く、すぐにエネルギーに変わるという特徴もあります。

スポーツをしている方なら、大事な試合の直前など、糖分を迅速に補給してエネルギーに変える必要があるときにも非常に適した果物です。

皮をむくだけで食べられると手軽で、持ち運びもしやすいので、おにぎりなどとともに試合直前に食べる果物としてもなじみがあると思います。

◆「朝バナナダイエットは1週間で効果が出る」は本当か
バナナダイエットが短期間で効果が出るかどうかは、「効果」や「成功」が何を指すのかによります。もし目的が「体重を落とす」ことなのであれば、1週間でも効果があるといえるかもしれません。これはそれまでの食生活との差によります。

例えばそれまでの食生活が、朝はファストフード店の朝食セット、昼はコンビニ弁当、夕は居酒屋だった人が、ファストフードのセットをバナナに変えれば、毎朝3本のバナナを食べたとしても朝食のエネルギーは半分くらいに抑えられます。

さらに、ファストフードよりも腹持ちがいいので、間食や昼食の量が減り、結果として1日のエネルギー摂取量が減って、体重が落ちる可能性が高くなります。

他にも、上記のような食生活をしていた場合、バナナダイエットにより食物繊維の摂取量が増えて便秘解消につながることも期待できます。

◆朝バナナダイエットはリバウンドが前提
ただし、朝バナナダイエットのような単品ダイエットには落とし穴があります。その方法を続けている間は体重が落ち、一時的に痩せた状態を維持できるのですが、ずっと同じ単品ダイエットをするのは難しいものです。

普通の食生活ではないので、ほとんどの方が目標体重まで体重が下がったら「ダイエット成功」と考えて、終わらせると思います。終わりのあるダイエットは、100%リバウンドします。

例えば、結婚式を控えた方が、どうしても着たいドレスがあるけれどサイズが合わず、一時的でもよいから体重を落としたい……というような場合を除いて、リバウンドを覚悟してまでやるほどの価値があるとは思えませんが、いかがでしょうか(もちろん栄養学的には花嫁さんにもオススメしたいものではありません)。

◆バナナと一緒に食べるとダイエット効果があがる食品はある?
栄養学的には、ダイエットにしても健康効果にしても、バナナと組み合わせることで相乗効果が出るといった食品はありません。

「ヨーグルトと食べるとさらに効果的」「ココナッツオイルをかけると美容にもよい」など、様々な食べ方がすすめられているようですが、あまり難しく考えず、ご自身が一番美味しいと感じる食べ方をしていただければよいと思います。

◆「リンゴダイエット」「キウイダイエット」などの効果もバナナと同じ?
バナナダイエットだけでなく、同じように単一の食品で痩せられると謳ったダイエット法はたくさんあります。

よく目にするものとして「リンゴダイエット」、最近のものでは「キウイダイエット」「アボカドダイエット」などが挙げられるでしょう。これらのうち、どの果物がダイエットに効果的で、どれが逆効果なのか気になる方も多いようです。

結論からいえば、ダイエットにオススメの果物も、ダイエット中に食べてはいけない果物もありません。

果物は果糖を多く含むためか、日本では果物を食べることを敬遠する人も多いようですが、英語では「fruit and vegitables」としばしばまとめられるように、諸外国では果物と野菜は同じくらい大切な食材と考えられています。

どの果物にも、健康効果があります。日本では果物は高価なことが多く、先に述べたように果糖がダイエットによくないと考えられることがありますが、健康のためにはぜひ積極的に食べていただきたい食材です。

また、果糖の気にしすぎはよくないと書いたばかりですが、バナナダイエットの注意点として、バナナの糖質の多さは無視できないと思います。バナナを主食として食べている国もあるくらいですので、極端な食べすぎはカロリー的にはよくありません。

当然のことながら、バナナダイエットだからといって食べれば食べるほど痩せるといったことはありえませんので、試したい方も適度な量で置き換えるという感覚で取り入れましょう。

◆少しでも早く痩せたい方へのアドバイス
単品ダイエットはシンプルさが魅力ですが、単一食材を毎日食べ続けるのは現実的には難しく、必ず「終わり」があります。終わりがあるということは、必ずリバウンドがあるということです。

ダイエットが趣味のようになっている方の場合、ダイエット成功後にリバウンドしても、再度ダイエットをすればよいと考える方もいるようですが、体重の増減を繰り返せば繰り返すほど、体に負担がかかり、健康を損なってしまいます。

ダイエットの王道は、やはり「急がば回れ」。バナナダイエットなどで一時的なスピードダイエットを目指すのではなく、ダイエットすると決めたら、成功までの時間が少し長くかかっても1回で成功させると決め、リバウンドしないような方法を選びましょう。

具体的には、極端でなく、苦しくなく、早く終わりにしたいと感じずに続けられる方法です。日頃の食生活を整えて、着実に進めていくのが結果的にはダイエットの近道なのです。

文=平井 千里(管理栄養士)