The Vergeは8月26日(米国時間)、「Apple shelves tech that would have let you text off the grid」において、AppleがiPhoneに導入を検討していたトランシーバ機能の採用を保留したようだと伝えた。

The Informationはこのプロジェクトに詳しい2人の関係者から聞いた話として伝えている。Appleがこの取り組みを保留したのかの明確な理由は不明としながらも、開発プロジェクトのトップがAppleから離脱したことが原因だったのではないかと指摘している。

Appleが進めていた取り組みはキャリアのサービスが提供されていない地域、例えばスキー場や登山中など、電波が届かないエリアにおいて、エリア内に存在している他のiPhoneと900MHzの無線スペクトルを使用して直接テキストメッセージのやり取りを可能にするものとされている。キャリアのサービスが提供されていないエリアでの通信が可能になることから、注目度の高い取り組みだったことが伺える。

この取り組みは「Project OGRS(Off Grid Radio Service)」と呼ばれていたが、Appleはこの取り組みをIntelと共同で進めていたとしており、Intel内部では「Project Shrek」と呼ばれていたという。

iPhoneをトランシーバとして利用できるようにする技術はすでに存在している。サードパーティ製のアクセサリーを追加することで、iPhone同士での通信や、複数のiPhoneでメッシュネットワークを構築して一定範囲内ので通信が可能になる技術が存在している。

The Informationによれば、このトランシーバ技術は次期バージョンのiPhoneには搭載されない可能性が高い。ただし、将来のプロダクトではiPhoneに統合された機能として利用できるようになることも考えられている。