平成31年3月末時点で、国民年金保険料の月次納付率が71.4%だとか。国民年金保険料を未納・滞納していると、実は大きなデメリットが。経済的に厳しければ免除の申請をしておきましょう。

◆国民年金納付率71.4%、年々増加はしてはいるが……
国民年金保険料の月次納付率(1年経過納付率、平成31年3月末現在)が71.4%と、国民年金保険料の納付率が増加してきています。とはいえ、まだまだ未納付の人が一定数いるようです。

年金不信などでこのような結果になったのでしょうが、実際に年金保険料を納めていない未納や滞納状態の人は注意してください。そのままでは大損かもしれません。

◆老齢基礎年金は加入期間が10年(2017年10月~)ないと全くもらえない
年金制度で一番に思い浮かべるのが、国民年金に加入しているともらえる老齢基礎年金。老後の生活の基盤となるもので、現在の制度では原則、65歳以上で年金を受給することができます。

国民年金の老齢基礎年金額は、20歳から60歳までの40年間全ての期間の保険料を納めた場合、年間78万100円(令和元年度)。1カ月6万5000円程度ですが、この年金は生涯受け取れるもの。長生きをしても、その間は受け取れるというのは安心ですよね。

しかし、老齢基礎年金は保険料を支払っていない期間があると、その分だけ年金受給額は減ることになります。保険料未納期間の割合で、年金額も減額されるのです。

でもその前に、一番大切なことがあります。それは、老齢年金の受給資格。現制度では、原則として保険料納付期間が10年ないと老齢年金を受給できません。年金保険料を9年間納めていても、老齢年金は1円も支給されないのですよ。この受給資格がとても重要なのです。

この受給資格期間は2017年9月までは25年ないと老齢年金を受給することができませんでした。2017年8月に法律が改正され、2017年10月からは、保険料を払った期間が10年以上で受給できるようになりました。

◆保険料を納めず、年金受給なしは損
保険料を納めないので、老齢基礎年金もいらないという人もいるでしょう。年金制度に不信感をもち、年金保険料を払うだけ損という考えのようです。でも、実際それでいいのでしょうか?

答えはノー。現時点では、実際の老齢年金の支給額の2分の1は国庫が負担しています。つまり、現時点で支払われている老齢年金の半分は税金だということです。もし、老齢年金を受給できないとなると、この税金分を受給することもできないということです。これは損ですね。

◆障害時の「イザ」も年金で安心
その他にも、年金保険料が未納だと困ることがあります。それは障害年金です。一定以上の障害状態になった時、障害年金が受給できます。障害等級1級で年間97万5125円(令和元年度。子どもがいる場合は加算あり)が受給できます。

この障害年金にも受給資格があります。それは、保険料納付または免除されている期間が加入期間の3分の2以上あること、または1年間保険料の未納がないことなど。

未納や滞納の期間の割合が多くなると、イザという時に障害年金も受給できなくなるということです。年金は老後のためだけではないのです。

障害年金だけでなく、残された遺族がいれば受給できる遺族年金もあります。こちらの受給要件も障害年金と同じです。

それなら年金保険料を払おう、と思っても、年金保険料が高くて払えないという人もいるでしょう。そんな時は、免除制度を利用するといいでしょう。

◆所得の状況によっては保険料の免除も
国民年金の保険料は、1カ月につき1万6410円(令和元年度)。所得に関係なく一律の金額です。収入が少ない時には、この保険料負担は大きいですよね。なので、ついつい保険料を納めずに未納……という人が多いようです。

こういう時は迷わずに「国民年金保険料の免除制度」を利用しましょう。1カ月1万6410円の保険料全額が免除になる「全額免除」と、保険料の4分の1や2分の1、4分の3が免除になる「一部免除」があります。

受けられる免除は所得に応じて決められます。ちなみに全額免除は、前年所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円」の範囲内であることが条件です。単身世帯の場合は57万円ということですね。

◆免除期間は年金の加入歴にカウント
この保険料免除を受けていると、未納とは全く状況が変わってきます。免除期間は年金加入歴にカウントされます。老齢年金は10年間の保険料納付期間がないと受給できません。全額免除で1円も年金保険料を支払っていなくても、保険料納付済み期間にカウントされるのです。

これは大きいですよね。老齢年金の受給資格に、保険料負担なしで(全額免除の場合)近づけるわけですから。

◆免除期間でも年金額に反映
納付期間だけではありません。免除では年金額にも反映されます。年金支給の中でも、国庫負担分がありました。全額免除の場合でも、この国庫負担分は年金額に反映されます。

全額免除でも、平成21年4月分からは全額納付した時の年金の2分の1が受給できます(平成21年3月分までは3分の1)。保険料を納付しなくても、年金額の半分は保証されるということです。単なる未納や滞納とは大違いだと思いませんか?(若年者納付猶予制度、学生納付特例制度を利用している時は、年金額には反映されません)

生涯受け取れるこの老齢年金は、老後の生活設計の基盤になるものです。この老齢年金の支給に、現在は半分も税金が投入されています。この年金を受給しないのは損ですよね。また障害や死亡の万が一の時にも役に立つ年金です。保険料を未納や滞納をしていては大損ですよ。

所得が少なく、保険料を払いたくても払えないという人はぜひ免除申請をしてください。自治体の窓口で相談できます。

文=福一 由紀(マネーガイド)