漫画『海王ダンテ』(小学館)などで原作を務める泉福朗さんが、Twitterにて公開したエッセイ漫画に注目が集まっている。描かれているのは、泣き虫の幼稚園児だった主人公・エリカちゃんが、スパルタなお母さんに厳しくも優しく鼓舞されて成長していく物語。リプライには自分も似た経験があったという共感の声をはじめ、親の教えの在り方や子育てに関する様々な意見が寄せられている。

"泣きべそ"とあだ名される主人公のエリカちゃんは、幼稚園でのいじめられっ子。ジャングルジムやブランコといった遊具も怖かったり、気分が悪くなったりして乗れない。それに目をつけた意地悪な他の園児に無理やり遊具に乗せられて、傷だらけで帰ったこともあるという。そんな彼女に、お母さんは「親達と先生に、抗議してきたからいつまでもメソメソするんじゃない」と教え諭す。

お母さんは意見してくれたものの、いじめは数日で復活。幼稚園に行く勇気もなくなってしまったエリカちゃんに、お父さんは「無理して行かなくていいよ」「明日からはパパの仕事場に一緒に行こう」と優しく応える。エリカちゃんが本来、絵を描いたり本を読んだりするのが好きな子だと知っているからだ。

自分を理解してくれるお父さんに、エリカちゃんも「パパ大好き」と抱きつく。しかし、お母さんはそんな姿勢を「ダメっ!」と一喝。幼少時からこうだとこれからの学生時代はずっといじめられっ子のままだとした上で、「自分でも抵抗しなさい! やり返してみなさい!」と叱咤も。すかさず、お父さんから「女の子なんだから……」とのフォローも入るが、「今の時代に性別は関係ない」と一蹴する。

その後も幼稚園では、他の園児に隠れて過ごすエリカちゃん。「バッタさんやトンボさんのほうが好きなのに、どうして人間の子と遊ばないといけないんだろう……」と思わず嘆いてしまう。そこにまた来る、いじめっ子たち。彼女の嫌いな遊具で遊ぼうと言ったり、バッタを踏み潰そうとしたりする。一瞬、また泣きそうになるエリカちゃんだったが、脳裏に浮かんだのは「戦え! 抵抗しろ! 一度でいいからやり返せ!」というお母さんの言葉。

エリカちゃんは、涙を目に溜めながら、「あっちにいってよっ!」といじめっ子たちを突き飛ばす。唖然としながら倒れたかと思ったら、「いたいよぉ」と泣き出してしまういじめっ子たち。それを見たエリカちゃんは、ポカンとしながら「なぁんだ私と同じ泣きべそじゃん」と悟っていく。以降は、「キレるとヤバい人」と認識されたのか周囲は意地悪をすることもなくなったという。

「勝ち気な母とは価値観が合わないことが多かったけど強く生きるために必要なアドバイスは山ほどもらっています」というモノローグで締めくくられる物語。元々、作者の泉さんのツイートには「先日毒親の特徴を箇条書きにした記事を見たんですが、なんと私の母にも、2~3当てはまるところがありました」としつつ、「それで反抗してた時期もあったんですが、腑に落ちない事に従わない行動を教えてくれたのも母だったりします」という言葉が添えられている。

  • 泉福朗さんのエッセイ漫画「抵抗せよ」

確かに、甘えるなとばかりに、真っ向からの抵抗を促すお母さんは相当、スパルタだ。傷ついたエリカちゃんに追い打ちをかけるかのように厳しく接する、お母さんは"毒親"と呼ばれそうとも感じられるが、泉さんは「優しくて甘い父だけではダメだった」「母は自己主張の押し付けも凄まじかったのですが(←ここが毒w)それが子供に良いことなんだと信じ込んでいただけで、子供への愛は強烈すぎる程でした」と振り返っている。

リプライには「僕もずっといじめられて育ちましたが中学二年生の時にやり返していいとしって切れまくってた時期がありました笑」「私とおんなじですね(^^)やり返せと言われやり返してその後事なきを得ました」という近い境遇を経たというコメントがあるほか、親の教えの在り方や"毒親"に関する様々な意見が。「戦う道を示してくれてるだけ良いと思う、こりゃ毒親ではないなぁ」「毒の定義難しいッスよね。そもそも本当に毒親だったとして他の人がその毒おやよりちゃんと育ててくれるかも疑問なわけで本当に難しい賢くなりたい」というコメントや、「お母さんは自分が乗り込むことも出来ただろうに最低現の主張で我慢して子供の成長を促した。素晴らしいです」「これから子供を育てる身としてとても勉強になりました」など称賛の声もあがっている。