漫画家・櫻日和鮎実さんが、「怖くない怖い話」としてTwitterにて公開した漫画に注目が集まっている。描かれているのは、物置に放置された日本人形と、それを見つけたおじいさんの物語。最初はおじいさんを呪おうとする人形だが、彼の人間味あふれる温かさに触れていくことで、徐々にその姿勢が軟化、2人は優しい結末を迎える。リプライ欄には感嘆のコメントが寄せられている。

物語は、人間に気味悪がられ、長年物置にしまいこまれていた日本人形が、その恨みから呪いを蓄えている描写から始まる。久々に物置の扉が開き、「獲物」を見つけたと思ったら、その相手は「放っといても死にそう」な老齢の男性。怨念のこもった人形は、少し落胆しつつも呪いの力によって一晩で容姿を変え、おじいさんを脅かすことにする。

夜を越して、髪の毛と歯が伸びた人形だったが、おじいさんは恐れるどころか「成長期の子供はさすがじゃのう」と、何ともまったりな反応。加えて、「おなごじゃからの、キレイにしてやらんと」と長い髪を、くしでとかしていく。そのくしは、おじいさんの亡き妻のもの。おじいさんは、「ばあさんは村一番の優しい人で……」とのろけ話さえ始めてしまう。

その夜にもガタゴトとひとりでに動き出して、おじいさんを怖がらそうとする日本人形。最初は微動だにしなかった、おじいさんもその音でいびきを立てるようになり、人形は「よかった……生きてた」と逆に安堵。その後は、おじいさんに新しい着物をもらって、「まるで"お姫さま"みたい」と褒められ、「悪くないわね」と満更でもない様子を見せていく。

さらにこの夜には、おじいさんのもとには死に神がやってきそうになるが、人形は呪いの力でガサゴソと動き撃退。やはりおじいさんは気にせず熟睡している。その後、観念した人形は、おじいさんに「極楽浄土に行くことにした」「あなたの奥さまに逢って、あなたがどんな人だったか聞くのよ」と告げる。

可愛らしくおめかしをしてもらったことへの感謝を述べながら、去ろうとする人形。それに対し、おじいさんは「独り言に付き合ってくれてありがとう」と返し、「嬢ちゃんはべっぴんだからよーくモテなさるよ……もしばあさんに遭ったら頃合いを見て行くよと伝えておいておくれ……」と言葉を託す。それに対し、日本人形は「わかりました。でも長生きしてね、おじいちゃん」と優しい目で応じて去っていく。

漫画には、「優しい話をありがとうございました」「暖かくておじいちゃんの優しさが伝わってきます」「泣きそうです。怖いんじゃなく」などの感嘆の声がリプライに集まっている。なお「これを読ませていただくのは何度目かなのに未だにウルウルきます」「これ確か前見たから再掲? 何度見ても心が浄化される…」といったコメントもあがっているが、これに対し作者の櫻日和さんは、「3年前くらいに描いてる」ので、見たことがあるユーザーもいるのではと応えながら、「違うツイートで見たってのは確実にパクツイです」と注意喚起もしている。