連続ドラマ「あなたの番です-反撃編-」の一場面=日本テレビ提供

 俳優の田中圭さん、女優の原田知世さんがダブル主演の連続ドラマの第2章「あなたの番です-反撃編-」(日本テレビ系、日曜午後10時半)。マンションで起こった「交換殺人」を巡るミステリーが展開し、SNSを中心に「犯人は誰か」という考察が過熱しており、ドラマの視聴率も、第1章終盤から大きく盛り上がりを見せている。ドラマを手掛ける鈴間広枝プロデューサーは、「こんなに分からないことだらけだからこそ、自然発生的に考察が生まれてきたのではないか。こちらの戦略というより、皆さんがそれぞれ持っているメディアを使って発信して、このドラマと関わってくださっていて、すごくありがたい。制作側も本当に気が抜けないです」と語る。

 ◇連ドラの「枠」を超えた展開に中毒者が増加

 ドラマは「交換殺人」が題材。原田さんと田中さん演じる新婚夫婦が、引っ越し先の分譲マンションで起きた連続殺人の謎に挑む姿が描かれるミステリーで、秋元康さんが企画・原案を手がける。同局では約25年ぶりの2クール(4~9月)連続ドラマ。第2章「反撃編」では、翔太(田中さん)がマンションで起こった交換殺人ゲームの全貌を解き明かし、菜奈(原田さん)の命を奪った殺人鬼に迫る。

 ドラマは第1章こそ、視聴率が6%台の回が続いたものの、木村多江さん演じる主婦・榎本早苗が“ひょう変”し始めた第9話で8.0%をマーク。第1章が主人公の一人である「菜奈の死」という衝撃のラストを迎え、第2章「反撃編」に突入してからは、視聴率9~10%をキープしている。

 鈴間プロデューサーは、第2章からのさらなる盛り上がりを「やはり地上波の連ドラは、どうしてもいろいろな配慮が必要で、ある程度の枠の中で作らなければいけないという制約がある。その中で、物語の途中で主人公が死んでしまうなど、普通の連ドラではあまりやってこなかったことをやって、視聴者の方々の『ドラマだし、どうせこうなるんでしょ』という予想を裏切ることができた」と分析する。

 当初から制作陣には「視聴率が取れなくてもブレずにやろう」という思いがあったという。以前のインタビューで鈴間プロデューサーは「万人に受けるドラマではもちろんないですが、ドキドキハラハラして分からないことだらけのミステリーというテーマは絶対にぶれずに、手堅く視聴率を取るよりも、次を見たくなるような中毒性を狙って作っています」と語っており、「今見てくれているコアなファンを裏切らないようにしよう」という姿勢が、第1章ラストで、いい意味での裏切りを生み、さらなる“中毒者”を増やしているのかもしれない。

 ◇考察により加えられた説明も 「小さなミスも許してもらえない…」

 SNSでは、殺人事件の黒幕を巡る考察が盛り上がりを見せているが、それに対し鈴間プロデューサーは「本当に気が抜けないです。ちっちゃいミスも許してもらえなさそうな……」と笑顔を見せる。

 さまざまな考察が展開していることについて「ちょっとビックリです。ありがたいなと思うんですけど、こんなにすごくいろんな説が出てくるとは……。こちらが、思っていなかったところに疑問を持っていただいていたりするのには『あ、なるほど』と思うこともあります。ここもちゃんと説明しないといけないのか、と」と話す。

 考察によって「物語の大筋は変えることはない」とした上で、「あのアイテムどこにいったのだろうとか、省略しようと思っていた部分を説明せざるを得ないなというのはあります」と明かし、説明のためにアイテムを登場させたり、せりふを加えるということはしているという。また、「視聴者の方は本当によく見てらっしゃるなと思います。筆跡などにすごくシビア。現場では『これ、誰が書いた?』というパトロールが絶えません。同じキャストの方に書いていただいているのも違うと言われてしまうこともあるので……」と本音を明かす。

 実際、作中に登場するダーツにちなんで、考察の中に正解ど真ん中の「ブル」なものもあるかと聞かれると、「ほぼほぼ合っているものはありますね。もちろんがっちり100%合っているものはないですけど、『あ、超いい線いっている』みたいなのはあります」と話す。そうした考察に対しては「みんながみんなすごく誤解をされていたら、それはそれで作り方を間違っている感じがする。だから、合っている方がいらっしゃるのはいいのですが、それが大多数になるとビックリさせられない。そこはいい具合に大多数じゃないといいなという(笑い)。ちゃんと伝わっているという感じもします」と手応えを語る。

 ドラマは今週放送される第17話を含め、残り4話。少しずつ真相は解き明かされつつあるが、まだまだ謎が多い。鈴間プロデューサーは、今後の展開について「こちらが提示した謎は、20話で全部解けるようにしたいなと。ただ、ギリギリまで引っ張っておきたいというのもあるので。やっぱり『どっち? どっち?』となったほうが面白いじゃないですか」と笑顔を見せる。

 記者自身、一視聴者として犯人が全く分からないもどかしさがありながらも、毎週衝撃の展開に驚かされている。鈴間プロデューサーの話を聞くに、どうやら最後の最後まで「あなたの番です」というドラマに翻弄(ほんろう)される日々は続きそうだ。