『仮面ライダージオウ』のヒロイン・大幡しえりが1年間で感じた、女優としての戸惑いと成長

“平成最後の仮面ライダーシリーズ”として話題の『仮面ライダージオウ』にて、約1年を通してヒロイン・ツクヨミ役を演じてきた大幡しえり。シリーズ集大成となる映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』も公開され、女優として大きく成長した彼女が、この1年を通して得られたものとは。
──大幡さんは昨年9月より『仮面ライダージオウ』(テレビ朝日)でヒロインのツクヨミ役を演じていますが、どのような役柄ですか?

大幡 ツクヨミは未来を変えるために50年後からやってきた女の子なんですけど、すごく意志が強くて真っすぐで。そして主人公のソウゴと関わっていくことで次第に喜怒哀楽が表に出るようになってくる、という役柄です。

──ツクヨミと大幡さんは性格面では似ていますか?

大幡 いえ、似てないと思います。みんなにも「あんまり似てないね」ってよく言われるんです(笑)。私は冷静でもないし自分の意見を言うのも得意じゃなくて。だからツクヨミはかっこいいなと思うし、あんな女の子になりたいなって思います。

──ツクヨミは未来人ですから、役作りも苦労したのでは?

大幡 そうですね。特に最初苦労したのはタイムマシンの操縦です。どんなふうにCGが合成されるか分からなくてイメージも掴めていなかったのに、未来人らしく使い慣れた雰囲気を出さなくちゃいけなくて、とても大変でした。

──アクションシーンにも挑戦されていますが、いかがでしたか。

大幡 動きももちろん難しいんですけど、そちらに集中し過ぎるとセリフがおろそかになってしまって。両方同時にやらなきゃいけないというのが難しかったのと、あとは自分の演技だけじゃなく相手との呼吸も合わせないとアクションって成立しないんだなと感じました。

──1年間ツクヨミを演じて、女優として得られたことというと?

大幡 最初はただクールに演じていたんですけど、途中で監督に「ツクヨミのキャラを壊したい」と言われ、変顔や女の子らしいしぐさなどそれまでまったくやってこなかったことをやることになって戸惑いました。でも、何度もやり直しをする中で監督から「ツクヨミも人間だから、誰かと関わることで変わっていく。役自体の成長に合わせて、新しい表現をどんどん考えた方がいい」と言われ、確かにと思ったんです。実際にオンエアを見て「監督が言いたかったことはこれなんだ!」と再認識したし、それ以来台本を読むときは「ここからどう広げていけるか」を意識するようになりました。



──人気作品のヒロインを1年間演じて知名度も上がったのではと思うのですが、実感はありますか?

大幡 小さなお子さんからすごく声を掛けられるようになりました。そして、1年前はインスタグラムのフォロワーが5000人くらいしかいなかったのに、今では10万人を超えて、自分でもびっくりしています! いいねやコメントの数も以前とはケタ違いで、すごくうれしいです。

──やはり“映え”も意識したり?

大幡 いや~、私は“映え”のセンスがまったくないので……(笑)。そこは意識せずありのままでもいいかなって思っています。

──そして、7月26日より映画『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』が公開となりました。こちらの見どころは?

大幡 1年間やってきたテレビシリーズとは違うラストかもしれないけど、「こういう結末で良かったな」と思えるものになっていると思うし、“平成ライダー”の最後にふさわしい内容になっていると思います。

──劇場版の舞台は戦国時代なんですよね? 未来人のツクヨミが戦国時代へ行くのは面白いですね。

大幡 ツクヨミはそれまでイメージカラーの白色の服ばかり着ていたんですけど、戦国時代では着物を着たりもするので新鮮だと思います。しかもその状態でのアクションシーンもあるのでぜひ注目してほしいです。

──ちなみに大幡さんは、戦国時代や歴史に興味は?

大幡 実は歴史が苦手で(苦笑)。暗記系の勉強が得意じゃないんです。なので今回演じるに当たって、まず歴史のおさらいから始めました。

──逆に、得意だった教科は?

大幡 数学は得意でした! 問題が解けたときの「やった!」という爽快感が好きでしたね。



──では、今後の女優としての目標を聞かせてください。

大幡 私は満島ひかりさんをすごく尊敬しています。『監獄のお姫さま』(’17年)というドラマで共演させていただいたときに一緒に演技するシーンが多かったんですけど、間近で満島さんの演技を見られるだけでもありがたいことだったのに、私の演技を引き出すように導いてくださったりもして。さらに自分の意見もしっかり持っていらっしゃる方で、役者としても1人の女性としても尊敬しています。今後は私もたくさんお芝居の経験を積んで上手くなって、そしてまた満島さんと共演することが目標です。

──最後に、ツクヨミは50年後の2068年から来たという設定でしたが、大幡さんは50年後どんな自分になっていたいですか?

大幡 50年後ということは70歳ですよね……? ちょっと想像がつきませんけど、お芝居を続けていたとしても続けていなかったとしても、自分の好きなことをして人生を楽しめていたらいいなと思います。

(取材・文/左藤豊 撮影/佐賀章広)
大幡しえりの「この映画が好き」
最近観たものの中では『翔んで埼玉』がとても印象に残っていますね。母と一緒に観に行ったんですけど、私が埼玉県出身ということもあって、最高に面白かったです! シラコバト(埼玉県の県鳥)が描かれたせんべいが踏み絵になっていたり、埼玉に対するイジリが終始入っていてユニークな内容なんですけど、役者さんがそれを全力で演じているのもすごいなと思いました。私はそのようなはっちゃけたお芝居をしたことがないので、「自分ならこの役をどんなふうに演じるかな」って想像するのも楽しかったし、一観客としても役者としても楽しめる作品でした。そして今後、機会があればぜひこのような作品にも挑戦してみたいなと思いました!
▽大幡しえり(おおはた・しえり)
1998年11月5日生まれ、埼玉県出身。161センチ。B型。2017年『ひるなかの流星』でデビュー。以降、『女囚セブン』『監獄のお姫さま』『ヒモメン』などに出演。2018年から特撮ドラマ『仮面ライダージオウ』のヒロイン・ツクヨミ役を務める。