劇場アニメ「HELLO WORLD」プロジェクト始動イベントより。

劇場アニメ「HELLO WORLD」のプロジェクト始動イベントが、本日8月8日に東京・スターライズタワーで開催。イベントには監督を務める伊藤智彦、メインキャストの北村匠海、松坂桃李、浜辺美波、本作の音楽を手がけたプロジェクトチーム・2027Soundの参加アーティストであるOKAMOTO'S、Official髭男dism、Nulbarichのメンバーが登壇した。

9月20日公開の「HELLO WORLD」は、2027年の京都を舞台に男子高校生の堅書直実と10年後の直実を自称するカタガキナオミが、直実の未来の恋人・一行瑠璃を救うため奮闘する青春SFラブストーリー。直実役を北村が、ナオミ役を松坂が、瑠璃役を浜辺がそれぞれ演じている。本アニメでは作画に先行して音声を収録する“プレスコ”が採用され、劇中音楽はOKAMOTO'Sを中心にOfficial髭男dism、NulbarichのほかOBKR(小袋成彬)、Yaffle、STUTS、BRIAN SHINSEKAIといった同世代アーティストが集結し、43曲におよぶ劇伴曲を制作するという実験的な手法が用いられた。

「HELLO WORLD」の制作過程について各登壇者が語る本イベント。冒頭では、まず会場に設置された巨大スクリーンで予告編映像と2027Soundを紹介する3分弱の映像が流れる。司会に映画への出演が決定したときの心境を尋ねられた北村は、細田守作品のオーディションにたびたび挑戦した過去や、家族がジブリ好きであることを例に挙げ、劇場アニメへの愛を吐露。アニメ制作に携わりたいと思っていたことを明かし、声優初挑戦となった今回の仕事について「夢が叶った」と回答する。北村の発言を受けた司会の「いっぱいほかの会社(の作品)の名前が出ますね!」というツッコミには「もう臆さずいこうと思います(笑)」と返し、会場の笑いを誘った。

松坂はナオミ役を演じるに至った経緯について、伊藤監督から熱烈なオファーの手紙をもらったと述べる。司会にその内容を聞かれた伊藤監督は「ラブレターなんて書いたことがありませんでした」と照れつつも、松坂が以前演じた映画「パディントン」のパディントン役に言及。オファーの理由に「パディントンはイノセントなキャラなんですけど、芯にはワイルドなところがあって」と、松坂が演じたパディントンとナオミとの共通点を挙げる。さらに浜辺は収録前の心境について、伊藤監督が劇場版やTVシリーズを手がけているアニメ「ソードアート・オンライン」を観ていることを告白し「監督とお仕事できることがうれしかった」とファンとしての思いを滲ませた。

その後、トークは収録時の話題に。北村は声の演技について、目線や顔の表情を使わず、声だけで感情を表現することの難しさを語った。松坂は監督とアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の話で意気投合したことを振り返り、ナオミが叫ぶシーンを収録する際には「エヴァンゲリオン初号機が胸を貫かれたときの碇シンジの感じです」と指示された思い出を披露。すると北村も監督と「機動戦士ガンダム」について話したエピソードを持ち出し、それに浜辺が「私もひたすら北村さんにガンダムのプレゼンをされていたのを覚えています」と応じた。

続いて司会が2027Soundの参加アーティスト3組にそれぞれが制作した主題歌について尋ねると、OKAMOTO'Sのオカモトショウは楽曲「新世界」について「俺たちの音で作品の華やかさや切なさをより表現できたらいいなと思いながら作業をしていました」と回答した。作中のラブコメパートで挿入されるOfficial髭男dismの「イエスタデイ」については、メンバーの藤原聡が「シーンのスピード感を加速させることを意識しつつ、爽やかなサウンドに仕上げた」とコンセプトを明かす。最後にマイクを受け取ったJQ(Nulbarich)は「しゃべるとネタバレしてしまいそうな気がするのですが」と断ったうえで、自身の制作した「Lost Game」について「3人目のナオミだと思って作りました」と意味深な発言。ほかのアーティストやキャストがざわつく場面も見られた。

イベントの最後には、キャスト3人がそれぞれ作品の見どころを語った。浜辺が甘酸っぱい青春ものとしての魅力を強調する一方で、松坂はアニメならではの映像表現に着目。北村は2人のコメントを踏まえつつ「青春もの、SFものであり、映像、音楽、何をとっても新しい扉を開ける映像だと思う。大画面で、いいスピーカーで、映画館で観るべき映画を素敵な皆さんと作れたことをうれしく思っています。完成を楽しみにしていてください」と締めくくった。

(c)2019「HELLO WORLD」製作委員会