同人写真集即売会「ノンバーコード・ブックス」(NBB)が7月15日、都内の会場で開催された。イベントには、えなこさんや伊織もえさん、くろねこさん、火将ロシエルさん、篠崎こころさんなどが参加し、新作写真集を販売した。

  • 「ノンバーコード・ブックス」会場の様子

"出版不況"というフレーズをメディアで目にするようになってから数年が経過しているが、「ノンバーコード・ブックス」は、敢えて紙媒体のみで写真集を販売するイベントだ。

公益社団法人全国出版協会の調査によると、2018年の紙市場の出版規模は、前年比から5.7%減った1兆2,921億円にまで縮小。一方の電子書籍市場は好調のようで、2017年は前年比より13.4%増加し、市場流通額が2241億円にまで到達したとインプレス総合研究所が発表している。

電子書籍市場の拡大と共に紙媒体市場が縮小していく中、その架け橋とも言えるイベントが「ノンバーコード・ブックス」であり、コスプレイヤーやモデル、フォトグラファー、クリエイターらが、腕によりをかけて自主制作した同人写真集などが販売されている。

3回目の開催となる同イベントに足を運んでみると、人気のブースには長蛇の列ができていた。覗いてみると、写真集の表紙でポージングするモデルと、売り子をしている女性がなんと一緒。いわゆる「同人即売会」というジャンルにカテゴライズされるイベントであり、その魅力はなんと言っても写真集のモデルを務めたその人と、実際に会場で交流できることだ。

握手をしたり世間話をしたりなど、交流の様子は様々。中には「チェキ券」と呼ばれるものを販売しているブースもあり、ツーショット撮影を楽しむファンもいた。

  • こよみさんのブースと同人写真集

この日、特に参加者が絶えず並んでいた人気サークルを訪問してみた。

まずは、くろねこさんのサークル「くろねこみゅ」に突撃。ブースでは、バスケットボールやランニング、フットサルといったスポーツを、くろねこさんがコスプレという形で表現する新作写真集『SPORTY GIRL』が販売されていた。くろねこさんは、休む間もなく来訪するお客さんに笑顔で接客していた。

続いて、会場の壁際から外まで伸びる長蛇の列を作っていたのが、コスプレ・グラビアなどで活躍する伊織もえさん。さまざまな種類の競泳水着を着用した写真集を4時間にわたって手渡しで販売。その後はツーショットチェキに応じるなど、こちらも大忙しいの様相であった。

さらに、サークル「猫耳メイド屋」の火将ロシエルさんもこの日のイベントに出展。埼玉県・川越市を舞台とした60ページにも及ぶ写真集『特別版ろしさんぽ』は、「ノンバーコード・ブックス」のために撮り下ろされた特別仕様に。火将さんは、一人ひとりに声をかけるなど、コミュニケーションをとりながら販売。購入したファンがすぐに感想を伝えると、火将さんは嬉しそうに御礼を伝えていた。

また同イベントは、普段関わることのない人たちとの交流促進も目的に開催されている。モデルやDJとしての活動が多いことから「同人即売会は初めて」と話す篠崎こころさんは、この日のために初出し衣装かつ撮り下ろしカットのみで構成した自身初写真集『篠崎こころがコスプレ写真集を初めて出してみた件。』を制作。会場では、同写真集でも着用している衣装で、売り子として活動していた。

そして一際大きな列を成していたのが、 ツイッターのフォロワー数が70万人を超えたばかりのえなこさんのブース。羊をモチーフとした衣装で構成された新作写真集『Dream Sheep』とその缶バッジを販売していた。

この日、別件で会場に着くのが遅れてしまったえなこさんだが、到着するや否や急いで身支度を整え、すぐさまその場で写真集にサイン。短い時間ながらもファンとの交流を深めていた。

「ノンバーコード・ブックス」が掲げる"交流”と"紙オンリー”は見事に融合していたようで、イベント終了間際まで会場内の長蛇の列は途切れることは無かった。クリエイター側が実際にその場で手売りしている場所だからこそ、消費者としても購入への心理障壁が低くなるのかもしれない。"出版不況”と揶揄される時代に紙媒体を売るヒントは、どうやら『NBB』にありそうだ。