「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」

7月21日(日本時間)は、あの人類の偉業から50周年。そう、アポロ11号のニール・アームストロング宇宙飛行士とバズ・オルドリン宇宙飛行士が、人類史上初めて月面を踏みしめたあの日から50年目の記念日です!

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月面に立つオルドリン飛行士 Image Credit:NASA

未来館では、7月13日(土)から9月16日(月・祝)までの2か月間、「人はなぜ、宇宙を目指すのか」をテーマにパネル展示を行います。これまでとこれからの有人月探査について、科学コミュニケータートークやイベント(ただいま計画中!)などでもたっぷりご紹介します!

また、7月20日(土)から未来館のシンボル展示Geo-Cosmosにアポロ11号ミッションの映像コンテンツを上映します。こちらのタイトル「イーグルは着陸した(The Eagle has landed)」というのは、アームストロング飛行士のもう一つの名言です。

先週末からパネル展示と科学コミュニケータートークが始まりました。「人はなぜ、宇宙を目指すのか」という問いに対して、来館者のみなさんに150件以上ものご意見を書いていただきました。ありがとうございます!

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ヒューストンのジョンソン宇宙センターのツアーに参加すると、アポロ計画で使われた管制室をガラス越しに見学することができます。年季の入ったコンピュータに当時の様子がしのばれて、宇宙好きにはたまりません!

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ジョンソン宇宙センターの管制室 小熊撮影

1972年にアポロ計画が終了してから、月への有人飛行は行われていませんが、その間何もしてこなかったわけではありません。日本の「ひてん」「かぐや」をはじめ、23の世界各国の無人探査ミッションが行われ、月面の地形や地質について詳細なデータが取られました。月の北極や南極にあるクレーターの中の、全く日の当たらない永久影には凍った水がありそうだ、というデータもあります。今年の1月には、中国の探査機「嫦娥4号」が史上初めて月の裏側に着陸しました。7月15日予定だった打ち上げは延期されましたが、インドの探査機「チャンドラヤーン2号」も準備中です。日本も探査機を狙った位置にピンポイント着陸させる「SLIM計画」などを進めています。

私が特に注目しているのは、今年の2月にイスラエルの民間団体 スペースILが作った探査機「ベレシート」が月面着陸に挑戦したというニュースです。着陸に失敗はしたものの、民間機が月にたどり着いたというのは史上初めてです。国の宇宙機関だけではなく、民間の力でも月を目指せる時代が来ました。

そして2020年代には人類が再び月へ。月周回軌道上に宇宙ステーション「ゲートウェイ」を建設する国際計画が始まっています。今年3月には、アポロ計画以降初めて宇宙飛行士が月面に着陸するという「アルテミス計画」も発表されました。2024年の月面到着を目指します。そのための新しいロケット「Space Launch System」と宇宙船「オリオン」も開発中です。ゲートウェイは月面探査を継続的に行う拠点になるとともに、将来は火星や小惑星など、より遠くへ旅立つときの発着地にもなります。日本もゲートウェイ計画に参加しますが、JAXAは「JAXAだけではなく、研究機関や企業の力を結集させて挑む」と意気込んでいます。

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ゲートウェイと宇宙船オリオンの想像図 Image Credit:NASA

...と、たくさん書きましたが、月探査計画がこんなにあるということを知っていただきたいのです。今また人類は半世紀ぶりの一歩を月面に踏み出そうとしています。アポロを懐かしむだけでは終われません。そして、その根底にある「人はなぜ月を、宇宙を目指すのか」を一緒に考えてみませんか?この夏、皆様のご来館をお待ちしています!

参考 宇宙プロジェクトが丸ごとわかる本(枻出版社)



Author
執筆: 小熊みどり(日本科学未来館 科学コミュニケーター)
子どもの頃から宇宙が好きだったが、なぜか学部では温泉の研究をする。好奇心旺盛すぎて大学を飛び出し金融業界へ。一周回って、その後大学院でやっと宇宙の研究を始める。 宇宙ミュージアムTeNQ等研究室での展示活動に関わったことで、科学コミュニケーションを本格的にやってみたいと思い2015年より未来館へ。