徹底分析中古車相場[2019.07.18 UP]


【フォード マスタング】100万円台でも購入可能!お得感の高いアメリカンクーペ


 現在、クーペ/オープンカー市場が不況である。2ドア、後席がない(もしくは狭い)、燃費もいまいち。しかしながら熱烈なファンがいるのもこのジャンルの特徴で、クルマの流行り廃りに左右されない一定の需要があるのもたしかだ。そんな魅力あるクーペの1台であるフォード マスタングは、60年代から生産され続けるロングセラー。いかにもアメ車と言わんばかりの力強いルックスとトルクフルなV8による豪快な走りは、ファンならずとも思わず陶酔してしまう。そんなわけで今回は、先代マスタングの中古車相場を掘り下げてみたいと思う。


フォード マスタングってどんなクルマ?


 北米で1964年に登場したスペシャルティカーがマスタングである。ファルコンという小型乗用車をベースとし、本格的なスポーツカーというより、カジュアルで乗りやすさを重視したクルマだった。それからモデルチェンジを重ね、2005年モデルでは5世代目のマスタングが登場。その特徴は、なんと言っても原点回帰した懐かしのスタイリングで、ヘッドライト、リヤライトの造形は初代を彷彿とさせるものに。当初のエンジンは、4.0L V6 SOHC(213馬力/33.1kgm)と4.6L V8 SOHC(304馬力/44.2kgm)の2機種を用意。トランスミッションはいずれも5速ATが組み合わされた。足まわりは、フロントがストラット、リヤはパナールロッドを採用した3リンクという古典的な形式であることも、マスタングの伝統に沿ったものだった。

 日本への導入は本国デビューから少し遅れ、2006年6月のことである。ボディタイプはクーペのほか、コンバーチブルも同時に発売された。走りは、V6が軽快でスポーティ、V8が重厚なエンジンフィールでクルージングにぴったりのキャラクター。両者ともFRを採用するが、マスタングはゆったりと流して走るジェントルなクルマと捉えるのが正しい使い方だろう。またクーペのわりに後席のスペースは十分確保されており、とくに横方向に広いので窮屈感は少ない。コンバーチブルなら、さらに開放感のあるドライブが楽しめる。


フォード マスタングの年式別中古車相場は?


 アメ車は基本的にどのメーカーもモデルイヤー制を導入しており、1年ごとに改良が加えられるのが常。先代マスタングの最初の大きな改良は、2009年11月に行われた(2010年モデル)。エクステリアが一新され、曲線的な顔つきになったのが特徴だ。インテリアは、エアコンの噴き出し口、シフトレバーなどが改良を受けた。またV8エンジンの最高出力が319馬力へと向上したこともトピックだろう。2010年4月には5速MTを搭載した限定車が登場。2010年10月の改良(2011年モデル)では、新設計の5.0L V8 DOHC+6速AT、3.7L V6 DOHC+6速ATが搭載され、最高出力は418馬力に高められた。加えて足まわりの改良により走行性能も向上している。

 2012年10月の改良(2013年モデル)では、2度目のエクステリア変更を実施。フロントバンパー、グリルのデザインがリニューアルされたほか、ヘッドライトのスモールランプにLEDを採用するなど、顔つきはよりモダンなものとなった。さらに新デザインのLEDリヤコンビランプを導入し、新鮮味がグッと高められた。機能面では、車両にかかる加速度などを計測する「トラックアップ」の採用、最高出力の向上(V8モデル)などが行われ、スポーティテイストを押し出したキャラクターとなった。



年式別中古車平均価格
年式 中古車平均価格
 2006年式   232万円 
 2007年式   183万円 
 2008年式   210万円 
 2009年式   327万円 
 2010年式   241万円 
 2011年式   286万円 
 2012年式   292万円 
 2013年式   317万円 
※中古車平均価格はグーネット2019年7月8日現在のデータによる。



2010年モデル以前の初期型がリーズナブル


 上の表はモデルイヤー別ではなく、登録年式別のデータである。2009年式は物件数が極端に少なかったため、平均価格が327万円と突出したものになっているが、それを考慮しても2010年式以前(初期フェイズ)のマスタングが安い。たとえば物件数が豊富な2008年式は平均価格が210万円なっており、当時の新車価格帯が390万円~460万円ということを考慮すると、およそ半額程度にまで下がっている。しっかり探せば100万円台という魅力的なプライスの物件も存在するから、十分買いと言っていいだろう。なお、2010年式以降の新しめの物件も充実しているが、こちらはほとんどが250万円以上。全体的に走行距離が伸びたものが多く、並行輸入車なども存在するから、購入の際は気に留めておこう。


フォード マスタングのグレード別中古車相場は?


 先代マスタングは、大きくわけるとV6クーペ、V8クーペ、そしてV8コンバーチブルの3種類が存在する。本国には500馬力オーバーの「シェルビーコブラGT500」のようなハイパフォーマンスモデルが数多く設定されているが、日本には正規導入されなかった(ただし並行輸入車として流通する)。また、限定車がいくつかリリースされたが、なかでも注目したいのはマニュアルミッションを採用したモデルだろう。まずは各モデルの中古車平均価格を見ていこう。



グレード別中古車平均価格
グレード 中古車平均価格
V6クーペ 213万円
V8クーペ 288万円
V8コンバーチブル 250万円
※中古車平均価格はグーネット2019年7月8日現在のデータによる。



アメ車らしい世界観を楽しむならV8モデル


今回の調査ではV6よりもV8のほうが物件豊富。これはアメ車=V8というイメージが、日本人の根底にあるためかもしれない。たとえばドイツ車の場合、年式が古くなるほどV6とV8の価格差が小さくなり、購入後の維持費のことを踏まえ逆転することすらある。しかしマスタングはV8のほうが依然高値なのは興味深い。価格はV6のほうが安いが、V8とはドライブフィールがかなり異なる。せっかくマスタングに乗るなら、力強いサウンドを奏でるV8を選ぶのもありだろう。コンバーチブルの割合が少ないが、V8のオープンカーという趣味に振った選択肢もおもしろい。いずれにしても、どのグレードを選ぶかは好みによるところが大きい。なお、モデルライフの途中に限定車としてMTが設定されたが、今回の調査では1台も確認できなかった。


フォード マスタング中古車のまとめ


 フォード マスタングには、シボレー カマロという最大のライバルが存在する。最後に、こちらの中古車相場もチェックしてみたい。先代カマロ(2009年12月国内発表)の中古車平均価格は334万円と、先代マスタングと比べて相場が100万円ほど高い。これはデビューしたタイミングが遅く、高年式が多いことが主な理由。250万円前後の予算から購入可能となっている。

 アメ車は趣味性の強いクルマで、日本車や欧州車と単純に比較することは難しい。それゆえお買い得か否かという判断も、個々の価値観によるところが大きい。しかし、新車時からおよそ半額以下の予算(およそ200万円)から入手できるなど、買い時であることは事実だ。ただし、すでにフォードは日本市場から撤退しており、メンテナンスや部品供給は「ピーシーアイ」が行うことになっている。同社のディーラーネットワークは全国に展開されているが、購入後のアフターサービスについて事前にチェックしておくとよいだろう。



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