佐々木彩夏、ももクロ加入から11年「最近、改めて『アイドル』について気づいたこと」

現在、発売中のファッション×アイドルマガジン『OVERTURE』(徳間書店)の表紙を飾ってくれている、ももいろクローバーZの佐々木彩夏。ソロとしては実に3年ぶりの表紙登場となるが、今回はその撮影時に収録したインタビューを、webオリジナルの超ロングバージョンでお届けする。23歳になった“あーりん”が最近の活動から今改めて考えるアイドル論まで、縦横無尽に語り尽くす。

──『OVERTURE』の表紙にはソロでは3年ぶりの登場となります。

彩夏 えっ、3年ぶり?

──前回は20歳の記念でしたから。

彩夏 はい、6月11日で23歳になりました。早いねぇ~。3年も経っているとは思っていなかったから「また表紙できるんだ、うれしいなぁ~」って思ってたの。

──前回の表紙はピンクを前面に出したポップでキュートな感じでしたが、今回はかなりしっとりとした感じに仕上がりました。

彩夏 いろんなパターンを撮ったでしょ? だから「あっ、この写真なんだ」って。

──今回はスタジオ自体が古民家で、日本庭園が広がるシチュエーションなので、どうしても“和”テイストになりますよね。

彩夏 たくさんの方に手に取ってもらいたいですよね。モノノフさんは本が好きだから大丈夫だと思うけど、ももクロのことをあまり知らないよって人にも読んでもらえたら嬉しいですね。

──そして、横浜アリーナのソロコンで先行発売される限定盤は、表紙を変えて、モノトーンの写真を使いました。

彩夏 これ、かっこいいよね! でも、この表紙が本屋さんに並んだら、私だってわかってもらえないかもしれない(苦笑)。だから会場限定版でよかったのかも。横浜アリーナには私を知っている人しか来ないからね、アハハハ!

──いい意味での「二面性」が出たのかな、と思います。

彩夏 ありがたいですね。モノクロの写真もひとりだからキリッとして見えるけど、4人だったら、やっぱりわちゃわちゃしちゃうかもしれない。本当に1人で表紙をやらせていただいたおかげです。嬉しいなぁ、本当に。

──さて、あーりんが23歳になって、ももクロが12年目に突入。ということは……。

彩夏 あーっ! ついにももクロでの活動が人生の半分を超えちゃったんだ。私は加入が半年、遅かったから、まだ正確には11周年じゃないんだけど、もうね、これから先、どんどん人生の中でももクロでの活動が占める時間が長くなっていくわけで……そうだよね、小学6年生からやってるんだもんね。

──長く見ているファンの方は、もはや人生をずっと追いかけているようなもんですよね、こうなってくると。

彩夏 最近、嬉しかったというか、驚いたことがあって。結構、昔から応援してくれていたファンの方が、ここにきて、ウチらの会場に復活してくれているみたいんなんですよ。ステージから見つけて「えっ、あれっ?」となって、あとでメンバーと「あの人、昔、よく来てくれていたよね!」って盛りあがって。

──昨年の『青春』ツアー(47都道府県を巡るツアー)でも、そういう方と川上さんが旧交を温めているシーンをよく見かけました。11年やってきて、初期のころのファンの方がUターンしてくるなんて、あまり聞かない話です。そもそもオリジナルメンバーのまま、11年以上も続けているアイドル自体、ほとんどないですからね。

彩夏 昔はよく「(年齢よりも)大人っぽい」って言われたけど、最近じゃまったく言われなくなった。そうだよね。23歳ってフツーに大人だもんね。大人っぽいって言うほうがおかしいや(苦笑)。

──あとで掘り下げて聴きますけど、歌やパフォーマンスも大人な部分が増えました。でも、それと並行して子ども向け知育番組の『とびだせ!ぐーちょきぱーてぃー』(ひかりTVにて放送中。この番組には“ももくろちゃんZ”名義で出演)をやっていることで、アニメ映画の主題歌を担当したり、子ども向けの歌も唄い続けることもできる。さっきの話じゃないですけど、そうやって幅の広い活動をしているからこそ、ただ単に成長していくんじゃなく、昔のお客さんがスーッと戻って来られる余地も残しているんだろうな、とつくづく思います。

彩夏 あぁ、そうかもしれない。昔はウチらが子どもだったのに、いまや歌のお姉さんですよ。もし、芸能界に入っていなかったら、子どもたちと接する仕事に携わっていたと思うのね、私。だから、すごく楽しいお仕事だし、あの番組のおかげで目に見てて客席に子どもがすごく増えたじゃないですか?

──あの子たちが中学生や高校生になって、自分のお小遣いでライブに来られるようになるまで、がんばっていただければ、と。

彩夏 ヤバっ! あと何年かかるの? 10年として、私、もう32歳とか33歳になってるじゃん。なんかリアルな話、そのあたりでちょっとお休みしたいよね(笑)。子どもが産まれるから、しばらく3人でがんばってて、みたいな。アハハハ!

──まぁ、長く続けていくということは、突き詰めるとそういう話ですよね。

彩夏 うん。ももクロはずーっと続いていくんだけれど、みんな順番にお休みしながら、うまい具合に20周年、30周年とやっていければ。でもね、実際に頭に思い浮かんでいる20周年の光景っていうのは、誰ひとり結婚していなくて、客席から「そろそろ誰か結婚しろよ!」ってツッコまれている4人の姿。あぁ、本当に目に浮かぶわ、アハハハ! うん、そっちの可能性が高いっていうか、むしろ濃厚だよ! すごくリアルに想像できるもん。

──こればっかりは本当にどうなるのか、誰も想像がつきませんけど、3年ぶりの表紙&巻頭で、ここまで「大人あーりん」が誌面を埋め尽くすとは、3年前には想像もつかなかったです。

彩夏 本当だよね。いままでも何テーマかある中で、ひとつぐらいはこういうパターンもありますよっていうのはあったけど、全部、こういうパターンは珍しいっていうか、はじめてかもしれない。

──笑顔がほぼゼロですからね。ただ、5月16、17日に開催された東京キネマ倶楽部でのショーを見て、こういう構成でも全然、大丈夫だ、と確信しました。動画配信で見た方もいらっしゃるかもしれませんが、特に『レディ・メイ』(5月17日にリリースされたアルバム『MOMOIRO CLOVER Z』に収録)は、まさに「あーりん無双」でした! あんなにセクシーなダンスができるようになったんだ、と。

彩夏 もうね、キネマ倶楽部に来てくれたみんなは、アルバムの中で『レディ・メイ』が一番好きな曲になったんじゃないかな、アハハハ! でも、あのあと、すごく言われたんですよ。今回のソロコン(6月23日、横浜アリーナで開催された『AYAKA NATION2019』)では「あーりんに歌ってほしい“ももクロ曲”をファンの方からリクエストしてもらったんですけど「もう締切すぎちゃったけど『レディ・メイ』に投票したかった!」って。あれっ、この号ってソロコンより後に出るんでしたっけ?

──横浜アリーナの翌日(6月24日)に発売になるんですが、会場でも先行発売がありますね。

彩夏 そっか。じゃあ、ネタバレはできないね、ソロコンの。

──ただWeb版の「ENTAME next」には、誌面とは別バージョンのインタビューがソロコンよりあとに掲載される予定です。

彩夏 じゃあ、そっちを読んでいる人だけに教えると、今回のソロコンでは『レディ・メイ』もひとりで歌います! ファンのみんなからの声も大きかったし、今回はももクロの曲を増やしているので。見に来てくれたみんなは、もう知っている話だけどね。

──それだけ鮮烈な印象を残したってことですよね。レコーディングが終わった段階で、あーりん的には一番好きな曲、と言っていて「暗いムードの中で、赤い照明とかで歌ってみたい」とイメージを語ってくれましたけど、本当にそのまんまのステージになりました。

彩夏 うしろのほうのお客さんにはわからなかったかもしれないですけど、あの日、じつは私の目の前が「女性限定エリア」になっていたんですよ。だから、ちょっとした女子会がはじまってました(笑)。それが嬉しかったっていうか、セクシーさを出すのって、ひとつ間違えるとね、ちょっと下品になりかねないじゃないですか? だから、セクシーな曲こそ女の子向けなんじゃないかなって。女の子が好きなセクシーさが、上品でちょうどいいんじゃないかなって、私は思うんですよ。

──そのあたりの美学はさすがですね。ほんの数年前は「大人の女性ダンサーとステージで共演させると、どうしてもメンバーがお子ちゃまに見えちゃう」と演出チームを困らせていましたが、今回は大人のダンサーにも負けていませんでしたよ。

彩夏 実際に同い年のダンサーさんもいたからね。そこは負けていられませんよ。こっちは露出ゼロの衣装だったけど(苦笑)。でも、あの日、11周年を迎えて、最高の形で12年目のスタートが切れました。作りこんだショーをあの狭い空間(キャパは約600人)でやることで、あんなに密度がすごいことになるんだってわかったし、今回は演出の方も、振り付けの方もいつものももクロのライブとは違う方にお願いしたので、すべてが新鮮でした。

──そして12年目に開催する最初の大きなイベントがあーりんのソロコンということになります。横浜アリーナという大きな会場ですが、チケットはソールドアウトとなりました。

彩夏 ありがたいことですよね。みんながね、かりそめの姿で、その日だけピンクのTシャツを着たり、ピンクのサイリウムを振ってくれるからこそです(笑)。

──でも、他のメンバーを推している人たちも「見たい!」と思ってくれるのは、なかなかすごいことだと思いますよ。

彩夏 そうですよね。みんな、きっと、ももクロのときとは違う姿を期待していると思うので「どんなあーりんが見たいのかな?」と想像しながら、ソロコンを作っていくんですけど、そうはいってもね、あくまでも「ももクロのあーりん」なので。ももクロのステージでは見られないあーりん、という部分に特化してしまうのは、ちょっと違うよねって思うんですよ。

──なるほど。そこは大事ですね。

彩夏 最終的にはとにかく「かわいい!」と言ってもらいたい(笑)。歌がうまい、とか、ダンスが上手、とかよりも「かわいい!」が一番! そういうライブを目指してます。

──ある意味、それがあーりんの追求するアイドル道みたいなものなんですかね?

彩夏 うーん……アイドルって難しいじゃないですか? だってね「ウチらなんかよりも、この子が大きなステージに立つべきだよ!」って思うぐらいかわいい子、歌がうまい子、ダンスが上手な子、本当にいっぱいいるの、アイドルの世界には。私なんて、本当にラッキーだったんですけど、そういう一発逆転もあり得る世界で、それだけ大きな夢もある。あのね、最近、気づいたことがあるのね。

──アイドルについて、ですか?

彩夏 うん。私はアイドルに憧れて、この世界に入ってきたわけじゃないんですよ。女優さんになってドラマに出たいな、CMにも出たいな、みたいな感じで事務所に入ったので、こんなにも自分の中で「アイドル」ってものが軸になるとは思ってもいなかったですよ。でもね、これは他のメンバーもそうだと思うんですけど、みんなさ、結局「アイドル」って肩書きが好きなんだよねぇ~。ほら、いつもライブが終わるたびに「あーっ、今日も楽しかったね!」って、毎回、メンバー同士で言ってるけど、それって「アイドルをやれて楽しいね」ってことじゃないですか? 11年経っても、そうやってみんなが一緒の想いで活動できていることって、本当に幸せだと思う!

──熱いですね! そして、今回のソロコンの開演前には、横浜アリーナ内にあるセンテニアルホールにて『Yokohama A-rin Collection』と銘打たれたアイドルフェスが初開催されました。このフェスの意図はどこにあるんでしょうか?

彩夏 やっぱりね、アイドル界、もっと盛りあがっていってくれたらいなって気持ちがあって。昨年とか解散するグループも多かったじゃないですか?

──ちょうど平成ラストイヤーということもあって、区切りをつけやすかった、という要因があったにせよ、たしかに多かったですよね。

彩夏 さっきも言ったみたいにかわいい子はたくさんいるわけだし、アイドルっていうキラキラした響きの存在が、これからもキラキラできるように活動していきたいなぁって。おかげさまでたくさんのアイドルが出演したい、と応募してくださいました。

──それこそ、ももクロに憧れて、あーりんに憧れてアイドルになった子もたくさんいるわけで、そういうアイドルにとっては最高のステージだと思います。

彩夏 最終的にはアイドル界に「あーりん軍団」を作りたいのね。

──それはもう事務所の枠を超えた軍団、ということですか?

彩夏 まぁ、ウチの事務所には私を好きだと言ってくれる後輩が結構、いるんで。すでにアイドルとして活動している子はもちろん、これからアイドルになろうと思っている子もぜひ「あーりん軍団」へ!

──そのうち、48グループ、ハロプロと並んで「あーりん軍団」がアイドル界の一大勢力になるかもしれない(笑)。

彩夏 まさかデビューから11年も経ってから「アイドル還り」するとはね。私も本当はぴっちぴちの10代のうちにアイドルっぽいことをやりたかったけど(苦笑)、こうやってやらせていただけることは本当にありがたいことです。

──ある意味、アイドルとして10代で消費されなかったからこそできることですよね。

彩夏 ももクロって、最初、話題になるきっかけになったのが「アイドルらしくないアイドルが出てきた」みたいな感じで注目していただいた部分があったじゃないですか? そんな中で私が「ももクロのアイドル」って自己紹介して、えっ、ももクロってアイドルじゃないの?みたいなことを言われたりしてね。そんな私が23歳にもなって、10代の若いアイドルがたくさんいる中に、私が(ももクロから)1人で切りこんでいくっていう(苦笑)。でも、アイドルちゃんたちの中に入っていくのは、すごく楽しいです!

──ちょっと夢のある話ですよね。

彩夏 さっき、アイドルは一発逆転があり得る世界だって言いましたけど、こうやってね、あきらめなければ、いつかはやりたいことができるんだよって、若いアイドルちゃんたちの希望になったらいいですよね。このあいだ『JAPAN JAM』っていうロックフェスに出させていただいたんですけど、そういう大きなステージに立つと、やっぱり「アイドル」って肩書きが注目される。本当に大事なんだなって、改めて思いましたね。私たちにとって「アイドル」っていう肩書は。その『JAPAN JAM』がきっかけでももクロに興味を持ってくれた人が結構いたみたいで、12年目に入っても、まだまだやれること、できることってたくさんあるんだなって、ひしひしと感じています。

──先日はコスメブランド「M・A・C」とのコラボし、全員が大人っぽいメイクをしたビジュアルが公開されて大きな話題になりました。

彩夏 私、気になったからポスターが貼ってあるお店を遠目から覗きにいったもん、アハハハ! でもね、そういう活動をさせていたたいたりして「あーっ、私、ももクロでよかった~!」と最近、あらためて思いましたね。もし他のアイドルグループに入っていたら、2列目の端っことかで埋もれていたかもしれない。そんな私の個性を認めてくれて、グループでも、ソロでも、こんなにいろんなことができる。本当にももクロでよかったぁ~!

OVERTURE
▽OVERTURE No.019 発売中
発行元:株式会社 徳間書店
定価:本体1,000円+税

OVERTUREオフィシャルHP http://overture-mag.com/
OVERTUREオフィシャルTwitter @OVERTURE_mag