フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』(18年6月3日・10日放送)が、第45回放送文化基金賞で番組部門・テレビドキュメンタリー番組の優秀賞受賞し、2日、都内で行われた贈呈式で表彰された。

  • 『ザ・ノンフィクション 犬と猫の向こう側』より=フジテレビ提供

この番組は、広島に本部を置く動物保護団体「犬猫みなしご救援隊」代表・中谷百里さんの活動を追ったもので、ナレーションを女優の石田ゆり子が担当。中谷さんは各地で起こっている、犬や猫が好きで飼い始めたが、不妊去勢手術をしなかったために世話ができないほど増やしてしまう「多頭飼育崩壊」の問題に取り組んでおり、番組では思わず目を背けるような映像を隠さず見せることによって、現代の貧困と孤立を余すことなく伝えたことが評価され、今回の受賞となった。

プロデューサー・演出・構成の山田あかね氏は「2011年の震災以降、犬と猫の命をテーマにドキュメンタリーを撮ってきました。犬猫モノに対しては、どこか軽く見られていると思っています。でも、実は、犬と猫を撮ることは、人を撮ることと同じなのです。今回取材したのは、1人で100匹もの犬や猫を飼って、どうしようもなくなった人たちでした。なぜそんなことになるかと言えば、頼れる人がなく、最後の支えとして犬や猫を飼うからなのです。犬や猫は人を差別せず、裏切らない。そんな現場で感じたのは、飼い主の圧倒的な、社会からの孤立でした。人間にとって、一番身近な犬と猫には、人の抱える問題がダイレクトに反映されます。だから犬と猫を撮ることは人を撮ることと同じなのです。犬猫モノに賞をくださってありがとうございました」とコメントしている。

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