『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』と、話題の長編オリジナルアニメーションを次々と発表する、湯浅政明監督の最新作『きみと、波にのれたら』が現在公開中だ。消防士の青年・港とサーファーの大学生・ひな子が小さな港町で出会い、恋に落ちるラブラブな様子を描く……と思いきや、港の死によって物語は一変。ひな子が2人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。

この難役で声優を務めたのが、港を演じたGENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太と、ひな子を演じた女優の川栄李奈。今回は2人にインタビューし、声の演技の感想や互いの印象について話を聞いた。

  • 川栄李奈、片寄涼太

    左から川栄李奈、片寄涼太 撮影:宮田浩史

■『3年A組』で気づいた川栄の人見知り

――今回、お二人は声の演技に挑戦されましたが、どのような感想を持ちましたか?

片寄:声の演技をしてみて、難しい部分はたくさんありました。職業柄、声だけの表現やレコーディングをすることについてそんなに抵抗はなかったのですが、歌声を録るのとも全然違うし、芝居の現場ともまた違い、いろはもわからない状態だったので、良い経験になりました。

川栄:私は今回4回目ですが、毎回、声のお仕事はすごく難しいなと、どきどきします。今回はやっぱり歌うシーンが難しくて。声を全部撮り終わったあとに歌の録音だったので、終盤は歌に近づくことに気が行ってしまって、「どうしよう」と思っていました。

――互いの声を聞いてみて、どんな印象だったんでしょうか?

片寄:僕は川栄さんの声が入った状態でアフレコを行ったので、ひな子の声を頼りにさせてもらえました。絵もまだできあがっていない状態でのアフレコだったので、完成した作品は「こうなるんだ」と感動しながら楽しませていただきました。

川栄:私は何もない状態でのアフレコだったので、予告で初めて他の方の声を聞きました。片寄くんは港にぴったりで、水の中から出てくる演技は難しいから、大変だっただろうなと思いました。

――『きみ波』のあとに、話題のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』で共演されたんですよね。初対面の時と、ドラマで共演した時と、印象は違いましたか?

片寄:『きみ波』で初対面の時、川栄さんはすごい忙しそうでした。

川栄:(笑)。

片寄:でも今の印象も、すごい忙しそう。

川栄:いやいやいや、片寄くんの方が忙しいと思います。

片寄:いやいや(笑)。だからドラマの撮影で、同じ時間軸で動くことで、より川栄さんのことを知ることができたかもしれないですね。意外と人見知りなところがある、とか。後から「人見知りなのに話しかけて、厚かましかったかな……」と思いました。

川栄:片寄くんは、『3年A組』の撮影でも物怖じしないで、みんなが集まる前室にいるんです。私はすぐ楽屋に帰っちゃったりしていたので……。

片寄:そうでしたね(笑)。

川栄:扉の隅っこに立ってたりして(笑)。片寄くんはすごいな、と思っていました。でも、『きみ波』を経ての『3年A組』だったので、大人数の中に知り合いがいて安心しました。

片寄:その安心感はありました。